Apple製品のアプリ開発で使用するツールといえば、Xcode(エックスコード)が有名です。iPhone・Macアプリの開発において重要な役割を果たすツールのため、アプリ開発を始めるうえでXcodeとはどのような統合開発環境なのか、しっかりと理解しておく必要があります。
そこで今回は、Xcodeが持つ機能や利点、歴史について詳しく解説したうえで、開発環境を整える方法やインストール時の注意点なども併せて紹介していきます。
目次
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Xcode(エックスコード)とはApple社のアプリ開発ツール
Xcode(エックスコード)は、Appleが提供している統合開発環境(IDE)です。iPhoneやiPad、MacなどのApple製端末で使用するアプリを作成する際に使用します。
Xcodeを活用すればApple製品のどのようなアプリでも、少ない手間で簡単に制作できるのが大きなメリットとなっています。Xcode自体の入手方法・インストール方法も簡単で、Apple公式の開発ツールのためApp Storeから無料で行えます。さらにApple製品のPCがあれば、自由に開発を進められるようになっているのが特徴です。
●Xcodeの歴史
Xcodeがリリースされたのは2003年10月で、同年のMac OS X 10.3(Panther)に搭載されたことが、Macユーザーへの認知度を高めるきっかけとなりました。
その後、改良・発展を経てリリースから2年後にはXcode2.0が登場します。そしてリリースから20年近く経つ現在2022年12月時点のXcodeの最新版は、Xcode14.1です。長きにわたって多くのエンジニアに活用されながら、進化を続けているツールであることがわかるでしょう。
Xcodeの5つの特徴
ここからは、Xcodeの機能や性質などの特徴を見ていきます。Apple製品のアプリ開発を行ううえで、これから紹介する5つの特徴をよく理解し、Xcodeを有効活用していきましょう。
- ストーリーボードで直感的な操作が可能
- コード編集のアシスト機能を搭載
- 「Git」で開発環境が便利に
- 公式ドキュメントが内部統合されている
- リアルタイムで優れたアプリのテスト環境
【特徴1】ストーリーボードで直感的な操作が可能
Xcodeはストーリーボードで直感的な操作性が可能なため、使いやすいのが特徴です。
ストーリーボード(Storyboard)では、ドラッグ&ドロップでデザイン変更や画面遷移などの操作をスムーズに行える仕様になっています。ストーリーボードは、開発するアプリのUIをわかりやすく表現するための便利な機能で、視覚的にデザインや操作性をチェックしながら改良を行えます。したがって色やレイアウトの変更を行う際にも、操作に手間取ることはないでしょう。直感的な操作が可能なため、誰にとっても使いやすい統合開発環境です。
【特徴2】コード編集のアシスト機能を搭載
Xcodeでは、コーディングするにあたって便利なアシスト機能を活用することができます。
Xcodeにはコード記述をサポートするためのアシスト機能が搭載されており、記述したいコードを自動で補完してくれるのが特徴です。さらに検索機能の動作がスピーディーなため、コーディングを高速化・効率化させてくれるのが利点となっています。したがってXcodeを使用することによってよりコーディングが楽になり、ストレスフリーな開発環境が期待できるでしょう。
【特徴3】「Git」で開発環境が便利に
Xcodeでは「Git」を使用できるため、ソース管理における利便性が高いのが特徴です。
Gitとは、ソースコードのバージョン管理のために活用するシステムのことを指します。Gitを活用すれば、エンジニアの間で記述したソースコードでどのような変更があったのか履歴を確認できるのです。Xcode内ではこのGitの使用が可能なため、ソースコードの共有をスムーズに行えます。特にチームでプロジェクトを進める際には大きく役立つでしょう。編集履歴の管理もできるため、必要に応じて過去ファイルを確認することも可能です。また、プログラムソースコードのみならず、Excelや画像などの様々なファイルを管理できるのもメリットです。
【特徴4】公式ドキュメントが内部統合されている
Xcodeでは、公式ドキュメントが内部統合されているのが特徴です。このため開発にあたって必要な情報があれば、ドキュメント検索をすることでスムーズに情報を調べることができるのです。
例えば「このコードの意味がわからない」「コードの使い方が違っているようだが正しい使い方が知りたい」という場合も、ドキュメント検索をすればXcode内で必要な情報を表示させられます。したがって情報を調べるために、逐一ブラウザを立ち上げる必要はなく、Xcode内で解決できるようになっています。業務効率化を目指す方にとっては価値のある機能といえるでしょう。
【特徴5】リアルタイムで優れたアプリのテスト環境
開発したアプリのテスト環境が優れていることも、Xcodeで注目したい点です。
Xcodeには、テストを行うための機能が充実しています。Xcodeではそもそもコードを入力すれば、入力後にそのまま自動でテストが行われるようにシステム化されており、コーディングとテスト作業が常に同期されています。したがってコードの編集をする際にも、品質を逐一別でチェックする必要はなく、同時並行で品質をチェックしながら編集ができるため、自然と品質が保たれます。そのためXcodeを使用すれば、品質の高いアプリを効率的にリリースすることが期待できます。
Xcodeで開発できるもの
ここからは、Xcodeではどのようなものが開発できるのか詳細を見ていきましょう。
主に開発できるものは次のとおりです。
- Macアプリ
- iPhoneアプリ
- iPadアプリ
- Apple Watchアプリ
- AppleTVアプリ
Macアプリは、基本的にMac対応で動くアプリです。ジャンルは不問で、基本的にはどのような分野のアプリも開発できるようになっています。iPhone・iPadなど、モバイル環境と連携可能なアプリの開発も可能です。
また、Appleのモバイル端末対応のアプリといえば、iPhoneアプリ、iPadアプリが挙げられます。iOS対応のモバイルアプリの数は非常に多く、Macアプリ同様に様々なジャンルのアプリを開発できるのが特徴です。
ほかにもウェアラブル端末対応のアプリといえば、Apple Watchアプリがあります。Apple WatchはApple製品のユーザーを中心に人気のデバイスとなっており、タスク管理やヘルスケアなど様々な分野のアプリがリリースされています。
さらにはAppleTV対応のアプリを制作することも可能です。AppleTVは、Apple関連サービスが利用できる専用デバイスのことで、テレビの機能を拡張できることが特徴です。XcodeならAppleTVで活用できるアプリも開発可能なため、テレビとの相性を生かした便利なアプリを制作できます。
このようにXcodeでは、様々な種類のアプリの開発が可能になっています。Apple製品で利用するアプリを開発する際には、Xcodeの特徴と併せて開発可能なアプリについても理解を深めておきましょう。
Xcodeが対応しているプログラミング言語
Xcodeでのアプリ開発を行うにあたって気になるのは、対応しているプログラミング言語です。ここからは、Xcodeで使用できる言語の種類について解説していきます。
まずは標準対応のプログラミング言語一覧を見てみましょう。
- Swift
- Objective-C
- C
- C++
- Java
- AppleScript
Xcodeでアプリ開発を進める際には、これらのプログラミング言語スキルが必要になります。事前に設定を済ませておけばPythonなどの別言語を使用することも可能です。様々な言語に対応している点から、Xcodeの利便性の高さがわかるでしょう。
●Xcodeと特に相性の良いSwift
Xcodeに標準で対応しているプログラミング言語は6つありますが、その中でも特に高い相性を発揮する言語がSwiftです。
Swiftは2014年6月に登場した比較的新しい言語です。Swiftの登場以前にXcodeにおいてメインで使用されていたのは、Objective-Cでした。しかしSwiftの登場に伴い、徐々にXcodeの主流言語はSwiftへと移っていきました。
SwiftはもともとAppleが開発したプログラミング言語のため、同じくApple公式のIDEであるXcodeとは必然的に相性が良いです。Swiftを使用すればコーディング作業が簡単になり、さらには動作も軽くなります。したがって円滑にXcodeでのアプリ開発を行いたい方には、Swiftの習得をおすすめします。
Xcodeの開発環境を構築する方法とは
ここからは、Xcodeで円滑にApple製品のアプリ開発を行うために、開発環境を構築する方法を解説していきます。Xcodeのダウンロード・インストールの手順と併せて、基本的なポイントを見ていきましょう。
●Xcodeをダウンロードしインストールを開始する
Xcodeの最新バージョンのダウンロードはApp Storeで行えます。ストア内で「Xcode」と検索すれば、アプリが検索結果にヒットします。ここからダウンロードとインストールを済ませましょう。
ファイルサイズが大きいため、通信環境やPCのスペックによってダウンロードに時間がかかることもあります。その後インストールまで作業が完了すれば、アプリフォルダの中へXcodeが追加されます。完了後はダブルクリックで起動させましょう。
●playgroundで試す
起動後は「Get started with a playground」を押して、Playgroundを起動させます。XcodeのPlaygroundではSwiftのコードが正しく動作するか試すことも可能です。
コード編集のすぐそばに再生ボタンがあるため、Playgroundでは「コード編集」→「再生ボタンでコードを実行」の流れを効率良く行えるのが特徴です。
●起動テストを行う
アプリ開発では、Xcodeの最初の画面から「Create a new Xcode project」を押してプロジェクトをスタートさせます。Xcodeが立ち上がった後、最初に様々な設定項目が並んだ画面が表示されます。
開発を進める際には、ViewController.swiftなどのファイルを編集していきます。ストーリーボードでは、各Appleデバイスに合わせたUIの編集が簡単にできるようになっており、デバイスの変更もスムーズに行えます。
また、Xcodeの起動テストをするには、文字列の表示テストを行うのがおすすめです。右上にあるボタンを押したうえでlabelを検索し、ドラッグ&ドロップで好きなところへ文字データを入れます。そのうえで左上の再生ボタンを押し実際に表示されれば、問題なくXcodeが動いていることがわかります。このような手順で起動テストを行い、動作を確かめたうえでXcodeでの開発を進めていきましょう。
Xcodeの注意点
Xcodeを使用して開発を進める際には、様々な点に注意を払う必要があります。基本的に意識したいのは、次の2つです。
- Xcod対応OSはMacOSのみ
- Xcodeのダウンロードには相当な空き容量が必要
まず対応OSですが、Xcodeは基本的にMacOSのみ対応可能のため注意しましょう。
Xcodeをダウンロード・インストールする際には、PCの空き容量に気をつける必要があります。Xcodeは無料でダウンロードでき、ファイルサイズ自体は12GBほどですが、インストールには空き容量として40GB以上を必要とするのが特徴です。
「12GBのファイルなら12GB以上空きがあれば大丈夫」と思いインストールしようとすると、エラーメッセージが出てしまいます。ファイルサイズ自体は12GBでも、問題なくXcodeを動かすためには40GB以上の空きが必要になるため、ダウンロード・インストールの際にはある程度PC容量に余裕を持たせることを忘れないようにしましょう。
Xcodeでのアプリ開発に手間取った時や、エンジニアのリソースが不足している時などは、システム開発専門の会社への外注を検討するのもおすすめです。Xcodeを使用すればApple製品のアプリ開発を効率良く行えますが、自社の様々な事情により開発環境を整備できないケースもあるでしょう。
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