管理画面のUIデザインとは?業務システムの改善ポイント

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業務システムは「UIデザインに優れているシステム」であるほど使いやすく、業務の効率化や品質の向上に繋げやすくなります。
反対に「多機能でも使いにくい」、「視覚的に分かりにくい」など、UI設計が杜撰な業務システムは、受けられる恩恵も半減しがちです。
今回は、業務システムに対する「UIデザインの考え方」や、開発の際に注意したいポイントについて解説します。

 

目次

 

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業務システムのUIデザインとは?

システム開発におけるUIとは?
単語 意味
UI ユーザーインターフェイスの略称
UIデザイン Webサイトやアプリケーションの見やすさや使いやすさ
UIデザイナー UIデザインの設計を専門的に担う仕事

ITに自信のない企業担当者の方に向けて、まずは「UIデザインとは何か」について簡単に触れておきましょう。UI(ユーザー・インターフェース)の「インターフェース」には境界面や接点という意味があります。UIデザインとは、Webサイトやアプリケーション、システムなどを快適に使用するための意匠設計を指します。分かりやすく言えば、「UIデザインに優れたアプリケーション」とは、「見やすく使いやすいアプリケーション」という意味になるのです。

業務システムのUIデザインは、開発に携わるエンジニアが担うこともありますが、システムによってはUIデザインの設計を専門に担う「UIデザイナー」が手掛けるケースも珍しくありません。なお、業務システムについて知りたい方であれば、以下のページをご参照ください。業務システムの概要から種類に至るまで詳しく解説をしています。

業務システムとは?基礎知識から導入するメリットまで詳しく紹介

 

優れたUIデザインによるメリットや効果

  • 業務効率の改善

  • 誤操作による作業ミスの防止

  • 従業員を教育・研修時間の削減

冒頭でも触れたように、UIデザインが優れている業務システムは業務の効率化や品質の向上に繋げやすくなります。

例えば、直感的にわかりやすい画面構成なら、業務システムを操作する時間を削減できますし、誤操作による作業ミスが発生する可能性も低くなります。優れたUIデザインによる見やすさ使いやすさは効率化につながり、ひいては別の業務に着手する時間を捻出しやすくなるのです。また、システムの操作にストレスを感じなければ、仕事に対するモチベーションも減少しにくくなるでしょう。おまけに複数の業務システムがあっても、UIデザインを統一すれば教育や研修のマニュアルを整備する手間が省けるメリットも生まれます。

以上の点を考慮すれば、業務システムを開発または導入する場合は、「UIデザインにこだわること」を重視することを推奨します。

 

業務システムのUIデザインを設計するポイント

とはいえ手練れのエンジニアやデザイナーでもない限り、業務システムのUIデザインは「何に注意して設計をすればいいか」がわかりにくいかもしれません。以下では、業務システムの開発または導入を検討する企業担当者の方に向けて、「UIデザインを設計するポイント」を簡単に紹介します。

 

●業務システムの目的を明確にする

ひと口に業務システムと言っても、商品の在庫管理や従業員の給与計算など、システムごとに利用目的や機能は様々です。何のための業務システムなのか、どの業務に対応するのかといった要件を明確にすることで、必要な項目が割り出しやすくなる分、システムの管理画面や操作画面の設計がしやすくなります。作成目的となる「なぜシステム化が必要なのか」、スコープ(対応範囲)となる「どの業務をシステムでまかなうのか」は事前に詰めておき、システム導入の方針を固めておきましょう。

 

●既存の業務システムの設計を踏襲する

すでに業務システムを使っており、古いUIデザインを改修する際には、活かせるUIデザインは残す方が良いでしょう。まるっきり異なる業務システムを導入する際は仕方がありませんが、大幅に改修をする際には、今のUIデザインで使える部分は残したほうが、従業員もスムーズな形で新システムに移行しやすくなります。

 

●完成形のイメージを伝える・共有する

業務システムを開発する際は、開発初期で簡易的なモック(見本)を作ってからUIデザインの認識を統一しましょう。開発に携わるエンジニアやデザイナーの間で認識が揃っていれば、イメージ通りにUIデザインが整ったシステムを作りやすくなります。システム開発を外注企業に依頼する場合でも、求めるイメージ像を伝えておくのがおすすめです。いずれにしても、一度完成してからUIデザインの改善の改修を行うのは現実的ではないため、UIデザインの確認は完成前にすることを推奨します。

 

業務システムのUIデザインの具体的な設計方法

業務システムにおけるUIデザインの設計方法
設定箇所 具体的な設計方法
レイアウト シンプルな画面構成を意識する
マルチデバイス化する場合はリキッドレイアウトを採用する
フォント・色 可読性・視認性・判読性に優れたフォントを選ぶ
色数を押さえ、全体的に暗くなりすぎない色を選ぶ
機能 頻繁に利用する機能はアクセスしやすい位置に配置する
見える位置に無意味な機能を配置しないように整備する

UIデザインを設計するポイントを解説できたところで、業務システムにおけるUIデザインの具体的な設定方法について紹介しましょう。上図の通りレイアウトや画面構成、機能の項目に分けた上で、詳しく解説します。

 

●レイアウト

レイアウトを決める上で念頭に置いておきたいのは「マニュアルは熟読されない」、「更新が途絶えることが多い」という点です。つまり、最悪マニュアルを読まなくても、画面上の表記だけで従業員が業務を行えるようにしておく必要があるわけです。この点を考慮して、画面上に「何のための画面」なのか、「何のための操作」なのか、説明を加えておくと良いでしょう。

このほか、マルチデバイス化するのであれば、リキッドレイアウトに改善するといった工夫が必要です。このリキッドレイアウトとは、「画面の大きさに合わせて適切なデザインで表示されるレイアウト」のことで、PCやスマホ、タブレットなど異なるデバイスを使用してもレイアウトが崩れにくくなります。とはいえ、どのようなレイアウトであっても「複雑な構造にしないこと」は最優先で意識するべきポイントでしょう。構造が複雑になるとシステムを使用する際に、従業員が迷ってしまう懸念があるためです。

 

●フォント・色

業務システムにおいては、効率化の一助となるように、操作しやすく使いやすい画面構成になっていなければなりません。そのため、目的やイメージに合った文字のフォントや色を使うのは大前提です。例えば、フォントは「メイリオ」や「ヒラギノ角ゴシックファミリー」など、読みやすさ(可読性)、認識のしやすさ(視認性)、誤読のしにくさ(判読性)に優れたものを選ぶことをおすすめします。

またシステムの色彩に関しては、全体的に暗い、色にメリハリがない、色数が多すぎるといった色使いは避けることを推奨します。こういった色使いは、画面の見にくさを助長してしまう恐れがあります。メリハリを意識しつつ色数を押さえ、全体的に暗くなりすぎないような色を選びましょう。

 

●機能

UIデザインが存在する理由は、ユーザーが使い続けたくなるUX(ユーザー体験)を創造するためです。頻繁に利用する機能はアクセスしやすい位置に配置し、ユーザーから見える位置に無意味な機能がないように整備しましょう。よく使う機能についてはショートカットを用意しておくのも手ですが、誰でもスムーズに操作できるよう、ショートカットを使わなくても扱えるような設計にしておくことも大切です。デザインに力を入れると、より洗練されたものにしたいという気持ちが先行しがちですが、見た目を重視しすぎるとかえって使いにくくなることもあります。あくまでも従業員がストレスなく使えるように設計をしましょう。

これらの点を意識すれば、優れたUIデザインの業務システムを作りやすくなります。ただし、業務システムによってUIデザインは大きく異なるため、「最も良い設定方法」や「最も良いデザイン」を定義づけるのは困難です。そのため、先に紹介した設定方法は目安と考え、開発したいシステムに併せて細かくUIデザインを変更することをおすすめします。

 

業務システムのUIガイドラインを作ろう

令和の現代では、デザインに関するルールを定めてクオリティを担保する「デザインシステム」という考え方も広まっています。デザインシステムとは、業務システムの要素を整備し、ルールをまとめることを指す言葉です。

デザインシステムを整備するのは時間を要するため、まずはUIデザインのガイドラインだけでも作成しておくことをおすすめします。制作メンバー間でデザインのルールが明確になり、デザインのアウトプットのブレを小さくできるでしょう。また、途中で制作に関わるメンバーがいてもUIガイドラインに目を通してもらえば、ルールに則った作業が進められるというメリットもあります。

今回は、業務システムにおけるUIデザインの考え方や開発におけるポイントについて、詳しく解説しました。

なお、システムのUIデザインを担う「UIデザイナー」という仕事があるのと同様に、システム開発を担う企業の中には「UIデザインを得意とする企業」も珍しくありません。端的に言えば、UIデザインを外注するという形で業務システムを開発することは可能なのです。開発のノウハウがなく「UIデザインを設計するのが難しい」という場合は、開発の外注を検討してみてはいかがでしょうか。

 

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