会員システム(会員制システム)とは、WebサービスやECサイトの会員情報を一元管理するためのシステムです。近年、導入する企業が増えており、注目が集まっています。会員システムの導入には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。
こちらの記事では、会員システムの導入をご検討中の方に向けて構築方法、費用までご紹介します。会員システムにご興味のある方はぜひご一読ください。
目次
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会員システム(会員制システム)のビジネスモデルとは
会員制のビジネスモデルとは、顧客が一定期間会員費を支払うことで利用できるサービスのこと。顧客の囲い込み手法の1つで、そのような形式を取ることで、経営者側も安定した収入を得ることができます。
飲食店やスポーツジム、レンタルサービス、化粧品やサプリメントの通販などで、会員制のサービスを利用したことがある方も多いのではないでしょうか。
会員制のビジネスモデルは、業種に合ったサービスやコンテンツを考えることで、収益アップが見込めます。最近は、オンライン上でコンテンツ販売・ツールの利用権利販売をしている会員制サイトが多く見られます。会員登録をすることで、限定のコンテンツを視聴したり購入したりすることができます。会員システムを導入すると、ほかとの差別化が可能になるのです。また、会員制サイトに決済機能をつけることができるので、支払いの自動化も可能です。
会員システム(会員制システム)を運用するメリット・デメリット
WebサービスやECサイトの会員情報を一元管理する会員管理システムは、Excelなどを利用した管理と比較すると効率的です。運用するうえでメリットはたくさんありますが、もちろんデメリットもあります。この章では、会員システムを運用する場合のメリット・デメリットを詳しく解説します。
●メリット
会員システムを運用するメリットは、次の5つです。
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会員情報の把握
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情報が整理整頓される
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プロモーションの効率化
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売上の向上
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個人情報漏洩の防止
1つずつ解説します。
会員情報の把握
会員情報をデータベース化することで、会員情報の蓄積が容易になります。蓄積した情報を分析することで、買い物の傾向や会員の好みを推測し、必要な顧客に必要な情報をタイミング良く提供することが可能です。
情報が整理整頓される
会員情報をシステム管理することで、会員情報が整理整頓され管理しやすくなります。条件を絞った検索にも対応できるので、顧客へ効率的にアプローチすることができます。
プロモーションの効率化
顧客情報を一括管理できるようになるため、メルマガやDMなどのプロモーション活動をより顧客に届けやすくなります。例えば、誕生日情報から適切なプロモーション活動が可能となります。購入履歴からターゲットを絞ることも簡単です。
売上の向上
会員システムを使用することによって管理負荷が軽減されます。これまで事務作業に裂かれていた時間を大幅に短縮することで、新たに商品開発やサービス提供の時間を作ることができます。商品の質の向上により、収益アップが期待できます。プロモーション活動にも時間を回すことができるので、より戦略的な活動が可能となります。
個人情報漏洩の防止
会員管理をシステム化すると、アクセス制限をかけ個人情報の閲覧を特定の人に限定することで、個人情報漏洩リスクを低減できます。紙ベースでの管理でなくなることで、企業にとって大きな損失となる個人情報漏洩リスクを最小限にすることが可能です。
●デメリット
会員システム運用のデメリットは、「会員登録数の問題」と「会員情報流出の問題」の2点です。
会員登録数の問題
導入するシステムやプランによって、登録可能な会員の人数に制限がある場合があります。サービスが拡大するにつれ、増員対応ができないシステムを運用していた場合は、システムを変える必要が出てきます。
会員情報流出の問題
紙ベースからシステム化したとはいえ、不正アクセスによる会員情報の流出の可能性は、ゼロではありません。会員情報の流出は、多くの会員に不安や迷惑をかけることになるため、避けなければなりません。顧客との信頼関係が崩れてしまううえ、その後の営業にも影響を及ぼします。セキュリティ面には十分な注意が必要でしょう。
会員システム(会員制システム)を構築する方法
会員システムを構築する方法はさまざまです。代表的なものとしては、WordPressとASPサービスがあります。ここでは、「WordPressで制作する方法」と「ASPサービスを利用する方法」の2点をご紹介します。
●WordPressで制作する方法
WordPressは、専門的な知識がない方でも簡単にWebサイトを制作することができるソフトウェアです。既存のシステムを活用するため、コストを抑えて会員制サイトを作成することが可能です。
やり方も簡単です。プラグインをダウンロードし、WordPressの構築されているサーバーにインストールするだけです。会員サイトの完成像を明確にすることで、最適なプラグインを選ぶことができます。プラグインの種類には、会員を分類して管理するものやSNSとの連携に適しているものなどがあります。また、拡張機能を確認することもおすすめです。拡張機能としてどのようなものが使えるのか、比較検討すると良いでしょう。
●ASPサービスを利用する方法
ASPサービスは、インターネットなどの通信ネットワークによってシステムを利用できるサービスです。インターネットが使える環境とパソコンなどツールがあれば、どこにいても会員サイトを管理できるためとても便利です。
ASPサービスを利用する場合のポイントは機能面でしょう。WordPressで制作する場合と同様に、完成像を明確にし、必な機能が備わっているのかを事前に確認しましょう。
必要な機能が標準機能なのか、追加や有料の拡張機能なのかの確認も必要です。さらに、ASPの場合はセキュリティ面に関する確認も重要事項です。会員システムは大事な顧客情報を扱うため、セキュリティ対策がきちんとされているものを選ぶ必要があります。
会員システム(会員制システム)にはどんな機能が必要?
実際の会員システムにはどのような機能が必要なのでしょうか。ここでは代表的な機能を7つ、ご紹介します。
●ログインページ
会員制のサイトには、ログインページが必要です。会員登録の際にID・パスワードの設定を行います。会員登録後、ID・パスワードを入力してマイページにログインする流れが一般的です。
●お問い合わせフォーム
会員が必要な時にお問い合わせできるよう、サポートする機能も必要です。会員システムには、必ずお問い合わせフォームを用意しましょう。
●決済フォーム
インターネット上で決済ができるように、決済フォームを設定します。特に、ECサイトやオンライン講座には必須項目です。銀行やクレジットカード対応ができるようにしておくと、顧客の要望により応えやすくなるでしょう。
●コンテンツページ
会員限定のコンテンツを公開するページを作成します。動画を視聴することができるコンテンツもここに含みます。
●支払いデータ管理機能
会員システムを使って支払いがあったデータの管理を行う機能です。支払いデータを基に領収書や請求書のデータが作られます。
●コミュニティ管理機能
会員同士が交流できる、サイト内のコミュニティ機能を作成します。
●プロモーション機能
会員登録されたデータを基に、個々に合ったプロモーションを行う機能です。一斉メールではなく、会員ごとに適したプロモーションを行うことが可能となります。
会員システム(会員制システム)を選ぶポイント
会員システムは、いくつかのタイプに分かれています。せっかく導入しても自社に合わなければメリットを得ることはできません。ここでは、会員システムを選ぶポイントを紹介します。
●選ぶポイント1:会員システム(会員制システム)のタイプの違い
会員システムには様々なタイプがあります。代表的なものは3つです。
会員管理に特化している
会員管理に特化しているタイプは、会員データの蓄積や整理を重要視したい場合に適しています。会員管理システムの中には、情報自動反映機能やカスタマイズ機能が充実しているものもあります。蓄積・整理したデータをマーケティングに活用できるシステムもあります。
イベントに適している
イベント・レッスンの予約や決済機能を重要視したい方に適したタイプです。入会申し込み手続きやオンライン決済などの事務的な作業を効率化することができます。イベントに招待する会員を限定したり、レッスン日の調整機能がついていたりするものを選ぶと、より効率アップにつながります。
顧客管理機能が優れている
顧客管理機能に優れているタイプは、会員一人ひとりに合ったコンテンツの提供が可能です。リピーターを育てたい、リード客を獲得したい方に適しているでしょう。
必要な機能の有無
会員管理システムを導入する場合は、代表的な機能のほかにも、自社に合った機能が必要です。会員管理システムに搭載されていると便利な機能を4つ、ここで紹介します。
決済機能
スクールや講座、有料のセミナーを開催・運営している場合、システム内の会員情報の管理と決済管理ができると業務の効率化を図ることができます。月会費などの決済が会員情報と連携できていると便利です。
入退室管理機能
学習塾や有料のスクールでは、入退室管理機能があると業務の効率化が図れます。ほかにも、会員制のジムやコロナ禍で注目を集めているコワーキングスペースでの入退室の管理に活用できます。その場合は、入退室管理機能が搭載されているシステムを選ぶと良いでしょう。
分析・セキュリティ機能
会員の購入履歴を分析してプロモーションにつなげたい方は、分析・セキュリティ機能がついているシステムが良いでしょう。セキュリティ機能は、顧客管理の最重要ポイントでもあります。会員情報の漏洩防止のため、必ず設定しておきましょう。
サポート機能
商品やサービスに関するレビューの記載ができる場所やコミュニケーションができるコミュニティ機能があれば、利用者の生の声が届きます。顧客のニーズを把握することができ、効果的なサポートが可能です。お問い合わせが多いものに関しては、回答を自動化できるので効率アップになります。
操作性
会員システムを選ぶ時は、管理画面の操作性にも注目してください。具体的には、データのダウンロードの速さや検索項目について、ほかのシステムとの連携性を確認しましょう。会員数が多い場合は、データの量が多くなります。処理能力が十分でない場合、操作性が低くなります。操作スピードの確認も忘れないようにしましょう。
価格
会員数、データベースの容量、月額定額支払いなど、会員システムの課金体系はさまざまです。会員数の増減が大きい場合は、注意が必要でしょう。自社に合った課金体制のものを見極めることがポイントです。
セキュリティ
会員の個人情報を扱うため、高度なセキュリティ対策が必要です。セキュリティ保守をしっかりと行っている開発会社を選ぶ、アクセス権限の制限やログ管理機能があるものを選ぶことをおすすめします。
開発のしやすさ
画面設計の自由度が高いものを選ぶと、管理担当者がカスタマイズしやすくなります。会員サイトのコンテンツやデザインのテンプレートが充実していると、よりカスタマイズしやすく便利です。
●選ぶポイント2:クラウド型とパッケージ型
会員登録システムには、クラウド型とパッケージ型の2種類があります。
クラウド型
クラウド型は、インターネット環境があればすぐに導入することができます。システム開発の必要がないため、短期間での導入が可能で、なおかつ低コストで済むというメリットがあります。セキュリティ面は開発会社が行うため、情報漏洩の危険性が低いといえます。
ただし、カスタマイズ性が低いというデメリットがあります。
パッケージ型
パッケージ型は初期費用が高くなることがありますが、一度導入すると運用コストがかからないというメリットがあります。また、自由度が高いため、自社に合わせてカスタマイズすることができます。
会員システム(会員制システム)おすすめ5選
代表的な会員システムを5つ紹介します。
●スマートコア(株式会社イーストゲート)
スマートコア(株式会社イーストゲート)は、会員管理と連動した会員サイトをスピーディに作ることができるシステムです。基本の機能にオプション機能を加えることで、自社にあった会員サイトを制作することができます。2週間の無料のトライアル期間があるので、実際に使用感を確認することができます。
【料金・プラン】
初期費用:スタンダードプラン(サブドメイン)0円
オリジナルドメインプラン 22,000円
月額費用:スタンダードプラン 13,250円〜
オリジナルドメインプランのみ:初期費用58,000円
【決済機能】会費やイベント参加費の支払い
ペイメント機能 年額48,000円〜
●STORES 予約(旧Coubic)
STORES 予約は、10万社以上もの導入実績がある会員管理システムです。実績が多いためセキュリティ面も安心です。初期費用は無料で利用できます。
【料金・プラン】
初期費用:0円 月額費用:プラチナプラン 77,000円(年契約 66,000円)
スタンダードプラン 29,678円(年契約 26,378円)
ライトプラン 12,078円(年契約 8,778円)
※すべて税込
●MOSH(モッシュ)
MOSH(モッシュ)は、スマホで手軽にページの作成ができる会員管理ツールです。初期費用、月額費用は無料です。利用した分のみの決済手数料となるため、大きな資金がなくても導入が可能です。
【料金・プラン】
初期費用:0円
月額費用:0円
決済手数料:8%(現在は3.6%)
●月額パンダ(株式会社もぐら)
月額パンダは自動集金システムですが、会員管理システムとしの機能も搭載しています。
【料金・プラン】
初期費用:0円
月額費用:0円
売上金決済手数料(税抜):売上 × 3.5%
●SELECTTYPE
デザイン性が高く高機能な予約システム付きのホームページを作成できます。スクールやイベント、セミナーなどの実績が豊富です。
【料金・プラン】
初期費用:0円
月額費用:フリー 無料
ベーシック 1,650円
プロフェッショナル 3,300円
プレミアム 11,000円
※すべて税込
会員システム(会員制システム)開発にかかる費用
会員管理システムの導入には、費用がかかります。金額は、プロジェクトの規模や内容によって大きく異なります。システム開発費用の70~80%は、人件費が占めています。依頼した場合の技術者の作業単価は次の通りです。目安としてご参照ください。
技術者 | 作業単価(万円) |
---|---|
上級システムエンジニア | 約100~160 |
初級システムエンジニア | 約60~100 |
大手企業所属のプログラマー | 約50~100 |
下請け企業または個人事業主プログラマー | 40~80 |
外国籍プログラマー | 30~60 |
作業単価は、技術者1人が1ヶ月稼働した場合にかかる費用です。
まとめ
会員システムの導入をお考えの場合、数多くある開発会社を選ぶ基準にお困りの方も多いでしょう。しかし自分だけで調査して、比較して自社に合うシステム開発を探すのはなかなか難しいです。1社ずつホームページを確認して問い合わせ、依頼する会社候補を絞り、様々な要素を比較してみて最終決定を下すのは時間と手間がかかってしまいます。
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