受託開発は、大きな金額が動く反面、競合も多く新規開拓が難しいという特徴があります。しかし新規開拓は企業が成長していくために重要な活動です。本記事ではシステム受託開発会社が新規開拓を行うポイントから、実際の営業方法までを解説していきます。ぜひ本記事を参考に、新規開拓の動きを加速させてください。
目次
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決システム開発に特化したビジネスマッチング
システム受託開発会社の新規開拓の課題とは
企業が持続的な成長を続けていく上で、顧客の新規開拓は欠かせません。しかしシステム受託開発会社が新規開拓するには、業界特有の面から大きな課題があります。主な新規開拓の課題は、下記のとおりです。
●競合が多い
ひと口にシステム受託開発会社といっても、業界や業種に特化している企業や幅広い業界向けに開発を行っている企業など、その種類は千差万別です。誰もが名前を知っている大企業から、新進気鋭のベンチャー企業まで企業の規模も異なります。こうした競合が多い中でも自社の強みを示し、新規開拓を行うことが重要です。
●自社の特徴が見えにくい
受託開発は、企業が求める機能や形態に合わせて開発を行うことです。クライアントから依頼を受け、要件に沿ってシステムを開発していくことが主な仕事になります。そのため、クライアントからの要望を実現していくことが主となり、自社の特徴が見えにくいのが難点です。なぜなら、クライアントの要望から外れた自社の独自性を出しにくいからです。独自性が出しにくいため、他社との差別化につながりにくくなります。
●新規顧客に自社のメリットを示しづらい
繰り返しになりますが、クライアントの要望を実現させていくのが、システム受託開発です。つまり、自社の商品やサービスを提供するわけではありません。他社との違いを明確にしにくいため、自社のメリットを示しづらいのも課題として挙げられます。反対に、他社との差別化を図りながらメリットを示せれば、クライアントから依頼を受けやすくなるでしょう。
システム受託開発の新規獲得のポイント
システム受託開発会社の新規獲得では、下記のポイントを押さえることが重要です。
●他社との差別化を図る
新規獲得において、他社との差別化は重要なポイントです。なぜなら、他社との差別化を図ることで自社の強みを表現できるようになり、クライアントから見ると魅力的に映るからです。そのため、他社の強みと自社の強みを比較し、競合他社と差別化している点をクライアントにアピールすることが大事になります。
他社との差別化を効果的に行うには、「バリューポジション」という考え方が大事になります。ここでいうバリューポジションとは、「顧客がその商品やサービスを利用することで、顧客自身にもたらされる明確な利益」のことです。顧客が求める価値のあるものはそのままに、自社が提供できる価値のあるものが顧客の求めるものに合致し、さらに付加価値が与えられれば、「バリューポジションを得た」といえます。つまり、競合他社には真似ができない、自社が提供できる「唯一の価値」を持っていることが差別化の大きなポイントであり、顧客から選ばれる大きな理由になります。
こうした差別化を図るためには、ニーズの把握やターゲット市場の分析、競合他社の分析などを深掘りしていくことで、自社の強みを把握していくことが大切です。
●市場全体のマーケティング戦略を立てる
先述したとおり、差別化を図り新規獲得を行っていくためには、ニーズの把握やターゲット市場の分析、競合他社の分析は欠かせません。そのため、市場全体のマーケティング戦略を立てることが大事になります。適切なマーケティング戦略を立てることで、自社の立ち位置と狙うべき市場や見込み顧客を把握し、どのようなアプローチをかけるかが見えてきます。
適切なマーケティング戦略を立てるには、STP分析がおすすめです。STP分析とは、「Segmentation(セグメンテーション)、Targeting(ターゲティング)、Positioning(ポジショニング)」の頭文字を取った分析手法を指します。市場のニーズをグループ化してその中からターゲットを絞り、ターゲットに適した自社の立ち位置を明確にすることで、市場における自社の優位性を示すものです。
また、マーケティング戦略を立てるために「CMO(最高マーケティング責任者)」を採用する方法もあります。CMOとは自社が掲げる経営戦略を基にし、部署を横断したマーケティング戦略を立案、実行を行うマーケティングのプロフェッショナルです。欧米では一般的な役職ですが、日本では徐々に広がりを見せている役職です。こうしたプロフェッショナルな役職を置くことで、市場全体のマーケティング戦略がより鮮明になり、新規獲得につながっていくでしょう。
●相手に分かりやすい言葉で伝える
このほか、相手に分かりやすい言葉で伝えるのも新規獲得の大きなポイントとなります。なぜならシステム開発は専門用語が多く、相手に意図が伝わりにくいことが多いからです。相手が理解しにくい言葉を多用して説明を行っても、顧客は混乱してしまい、自社に親しみを感じることはないでしょう。そのため、なるべく専門用語を少なくして、分かりやすい言葉で伝えることが大事になります。
しかし、説明の中にはどうしても専門用語を使わなければならないシーンもあるでしょう。そのような場合は、図を作る、絵で伝えるなどの工夫が大事になります。少しでも、相手に伝わりやすいと感じてもらえる説明を行ってください。また、受託開発はシステム導入後も長く利用してもらう必要があります。導入後にシステムトラブルなどが起きる可能性もあるでしょう。そうした場合でも「サポートを任せて大丈夫だ」と感じてもらうために、分かりやすい言葉で伝えることは大切です。
受託につながる新規開拓の営業方法
受託につながる新規開拓の営業方法は、下記のようなものが挙げられます。それぞれの営業方法にはメリットや注意点があるため、自社に適しているものを選んで行っていくと良いでしょう。
●電話営業
電話営業とは、見込み顧客に対して電話をかけ、自社の説明や強みを伝えることで商談のアポイントを取ることです。どの企業でも使われている古典的な営業手法の1つで、「テレアポ」と呼ばれることもあります。電話営業のメリットは、「アプローチがしやすい」「多くの企業にアプローチができる」などが挙げられます。
アプローチのしやすさに秀でているのは、見込みの顧客に対して電話をかけ、口頭で自社の紹介やサービスの強みを伝えられるためです。メールなどと比較して、相手の反応に応じて伝え方を変えることも可能なので、柔軟性にも富んでいます。また、電話番号さえ取得できれば、アプローチができるため、多くの企業に向けてアプローチができるのもメリットです。昨今ではWebサイトから簡単に電話番号を確認でき、すぐにアプローチできます。多くの企業にアプローチができれば、必然的に商談を獲得する数も増えていきます。
一方で、電話営業の注意点としては「相手に話を聞いてもらえない」「負担が大きい」などが挙げられます。電話営業では、必ず相手に話を聞いてもらえるとは限りません。なぜならアポイントもなしに電話をかけるため、相手先の準備ができていない、忙しい、担当者がいないなどで断られてしまうケースが多いからです。また、せっかく担当者までつながったとしても、アポイントにつながらないなどのケースもあるでしょう。電話営業の目的は商談のアポイントを取ることであり、商品やサービスの成約を取ることではありません。そのためトークスクリプトを用意するなど、少しでもアポイントを取る確率を高めることが大事になります。
●紹介営業
紹介営業とは、既存の顧客から新しいクライアントを紹介してもらう方法、または、人脈が広いプロフェッショナルに営業活動を依頼して新規顧客にアプローチをかける方法を指します。
紹介営業のメリットは、「成約につながりやすい」ことです。なぜなら、すでに取引のある顧客や人物からの紹介なので、見込み顧客も安心感があるからです。そのため、紹介営業では最初のアプローチから裁量権がある人物と接点を持ちやすくなります。先に挙げた電話営業などと比較して、ゼロから信頼関係を作り上げる点とは異なります。これまでの実績や信頼性をアピールできれば、評価につながりやすい営業方法といえるでしょう。
ただし、紹介営業は信頼性のもとに成り立っている営業方法です。信頼関係が築けていない顧客に依頼をしてしまうと、相手への負担になってしまい、信頼が落ちてしまう可能性があります。そのため、別の顧客にも紹介したいと感じてもらえるような、サービスやサポートの提供を続けていくことが大事になります。きちんとしたビジネスを行っている先に紹介営業があると理解した上で、行動していくことが大切です。
●コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、「自社メディアを活用して顧客にとって価値のあるコンテンツの作成、発信を行う手法」「自社コンテンツの発信により、見込み客のニーズを育成して関心を持ってもらう手法」です。短期的ではなく、長期的な視点から顧客を獲得するのが特徴です。
コンテンツマーケティングのメリットは、「作成したコンテンツが資産になる」「顧客ロイヤリティが高められる」などが挙げられます。コンテンツは一度作成したら終わりではなく、他の顧客に対しても利用ができる資産として残っていきます。また関連項目を多く作成することで、より顧客のニーズに合ったコンテンツになっていくことも特徴です。
また、「顧客ロイヤリティ(顧客の信頼や愛着)が高められる」ことも大きなメリットです。有益な情報を発信し続ければ、顧客からは好印象を持ってもらいやすくなり、自社のファンになってもらえる可能性が高まります。有益なコンテンツを作成することで、自社のブランディングや付加価値にもつながっていくでしょう。
注意点としては、コンテンツの作成や発信に時間がかかることが挙げられます。コンテンツマーケティングは、長期的な視点で行う手法です。有益なコンテンツを継続的に制作する、掲載するメディア運営を行うなど、効果が出るまでに時間がかかるのが難点です。また、有益なコンテンツを作成するための専門スタッフを用意する必要もあるでしょう。短期的ではなく、長期的な視点から費用対効果を考えることがコンテンツマーケティングでは大切です。
●フォーム営業
フォーム営業とは、Webサイトに設置された「問い合わせフォーム」から、営業メールを送付してアポイントを獲得する営業方法です。問い合わせフォームは本来、企業への声を集めるもののため、閲覧率が高くなります。見込み顧客にとってメリットがあると感じる文章を書ければ、アポイントから商談につながるでしょう。接点がゼロの所から、ダイレクトにアプローチができるのも魅力的な点です。
一方、フォーム営業はクレームにつながる可能性もあります。問い合わせフォームからの営業は、本来の利用用途からは外れるため、Webサイトに「問い合わせフォーム営業お断り」と記載している企業もあります。こうした文章を確認せずにフォーム営業を行ってしまうと、クレームにつながってしまい、見込み顧客を1つ失ってしまうことになります。また、文章を読んでもらえたとしても、内容が分かりにくければその先へは発展していきません。分かりやすい言葉で簡潔に内容を伝えることで、アポイントの獲得につながっていきます。
思い切って営業の方法を変えてみるのも手
これまで紹介した営業方法を活用しても結果が出ていなかった場合、思い切って営業の方法を変えてみるのも良いでしょう。例えば、営業の方法としては下記のようなものもあります。
●クラウドソーシングを利用する
クラウドソーシングとは、インターネットを利用して多くの人に業務を発注する業務形態のことです。クラウドソーシングのメリットは、マーケティングの専門家やコンテンツを作成するスタッフなど、「自社にいない専門的な人材を採用できること」です。特化した人材を採用することで、自社の従業員の負担減にもつながります。また、こうした人材を採用することで、人材育成にかかるコストを下げることにもなります。
一方、クラウドソーシングの多用は「自社の従業員に対する育成機会の損失」などが考えられます。スポットでの採用は短期的には大きなメリットですが、長期的に見ると社内の専門的な人材育成が先送りにされていることを意味します。また、採用した人材とやり取りするために、チャットツールやビデオ会議を利用したコミュニケーションが増加するでしょう。そのため、きちんとしたコミュニケーションを取れなければ、方向性が異なってしまうことも考えられます。
●SNSを活用して営業を行う
TwitterやInstagram、FacebookなどSNSで有益な情報を発信して、企業や製品の認知度をアップさせファンを獲得する営業方法です。近年では、SNSに力を入れて営業を行う企業も増えてきています。SNSを活用するメリットは「無料で認知度をアップできる」ことです。
基本的に広告を打つ際は広告料を支払い、宣伝を行いますが、SNSの開設や投稿自体はほとんど無料できます。またSNSは拡散機能や共有機能にも優れているため、無料で認知度アップできるツールとして重宝できます。SNSを上手に活用することで、これまで自社を認知していなかった層にも製品、サービスをアピールできるでしょう。
一方でSNSの活用は、「コンテンツの魅力がなければ拡散されない」などのデメリットがあります。さらに、SNSで炎上を起こしてしまうと社会的信用が落ちてしまい、新規顧客の獲得は困難になってしまいます。自社の発信に独りよがりにならず、ユーザー目線での発信を心がけることが大切です。
●マッチングサービスを活用する
現在ではサービスを発信する企業(受注者)とサービスを求めている企業(発注者)をマッチングしてくれる、マッチングサービスが普及しています。システム開発に特化したサービスもあるため、発注者にとっては自社のニーズに合う企業を探しやすいサービスです。マッチングサービスを活用するメリットは、自社がターゲットにしたい見込み顧客を効率的に探すことができ、取引先を増やしやすい点が挙げられます。また、システム開発に特化したサービスであれば、見込み顧客はシステム開発受託する会社を求めているため、話が進みやすい点もメリットです。こうしたマッチングサービスを上手に活用すれば、新規顧客を増やす一助になります。
ただし、マッチングには時間がかかることもしばしばです。マッチングサービスは、発注者と受注者を結びつけるきっかけに過ぎません。サービス内でマッチングをしたとしても、商談につながっていくには自社の魅力やメリットを改めてアピールする必要があります。
開発案件の新規開拓ならマッチングサービスを推奨
今回は、受託開発の新規開拓を成功させるポイントを紹介しました。
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