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RFPとは?システム開発に必要な提案依頼書の作成手順と注意点

RFP作成のイメージ図

RFP(Request for Proposal)は、企業が開発会社にAIやSFA(営業支援システム)といったシステム開発を依頼する上で欠かせない提案依頼書です。DX化が進む昨今、自社にとって最適なシステムを導入するためには、システム開発の委託先の企業にシステム化の具体的な背景を共有し、発注側と開発側で認識のズレを可能な限り少なくすることが重要になります。

ここではRFPの概要や作成するメリット・デメリットを詳しく紹介します。あわせて、RFP作成時に意識したいポイントも合わせて紹介しましょう。

 

目次

 

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そもそもRFPとは?

RFPとは、システム開発を依頼する側が、SIerやベンダーといった開発者側へ提出する「提案依頼書」のことです。システムに搭載したい機能や要件、解決したい課題などを発注者が記入し、ドキュメント化します。より分かりやすく言えば、「発注者側の依頼内容をまとめた書類」という認識でも良いでしょう。「Request for Proposal」という言葉の頭文字を取ってRFPと表記されます。

分かりやすくまとめたRFPを受注側であるシステム開発会社に提出することで、発注側の要望や情報を正しく開発側に伝えられます。その結果、「自社の要望に合った提案」をシステム開発会社から引き出しやすくなるのです。RFPを提出してシステム開発を依頼する際は、開発を円滑に進めるためにRFPのメリットとデメリットを明示しておきましょう。以下の項では、RFPを提出するメリットとデメリットをそれぞれ紹介します。

 

RFPのメリット

RFPを使って開発側と情報共有を行うことには、以下に挙げられるようなさまざまなメリットがあります。

 

  • 要件を適切に伝えられる

  • 複数社の提案を効率よく評価・比較できる

  • 自社の現状を見直す際に役立つ

  • トラブル発生防止になる

それぞれについてさらに詳しく解説していきます。

 

●要件を適切に伝えられる

RFPが持つ最大のメリットは、自社が求める要望を要件定義としてまとめ、開発会社へ適切に伝えられることです。RFPがないと要件に抜け漏れが発生したり、開発会社側で伝言ゲームが始まって正しい内容が伝わりにくかったりします。開発会社側からピントの外れた提案が持ち上がり、説明や訂正に時間がかかることも珍しくありません。こうした齟齬を防止するために、要件を明記したRFPの提出は不可欠なのです。

 

●複数社の提案を効率よく評価・比較できる

発注前の段階で、RFPを複数の開発会社へ提出することも可能です。複数の開発会社から全く同じ要件の提案書をもらえるため評価基準を統一しやすくなり、各提案の比較をスムーズに行えます。RFPを提出しない場合だと、評価基準がまとまらず提案にムラが出てしまうため、要件に合った開発会社を選定するのが難しくなるのです。

 

●自社の現状を見直す際に役立つ

RFPの作成は、自社の現状把握や課題発見にも役立ちます。RFPに正しい要件を盛り込むには、「社内のサービスにどんな課題があるのか」「その課題をどんなシステムで解決したいのか」という点を洗い出す必要があるためです。

 

●トラブル発生防止になる

RFPによって情報や要望を明確にドキュメント化しておくと、トラブルの発生を未然に防げます。

システム開発の場面では、曖昧な要望や口約束が原因で「知らされていた納期と異なる」「予算と開発規模が合わない」などのトラブルが発生するケースが少なくありません。依頼する側と開発会社側間で言った・言わないの水掛け論が発生し、意見が平行線を辿るケースもあります。

RFPはこうした「納品物の納期」、「見積もりや開発規模」に関するトラブルを防ぐのに役立つのです。

 

RFPのデメリット

RFPを作成・提出するにあたり、以下2点のようなデメリットにも注意する必要があるでしょう。

 

  • 発注前の作業負担が増える

  • システム開発の着手まで時間がかかる

 

●発注前の作業負担が増える

RFPは、詳細な要件を明確にまとめ、相手が正しく理解できる形で作成・提出する必要があります。RFPを初めて作成する企業や担当者にとっては、この要件の抽出が思わぬ負担になるでしょう。しかし理想のシステムを開発してもらうためには、曖昧な部分をできるだけ排除することが欠かせません。コストや時間がある程度かかっても、しっかりとしたRFPを作成する必要があるのです。

 

●システム開発の着手まで時間がかかる

RFPの作成は、システム開発に関係する部門それぞれの問題点を整理する必要があるため、工数がかかります。特に、初めてRFPを作成する場合は、分かりやすくまとめる以前に、何をまとめれば良いのかが分からずドキュメント化しきれないということもあるでしょう。

ですが、開発の着手までには時間がかかってしまうものの、RFPを作成・提出することで、開発着手後の余計な手戻りを減らすことができます。総合的に考えると、かかる工数や手間をふまえてでも、RFPを作成する方が無駄な時間の削減につながるといえます。

 

RFPの役割とRFIとの違い

名称 詳細
RFP(提案依頼書) システム開発会社へ、発注する側の要件を書き記した書類
RFI(情報依頼書) システム開発会社の企業情報や製品情報の提示を依頼する書類

 

RFPの構成や作成のポイントを紹介する前に、RFPとしばしば混同される「RFI」との違いについて解説しておきましょう。繰り返しになりますが、RFPの役割は、既に目星をつけている開発会社へシステム開発の要件を伝えることです。

これに対してRFIは、開発会社の会社情報や技術・製品情報の提示を依頼する書類のことです。RFIは「Request for Information」の頭文字を取った略語で、日本語に訳すと「情報依頼書」になります。

分かりやすく言えば、システム開発を依頼するため「御社の技術や製品、基本的な会社情報を教えてほしい」と依頼する書類だと考えると良いでしょう。会社情報や技術情報を知ることで、要件に合致する企業か否かを見極める意図があります。

依頼先を決める段階で必要となるため、プロジェクトの初期段階で依頼するのが一般的です。ちなみに、「会社情報や実績などを記入する」という点を挙げれば、RFIはRFPと比べると作成の難易度が低い書類と言えます。

 

RFPの作成からシステム開発までの流れ

RFPの作成からシステム開発に着手するまでは、主に次のような流れで行います。

 

  1. プロジェクトチームの編成
  2. 開発目的の確認
  3. 現状の課題の把握および優先順位の設定
  4. 解決策の立案
  5. RFPの作成・提出
  6. システム開発会社から提案書・見積書の受領
  7. システム開発会社との調整・合意

 

ここからは、それぞれの段階の中でどのようなことを行うのかさらに詳しく解説していきます。

 

●STEP1:プロジェクトチームの編成

RFPを作成する際は、いきなりプロジェクト担当者1人だけで手早く進めず、RFPが必要となるプロジェクトを進めるためのチームを編成しましょう。

1人ではなく複数メンバーで進めるべき理由は、分かりやすく明確なRFPの作成には、社内情報の積極的な洗い出しや共有が求められるためです。システムの開発・導入にあたって関係各所から意見を募るなどの連携や、導入するシステムがどの部署にどのような影響を与えるのかといったヒアリング、ミーティングなども必要になるでしょう。開発着手後やシステム導入後の社内トラブルを回避できるメリットもあるため、複数メンバーでプロジェクトを進めるのが望ましいといえます。

また、チームを編成する際は、プロジェクト全体のマネージメントを担うプロジェクトマネージャーと、経営的視点で意思決定を行うプロジェクトオーナーを優先的に決めておくのもポイントです。

 

●STEP2:開発目的の確認

チームを編成した後、プロジェクトで開発するシステムの目的を確認しましょう。導入するシステムの目的が曖昧なまま開発が進行してしまうと、社内に導入した後に有効に扱えなくなってしまいます。

「なぜそのシステムを導入するのか」「どのような課題を解決したいのか」などの軸がぶれないよう、チーム内で明確にしておきましょう。

 

●STEP3:現状の課題の把握および優先順位の設定

システム開発の目的を確認した後は、現状の社内における課題の把握が必要です。プロジェクトチーム内外を含めたさまざまなレイヤーから多角的な情報を集め、それぞれがどのような課題を抱えているのか認識をすり合わせましょう。

この時、どのレイヤーが抱える課題から率先して取り組むべきか、優先順位を設定することで、より目的に沿ったシステムを開発・導入しやすくなります。

 

●STEP4:解決策の立案

課題の把握と解決すべき優先順位を設定したら、次は具体的な解決策を立案しましょう。

解決策を立案する際は、「システムを導入して課題を解決できるのか」を軸にするのではなく、少し先を見据えて「システムで課題を解決すれば本来の目的を達成できるのか」を軸に考えるのがポイントです。システムを導入するかどうかだけに論点を設定せず、必要に応じて社内の体制変更を考案するなど、さまざまな幅広い視点から解決策を模索していくのが良いでしょう。

 

●STEP5:RFPの作成・提出

課題の解決策までまとまったら、本格的にRFPの作成に移ります。ここまでの内容をふまえ、社外の人間にも明確な意思伝達ができるようドキュメント化し、開発会社へ提出しましょう。

具体的にどのような項目をまとめれば良いのかは、RFPに記載する主な項目で後述します。

 

●STEP6:システム開発会社から提案書・見積書の受領

RFPを開発会社に提出後、開発会社側がRFPの内容を確認し、それを基にプロジェクトの提案書と見積書を作成します。

書類の作成が完了次第、開発会社から提案書と見積書が送付されるので、受領と確認を行いましょう。

 

●STEP7:システム開発会社との調整・合意

開発会社から受け取った提案書と見積書を社内で確認し、必要に応じて関係各所との調整を行います。

十分な意思伝達と要件定義の共有が済んだら、本格的なシステム開発に着手してもらいましょう。

認識の更なるすり合わせが必要な場合やシステム開発に関する質問がある場合は、開発に着手する前に開発会社に問い合わせたり、ミーティングの時間を確保したりするのも良いでしょう。

 

RFPに記載する主な項目

RFPの項目 詳細
本書の目的 システム開発を依頼する目的
プロジェクトの背景 システムを導入することになった背景
ゴール プロジェクトのゴール(求める品質や納期、費用)
プロジェクトの範囲 提案を依頼したいプロジェクトの範囲
会社情報 自社の取扱商品や業種、販売形態などの情報
システム構成 自社で使用しているシステムの構成図やシステムパッケージ
機器情報 自社で現在使用しているPCやサーバ情報

 

RFPの主な項目は図の通りです。表紙には、自社名とプロジェクト名(もしくは開発を依頼したいシステム名)、「RFP(提案依頼書)」という文言を記載します。以下では、RFPを構成するページと、項目ごとの書き方をご紹介します。

 

●本書の目的

提案依頼書の目的を説明するページです。「なぜこのシステムを導入したいのか」、「プロジェクトのゴールはどこにあるのか」を記載します。

 

●プロジェクトの背景

経営的課題や業務量の課題など、システムを導入することになった背景を説明するページです。同時に、システム構築・導入で解決したい現状の課題を説明する場合もあります。

 

●ゴール

RFPには、求める品質や納期、費用などできるだけ可視化できる項目をプロジェクトのゴールに据えます。たとえば品質の項目であれば、「現状課題がすべて解決すること」、「すべての画面処理が5秒未満で完了すること」などの条件をつけましょう。費用の項目であれば「見積金額以内でプロジェクトが完了する」などの予算に関する条件を、納期項目なら「○○年○○月○○日までに、新システムが問題なく稼働する」などの具体的なスケジュールに関する条件をつけると、さらにゴールが明確になり、プロジェクトの評価もしやすくなります。

 

●プロジェクトの範囲

開発会社に対し、提案を依頼したいプロジェクトの範囲を説明するページです。「機器の購入から開発まで依頼したい」「システム開発だけを依頼したい」など、プロジェクトの範囲を明確に説明しましょう。範囲を箇条書きでまとめると、簡潔でわかりやすくなります。

 

●会社情報

自社の取扱商品や業種、販売形態などの情報を説明するページです。こちらも箇条書きで記載して問題ありません。自社の紹介パンフレットがあれば、RFPに添付してみるのも手です。

 

●システム構成

現在使用しているシステムの構成図や、システムパッケージ(既存の製品版システム)の名前を説明します。構成図が複雑で作成が難しい場合は、システムパッケージ名を洗い出して記載しましょう。

 

●機器情報

自社で現在運用しているPCやサーバ情報を説明します。導入するシステムによって推奨環境や必要なスペックが異なるため、PCの入替作業が発生するケースも。「思わぬ入替作業が必要になって慌てた」という事態にならないよう、使用中のPCの台数と基本スペックはしっかり説明しましょう。

先に挙げた構成を参考に、RFPを作成しましょう。システム開発企業によっては、上記項目を予め記した、RFPのテンプレートを公開しているケースもあるので、「書類を作るのが難しい」という方であれば、利用を検討してみるのも良いでしょう。テンプレートごとに記載されている項目が異なるケースもありますが、1から作成するよりも少ない労力でRFPを作成することができます。

 

RFP策定時の注意点

最後に、RFPを作成する際、押さえておきたい書き方のポイントを紹介しましょう。以下の3点に配慮して作成することで、より円滑にRFPを作りやすくなり、開発会社(ベンダー)側の理解も明確になり、システム構築の流れがスムーズになります。

 

  • フォーマットにこだわりすぎない

  • 最初から完璧を目指さない

  • 色々な人の意見をもらい抜け漏れを防ぐ

 

●フォーマットにこだわりすぎない

企業によって、導入したいシステムや必要な費用は異なるものです。したがって、必ずしもフォーマットにこだわってRFPを作成する必要はありません。RFP作成において大切なのは、必要な情報を正確にわかりやすく盛り込めているか否かという点です。フォーマットに縛られすぎると、盛り込める情報が限られてしまうので注意しましょう。

 

●最初から完璧を目指さない

手慣れた方であっても、全く抜け漏れのないRFPを作成することは難しいものです。最初から完璧なRFPを作ろうとせず、開発会社と相互の問い合わせを何度か繰り返しながら、徐々にブラッシュアップしていくものと考えましょう。そもそも、RFPの目的は開発会社に良い提案をもらってシステム開発を進めてもらうことがゴールです。RFP作成が目的になってしまえば、本末転倒になってしまいます。

 

●複数の人の意見をもらい抜け漏れを防ぐ

RFPを作成する際は、社内のさまざまな立場の人から意見を出してもらうことが大切です。1人でRFPを作成していると、思わぬ抜け漏れが発生する可能性があります。ほかに検討すべき項目はないか、要件に抜け漏れがないかをヒアリングし、話し合いながらRFPをブラッシュアップしていくのがおすすめです。

 

RFPは「良いシステム」を開発してもらうために不可欠

今回は、RFPの概要や作成するメリット・デメリットを詳しく紹介しました。

RFPはシステム導入に関する依頼会社の要望を言語化するとともに、開発会社の提案力を引き出すツールでもあります。開発会社に実力を発揮してもらうためにも、依頼会社側はできるだけ正確でわかりやすいRFPを策定する必要があるのです。ここでご紹介したポイントを参考に、案件に適したRFP作成を進めてください。

 

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