今回は、ECを運用する上でとても重要な物流について。
ECの運営において計画性のある物流対策は欠かせない
物流には柔軟な対応力、スピード、コスト性が重要
「ビジネスパートナー」としての物流業者の選定を
はじめに
EC運営に欠かせない物流の基本
ECサイトを運営するにあたり、非常に重要な問題であるのに、つい後回しにされてしまいがちなこと。それは「物流」です。
「物流は物流業者に委託するしかないし、宅配事業者に委託すればそれほど極端な価格差もないだろう」と安易に考えていると、実際に運営を始めてから「こんなはずでは・・・」と後悔することになるかもしれません。
物流量にあわせた物流力を想定していますか?
ECサイトをオープンしてすぐから、爆発的な受注がある商品はごく限られています。最初は徐々に、そして次第に売上げが伸びていくのが一般的でしょう。ということは、ECサイトのオープン時から売上げが軌道に乗るまでがもっとも「物流量が可変しやすい時期」であるともいえます。
このようなとき、製品が「毎日100個」確実に売れるとわかっていれば、そのような体制を組むことができます。商品の製造、ピッキング、梱包(こんぽう)、そして物流業者への委託などもスムーズに行うことができるでしょう。しかし、「昨日は100個売れたが今日は5個しか売れなかった。明日は0個か200個か・・・」というようなことでは適切な物流力を準備できません。このような物流量の変動に対していかに柔軟な対応力を確保しておくことは物流を考える上で非常に重要です。また、これは物流コストにも直接的に影響します。
物流業者との綿密な打合せを
物流量が増えるに従って、在庫を管理するための倉庫スペースも必要になってきます。どの程度の倉庫をどこに確保し、もし物流量が更に増えた場合は次の倉庫をどこに確保するのか。ピッキング(商品の詰め合わせ)や梱包は自社で行うのか、アウトソーシングするのか。
売上げが軌道に乗るに連れ、物流のオペレーションや業務フローはどんどん複雑化していきます。とてもではありませんが、「宅配業者に委託する」程度のことでは対応できません。
最初は安全・確実に顧客まで商品を届けることが最優先ですが、ある程度の規模になると配送情報のリアルタイム管理やスピードアップ、コストダウンなどにも取り組んでいく必要があります。
物流倉庫へのアウトソーシングも検討を
「物流倉庫」という業界をご存じでしょうか。これは、倉庫・輸送手段(トラックなど)・輸送人員・工場内作業人員(ピッキング・検品など)といった物流全般に必要なリソースをワンストップで提供してくれるアウトソーシングの受託業者です。
従来、自前の物流網を持っていなかった企業の場合、ECサイトの成長に伴い、改めて物流網を構築するのは時間とコストがかかり過ぎます。また物流には専門のノウハウが必要ですが、物流倉庫の場合はそうしたノウハウもあわせてアウトソーシングに応じてくれます。
「今後ECサイトを自社の主たる事業部門として育てよう」という会社の場合、こうした業者とバリューチェーンを構築し、自社は本業に専念することで組織の肥大化を防ぎ、ビジネスをスピーディに展開できるというメリットも考えられます。
おわりに
ECを運営する上で、物流がいかに重要であるかが御理解いただけたでしょうか。
かつて「通販の最大の敵は物流コスト」であるといわれていましたが、大手EC業者の台頭で、今日の物流業界はかつてないほど高付加価値サービスが進歩してきています。それだけに、利用する側にも自社のビジネスにふさわしい「ビジネスパートナー」として物流業者を選定することが重要です。
<参考URL>
株式会社サイテキ
http://www.saiteki-net.jp/think/
ECサイトのコスト構造をながめてみる
ロジ・ソリューション株式会社
http://www.logi-solu.co.jp/article/14116341.html