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システム開発の工程表とは?役割や作成する際の3つのポイントを解説

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システム開発の工程表のイメージ図

システム開発は複雑で多岐にわたるプロセスとなるため、工程表は欠かせません。しかし「システム開発の工程や流れがわからない」「わかりやすい工程表とはどのようなものかわからない」と疑問に思う企業の担当者も多いでしょう。

この記事では、プロジェクトをスムーズに進行させるために知っておくべき開発の各工程とその流れについて、理解しやすいように解説します。要件定義からリリース、運用保守まで、工程を明確にすることでプロジェクトの計画性を高め、効率的な開発を実現できます。ぜひ参考にしてみてください。

 

目次

 

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システム開発の工程表とは

システム開発の工程表は、プロジェクトのタイムラインを管理するための重要なツールです。システム開発以外にも建設や工事などのプロジェクトで活用されており、プロジェクトの開始から終了までの全ての工程を一覧することが可能です。この表を使うことで、プロジェクト管理がスムーズになり、顧客への工程説明にも役立ちます。

 

●工程表の役割

工程表の役割はスムーズにプロジェクトを遂行することです。工程表を用いることで、プロジェクトの全体像を把握しやすくなり、各作業のタイミングや期限を明確にできます。

工程表の具体的な役割は以下のとおりです。

  • 納期を守るため

  • 作業期間短縮のため

  • 作業の効率化を図るため

  • トラブル防止およびリカバリーのため

工程表の役割を理解することでプロジェクトチーム全員が同じ情報を共有し、一体となって目標に向かえるでしょう。

 

納期を守るため

工程表を用いて正確な管理を行うことで、プロジェクトの納期遵守を保証できます。納期遅れはその遅延期間に相当する売上の損失に直結し、企業にとって大きな損害となります。工程表には各作業のスケジュールが詳細に記載されているため、工程管理や進捗状況の把握が容易になります。万一トラブルや遅延が発生した場合でも、速やかに状況を把握し対応でき、計画通りの納期を達成することが可能です。

 

作業期間短縮のため

工程表を活用することでプロジェクト全体を見渡し、人員や資材の効率的な配置が可能となります。これにより、不要な工程の削減や作業期間の短縮が実現し、最終的に顧客の満足度向上に寄与します。ただし、顧客が求める納期が常に現実的であるとは限りません。顧客の要求に応えつつも、無理のない実現可能なスケジュールを立てることが工程管理のポイントとなります。

 

作業の効率化を図るため

工程表をもとにした計画的なスケジュール管理により、作業の無駄を削減し、効率的な作業進行が可能になります。作業者は自身が担当するタスクがいつ始まり、いつ終わるかが正確にわかるため、それに合わせて準備を進められます。結果として全体の作業効率が向上し、プロジェクトのコスト削減にも貢献できます。

 

トラブル防止およびリカバリーのため

工程表を通じてプロジェクトの進捗を常に監視することで、問題が発生する前に予防措置を講じることが可能になります。また、予期せぬ問題が発生した場合にも、工程表を参照することで迅速に修正措置を計画し、プロジェクトを軌道修正することが可能です。トラブル発生時にも柔軟に対応できるよう、事前にバッファ期間を設けることも大切です。

 

●システム開発はどのような工程で進む?

通常の場合、システム開発は以下のような工程で進みます。

  • 要件定義

  • 外部設計(基本設計)

  • 内部設計(詳細設計)

  • 開発(プログラミング)

  • 各種テスト

  • リリース

  • 保守運用

各工程の作業フェーズを紹介します。

 

要件定義

システム開発の要件定義はプロジェクトの目的や必要な機能、納期、予算などを明確にする作業です。この段階で開発チームとクライアントはシステムの目標を共有し、プロジェクトの基盤を築きます。要件定義では、ユーザーの要求を収集し、それらを「機能要件」と「非機能要件」に分類します。機能要件とは、システムが実行すべき具体的なタスクを指します。一方、非機能要件とはシステムの性能やセキュリティなど、機能以外の要件のことです。このプロセスはプロジェクトの成功に不可欠で、正確な要件定義なしに効果的なシステム開発は不可能といえるでしょう。

要件定義のプロセスは通常、プロジェクトの発注者が主導するものです。しかし、発注者がシステム開発に関する深い知識を持っていない場合、要件定義が不完全になりやすく、プロジェクトの遅れや予算超過の原因となることがあります。このような問題を未然に防ぐため、発注者がシステム開発の専門家でない場合は、開発を依頼する企業が要件定義段階でどの程度サポートしてくれるかを事前に確認することが大切です。適切なサポートが得られれば、要件定義を正確に行い、プロジェクトをスムーズに進められます。

 

外部設計(基本設計)

外部設計とは、システムの骨組みとユーザーが直接触れる部分の設計を行うフェーズです。ここでは、ユーザーがシステムをどう使うか、システムがデータをどう扱うかの大枠を決めます。この段階での決定事項は、プロジェクトの後半部にわたって影響を及ぼすため、慎重に進めましょう。外部設計では発注者が持つビジョンをシステム設計に落とし込むため、双方のコミュニケーションが非常に重要です。外部設計の結果は、外部設計書や機能仕様書としてまとめられ、次の工程である内部設計を行う際の基礎となります。

 

内部設計(詳細設計)

内部設計では、外部設計で定めたシステム概要をもとに、システムの具体的な構成要素や動作、データ処理方法などを詳細に設計する工程です。この段階では開発者の技術的視点から、システムが実際にどのように機能するかを決定し、開発の準備を整えます。内部設計の成果物には画面遷移図やデータベース物理設計書などがあり、これらは開発チームが開発する際の指針となります。

 

開発(プログラミング)

内部設計を経て、実際のコード記述、つまりプログラミングでシステムを構築します。この段階では、計画に従って機能を実装し、ユーザーが利用できるようにする作業が行われます。プロジェクトの性質や目指す目標に応じて、選ばれるプログラミング言語や技術は異なるため、開発前にプロジェクトの要件をしっかりと理解し、最適な技術選択をすることが重要です。

 

各種テスト

プログラミングが完了したら、システムが正しく機能するかを確認するためのテストが行われます。テストには、単体テスト、結合テスト、総合テスト、運用テストがあり、それぞれ異なる観点からシステムの動作を検証します。

単体テスト 各プログラム部品が個別に正しく機能するかをチェックします。プロジェクトの初期段階で定めた要件に沿って、それぞれのモジュールが期待通りの動作をするか検証します。
結合テスト 個々にテストされたプログラム部品を組み合わせ、連携して正しく動作するかを検証します。データのやり取りを含め、複数の部品が組み合わさってもシステムが予定通りに機能するか確認します。
総合テスト 全体のシステムが、総合的に要件を満たしているかをテストします。耐久性や処理能力など、システム全体の性能もこの段階でチェックします。
運用テスト システムを実際の運用環境に投入する前に、実際の運用条件下でシステムが問題なく動作するかを検証します。実運用を想定した環境でのテストを通じて、システムが実際の業務で適切に機能するかを確認します。

 

テスト工程はバグや不具合を発見し、修正するために不可欠です。全てのテストが成功し、システムが要件を満たしていることが確認されたら、次の段階へと進みます。

 

リリース

テスト工程を経て、システムが実運用に耐えることが確認されたら、リリース(デプロイ)の準備をします。リリースでは、システムを実際の運用環境に導入し、ユーザーが利用開始できるようにします。リリース後は、ユーザーからのフィードバックを受け、必要に応じてシステムの調整や改善を行いましょう。

 

保守運用

システムがリリースされたあとも、継続的な管理とサポートが必要です。保守運用工程では、システムの性能を監視し、問題が発生した場合には迅速に対応します。また、ユーザーの要望に応えるための機能追加やシステムのアップデートもこの段階で行われます。システムが長期間にわたって安定して運用されるためには、効果的な保守運用が不可欠です。

ここまで解説してきた開発手法を「ウォーターフォール開発」といいます。一方近年では機能ごとに素早くサイクルを回していき、開発を進めながらその都度変更や修正を行う「アジャイル開発」も多くなっています。アジャイル開発についてさらに詳しく知りたい方は「アジャイル開発とは?今さら聞けない開発手法のメリット・デメリット」の記事を参照ください。

 

システム開発で使える工程表の種類と覚えておきたい略称

システム開発で使える工程表の種類は、以下のとおりです。

  • バーチャート工程表

  • ガントチャート工程表

工程表の種類の解説したあとは、工程表を作成するうえで覚えておきたい略称を紹介するため、参考にしてください。

 

●バーチャート工程表

バーチャート工程表は、プロジェクトのタスクを時系列に沿って視覚化するための一般的なツールです。このタイプの工程表では、縦軸にプロジェクトの各タスクをリストアップし、横軸にはタスク実行の日付を配置します。各タスクは横長のバーで表され、その長さはタスクの所要期間を示します。バーチャート工程表は、プロジェクトの全体像を簡単に把握できるため、プロジェクトの計画段階や進行状況の共有に最適です。バーチャート工程表は、プロジェクトの開始日と終了日、それぞれのタスクに要する期間をはっきりとさせておきたい時に有効といえます。しかし、タスク間の依存関係が直感的には理解しにくいため、複雑なプロジェクトではほかのツールも活用すると良いでしょう。

 

●ガントチャート工程表

ガントチャート工程表は、バーチャートを発展させた形式で、プロジェクトのタスクとそれらの進捗状況を表します。この工程表では、縦軸に各タスクや担当者、開始日、締め切り日をリストアップし横軸にタスクの進捗率を示します。
各タスクは進行状況に応じて色分けするとわかりやすいでしょう。ガントチャートは、タスクのスケジュール管理だけでなく、実際の進捗状況も視覚的に追跡できるため、多くのタスクを同時に進める必要がある状況で有効なツールです。進捗率の表示により、計画と実際の進行状況を一目で比較でき、遅延がある場合に迅速に対応できます。ただし、バーチャート同様、タスク間の依存関係を直接的に示すことは難しく、複雑なプロジェクト管理にはほかのツールとの組み合わせが推奨されます。

 

●工程表を作成するうえで知っておきたい略語

システム開発現場でよく使われる略語を覚えることは、コミュニケーションの効率を高めるために重要です。これにより、チーム内の意思疎通がスムーズになり、作業の進行がより円滑になります。システム開発の工程表を作成するうえで理解しておきたい略語は、以下のとおりです。

工程 略語 英語表記
要件定義 RD Requirement Definition
外部設計 ED External Design
UI基本設計 UI User Interface
基本設計 BD Basic Design
内部設計 ID Internal Design
構造設計 SS System Structure Design
機能設計 FD Function Design
プログラム設計 PD/PS Program Design/Program Structure Design
プログラミング PG Programming
コーディング CD Coding
単体テスト UT Unit Test
結合テスト IT Integration Test
システムテスト ST System Test
運用テスト OT Operations Test

 

工程表と行程表の違い

「工程表」と「行程表」は、いずれも計画やスケジュールを記した表ですが、その内容や用途には微妙な違いがあります。一般的に「工程表」は開発作業や建設プロジェクトなどで活用され、各作業の開始から完了までの期間や、それぞれの作業がどのように連なるかが具体的に示されています。この精密さが、特定の目標に向かって進むための道筋をはっきりさせるのに役立ちます。

一方で、「行程表」は、目標達成のための全体的な流れや計画を概観するためのものであり、ロードマップとも呼ばれます。「いつまでにどの作業を終えるか」といった大枠の目標や方法が記されており、各ステップの具体的な内容までは踏み込んでいません。これにより、目標達成のための大まかな道筋を把握でき、作業の優先順位付けや期間の設定に役立てられます。

要するに、「工程表」は目標達成のために必要な具体的なステップとスケジュールを詳細に示すものであり、「行程表」は目標に向かう大まかな計画や流れを示したものです。どちらもプロジェクト管理には不可欠ですが、使い分けには扱う情報の粒度や目的の明確さが重要なポイントとなります。

 

システム開発の工程表作成3つのポイント

システム開発の工程表を作成する際のポイントは、以下の3つです。

  • 各工程の時間比重を知っておく

  • 関係者全員が把握しやすい工程表にする

  • 継続的な運用や改善を前提にする

これらのポイントを踏まえておくことで、わかりやすく効率的な工程表をスムーズに作成できます。

 

●各工程の時間比重を知っておく

システム開発では、プログラミングだけでなく、要件定義、設計、テストなど、さまざまな工程が重要な役割を果たしています。開発手法やプロジェクトの規模によって、これらの工程にかかる時間の割合は異なります。プロジェクトを効率よく進めるためにも、各工程が全体に占める時間の割合を予め把握しておくことが大切です。これにより、開発チームとの円滑なコミュニケーションが可能になり、プロジェクト全体の理解を深めることができます。

 

●関係者全員が把握しやすい工程表にする

工程表を作成する際には、プロジェクトにかかわる全員が容易に理解できるようにすることが重要です。バーチャートやガントチャートなどの視覚的にわかりやすい形式を用いることで、管理者だけでなく作業担当者も現在の進捗状況を把握しやすくなり、より効果的なプロジェクト進行が期待できます。そのためには、工程表を明瞭かつアクセスしやすい形で作成し、定期的に更新して情報を最新の状態に保つことが必須です。

 

●継続的な運用や改善を前提にする

工程表の価値を最大限に活かすためには、継続的な運用と定期的な更新が欠かせません。工程表が最新の状態を反映していないと、プロジェクトの進行状況が正確に伝わらず、不安や誤解が生じる可能性があります。そのため、管理者は工程表の定期的な更新を心掛けるとともに、プロジェクトメンバーからのフィードバックを受け入れ、工程表の使いやすさや情報の正確性を常に改善していく必要があります。また、運用負担を軽減するために、担当者が自ら進捗を報告しやすいシステムの構築も検討すると良いでしょう。

工程表を作成し、適切なスケジュール管理を行うことがシステム開発を成功させる要となります。同時に、自社の条件に合う外注先を見つけることも大切です。システム開発での外注はプロジェクトの成果に直接関わります。適切なベンダー選定により、スキル不足を補い、効率的な進行が可能になります。技術力、信頼性、コストなどを考慮して外注先を選ぶことで、良好なパートナーシップでプロジェクトの成功を目指せます。

 

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