WebサイトやECサイトの企画・制作をはじめWebマーケティングやWebシステムの開発、新規事業のサポートまで幅広く手掛けている株式会社LIH。福岡市に拠点を構える同社では、九州をはじめ全国の案件の獲得を目指し、2022年7月31日から発注ナビの利用を開始。その後約1年半で3件、総額約300万円規模のホームページ制作案件を受注した。しかも受注したのは東京、北海道、長崎の案件で、当初の狙い通りの結果が出ている。そんな同社の代表である出利葉貴弘氏に、発注ナビを利用に至った経緯や、利用して実感している効果についてお話を伺った。
社名 | 株式会社LIH |
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所在地 | 福岡県福岡市中央区天神1-1-1 fabbitGGアクロス福岡1F |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | ウェブサイト制作事業、ネットショップ運営事業、プロモーション・コンテンツ企画制作事業 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
福岡を拠点とする中堅・中小規模のWeb制作会社で、新規顧客の開拓は、いわゆるリファラル(紹介)営業が中心だった。会社としての成長を考えるとリファラル営業から脱却し、新規顧客の開拓が必要と分かっていたが、『地方を拠点とする、営業リソースが十分でない中堅・中小規模のWeb制作会社』が全国を対象に新規顧客をどう開拓していくかに悩んでいた。
- 導入後の効果
利用開始から約1年半で、東京・北海道・長崎の企業から3件、総額約300万円のWeb制作案件を受注。また、発注ナビの専任アドバイザーが成約率を高めるためのアドバイスをくれたり、失注した案件の理由を一緒に検討してくれたりすることで、自社内に営業スキルを蓄積できている。今後は自社内にカスタマーサクセス部門を作り専任の担当者を配置し、発注ナビを営業プラットフォームとして活用していくなど、新たな活用の可能性も検討中。
『地方を拠点とする、営業リソースが十分でないWeb制作会社』が抱えていた課題とは
福岡県福岡市に拠点を構える株式会社LIHは2016年設立のWeb制作会社だ。同社は設立から5年ほどは、主に顧客からの紹介で新規案件を獲得してきた。いわゆるリファラル(紹介)営業である。実は、同社のように『新規案件はリファラル営業が中心』というシステム開発会社やWeb制作会社は多い。継続的に案件を受注できているときは問題ないのだが、事業拡大のために新規案件を増やそうとすると、営業専任の担当者がいないこともあって、壁にぶつかってしまうことも少なくない。
同社が2021年頃から感じ始めていた課題もまさにこれで、『営業専任の担当者を配置できずに新規顧客の開拓に踏み出せない』、『営業部署がなかったので営業ノウハウが社内に蓄積されていない』といったことに悩んでいた。同社の場合は、こうした課題に加えて、福岡を拠点としていることから『地方の』という条件もつく。つまり、地方を拠点とする、営業リソースが十分でない中堅・中小のWeb制作会社が全国を対象に新規顧客をどう開拓していくか。そこに悩んでいたのだ。
普通なら出会うことができない企業と繋がれる、そこに可能性を感じた
こうした課題を解決するために、同社はマッチングサービスの利用を検討した。出利葉氏は、「当社くらいの規模のWeb制作会社の場合、専任の営業担当者を雇うには、それに見合うだけの案件を獲得できる見込みがないと、なかなか踏み切れません。そこで、マッチングサービスを検討しました」と話す。
ただし、さまざまなマッチングサービスを比較検討したものの、いずれも新規顧客の開拓といった同社の目的を達成できるサービスには思えなかったという。ビジネスマッチングとしては有効なサービスかもしれないが、過去の成約事例などを確認すると、同社が狙っていたWebサイトの制作、Webシステムの開発といった領域での案件数が少なすぎたのだ。要するに、お金を払って登録しても、自社の仕事に結びつく案件は紹介してもらえないというのが、なんとなく分かってしまっていたのだという。
そうした中にあって、同社は発注ナビの利用を決定した。選定のポイントについて出利葉氏は「ITにフォーカスしたマッチングサービスであったから」と説明する。そして、「発注ナビを契約する前に無料で案件情報を確認することができました。自分たちがやってみたいと思える案件、狙っている案件が想像以上に多くあり、そこに大きな魅力を感じました」と選定の決め手を示す。
さらに出利葉氏は次のように語る。「無料で案件情報を見ながら、当社にとっては『なかなか出会うことができないような企業』とつながりが持てそうな魅力を感じました。実際、契約後にはそんな企業と出会うことができ、繋がりを持てたのです。特に私が個人的に愛用している家電製品の大手メーカーと繋がりを持てたときには、とても嬉しい思いでした。専任の営業担当者を雇うよりもリーズナブルな費用で、普通なら出会えないような優良新規顧客と出会える、そこに無限の可能性を感じたのも、発注ナビを選んだ理由です」(出利葉氏)。
発注ナビの専任アドバイザーは当社の「営業部長」、的確なアドバイスで営業力も強化!
同社は2022年7月31日に発注ナビの利用をスタートし、利用開始から約1年半で3件、総額約300万円規模のWeb制作案件を受注した。受注できたポイントについて出利葉氏は以下の3点を挙げた。
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発注ナビの情報をもとに、発注者の目的やニーズを推測・分析し、提案内容を細かくカスタマイズしたこと
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発注者にこまめに連絡を入れるなど、高い接点頻度を保てたこと
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デザインイメージを先に提示できたこと
このうち、特に3点目のポイントが高かったようだ。「発注ナビは、エントリーして最後の数社に選ばれ、紹介をしてもらえると、次に発注者と直接、商談ができます。多くのマッチングサービスが提案内容と見積書を提出して結果を待つのに対し、発注ナビならその前にきちんと商談ができ、その場で提案内容やデザインイメージを丁寧に説明できます。そこで当社の強みをご理解いただけたことが受注につながりました」(出利葉氏)。
また、受注できた3件は、長崎、東京、北海道の新規企業からの受注で、受注件数と金額はもちろん、当初の大きな目的の1つであった、福岡を拠点にしながらも全国の案件を受注することに成功したことが大きな達成感に繋がっているのだという。
このように発注ナビを利用して効果を実感している同社だが、もう1つ別の効果も感じているようだ。それは、営業ノウハウの蓄積だ。出利葉氏は、「発注ナビの専任アドバイザーからは、案件を紹介されたら『すぐに電話かメールで連絡を入れる』など、営業のイロハを教わっています。それらを社内で共有することで、当社の弱点であった営業のスキルアップにもつながっていると考えています」と効果を示す。発注ナビの専任アドバイザーとは毎月1度、打ち合わせをし、その場でさまざまな営業ノウハウや受注率を上げるためのアドバイスなど受けている。「まるで当社の『営業部長』のような存在です」(出利葉氏)という。
出利葉氏は「発注ナビはオンラインサービスですが、実際には人が介在する『人間味を大切にした』フォローがあるサービスだと感じています」と話す。この人間味を大切にしたフォローは、失注したときにも感じているようだ。当然のことだが、発注ナビから紹介を受けた案件でも受注につながらない場合もある。「そんなときでも『残念でした』ではなく、専任アドバイザーが当社と一緒になって、理詰めで原因を考えてくれます。例えば、商談メールへの返信についても『どういった内容で返信しましたか』と詳細に確認し、当社と二人三脚でより良い返信の仕方までを検討してくれることもありました」(出利葉氏)。
発注者との日程調整を打診するメールにしても、「こういった書き方をした方が好感を持たれますよ」などとアドバイスをくれたこともあったという。多くのマッチングサービスでは、メールの書き方のテンプレートを用意していて『これを参考に』と済ませてしまうところ、「発注ナビはフォローの手厚さが違います」(出利葉氏)と実感しているようだ。それによって営業スキルが少しずつ蓄積されているのも感じているという。
発注ナビを営業プラットフォームとして活用すれば、新規顧客開拓の最初のハードルを飛び越えられる
発注ナビを利用してさまざまな効果を感じている同社だが、今後の発注ナビの活用においてもユニークな取り組みにチャレンジするようだ。まずは狙いたい案件の価格帯を事前に決めておいて、その価格帯の案件に集中してエントリーするという使い方だ。こうすることで、発注者との間で価格のミスマッチにより、発注者のやりたいことと同社からの提案内容に齟齬が発生してしまうことを防ぐ考えだ。
さらに、出利葉氏は「発注ナビを当社の『営業プラットフォーム』として活用してみようと考えています」と方向性を示す。具体的には、カスタマーサクセスの部署やチームを作り、インサイドセールスの担当者を配置して、発注ナビから送られてくる案件情報の中からエントリーした案件について、成約に結びつけるまでを任せるのだ。
「将来的には、複数のインサイドセールスの担当者を配置することで、受注できる担当者、できない担当者が出てくると思います。それらを比較検証することで、例えば『発注者がこのくらいの規模の場合には、こういった自己紹介文の書き方のほうが受注できる確率がアップする』といったベストプラクティスを作り上げることができるかもしれません」(出利葉氏)。
2024年度は「狙いたい価格帯の案件を2カ月に1件は受注するのが目標です」と出利葉氏は語る。「当社のような地方の中堅・中小規模のWeb制作会社が新規顧客を開拓するときに最も高いハードルとなるのが、『新規顧客との最初の接点をどうやって作るか』ということ。発注ナビを営業プラットフォームとして使えば、最初のハードルを難なく飛び越えられると感じています」(出利葉氏)。発注ナビの利活用の幅がさらに広がっていくようだ。
新規案件開拓の課題は「発注ナビ」で解決!システム開発に特化したビジネスマッチング
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