デジタルサイネージは、今や駅やショッピングモール、ホテル、エレベーターなど、生活に身近な場所で見るようになってきました。デジタルサイネージは、既存の紙ポスターや案内図の代わりに、大型液晶ディスプレイを使い、様々なコンテンツが表示できる広告媒体です。
その目的は、商品CMや、イベント案内のように、告知や、集客ツール、周辺案内など様々です。すでに効果を見込んで導入している企業や店舗も増えてきています。一方で、導入するコストはどの程度かかるのか、疑問を抱えている担当者の方も多いでしょう。
そこで、当記事ではデジタルサイネージの導入費、コンテンツ制作費、CMS利用料、電気代、運用・保守用費(ランニングコスト)などの費用相場や、それらの費用を抑えるポイント、外注先を選ぶポイントを紹介しています。デジタルサイネージ導入をご検討中の方は、予算組みの参考にしてください。
目次
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デジタルサイネージ導入費用の相場
デジタルサイネージは、紙のポスターや看板などと比べると、動画や音声で訴求できる点やコンテンツ内容を更新しやすい点で優れています。しかし、大型液晶ディスプレイなどの電子機器や、ネットワーク回線など、紙媒体では必要がなかったコストが発生します。
ここからは、デジタルサイネージ導入時の費用相場、コンテンツ制作の費用相場、ランニングコストの費用相場について説明します。
●ディスプレイの費用相場
ディスプレイの費用相場は、設置場所の環境、使用形態、運用方法によって異なります。一般的によく使われる43インチから55インチサイズの場合、室内用は約10万円~40万円、屋外用は40万円~80万円となります。屋外で使用する場合は防水防滴機能が必要であるため、費用に差があります。また、ディスプレイにはスタンドと一体化した製品や、コンテンツ表示コントローラーが内蔵されている製品など、種類や機能によっても費用が変わります。
●機器設置の費用相場
デジタルサイネージの導入には、機器設置費用も考慮する必要があります。
設置方法にはスタンド、天吊り、壁掛けなどがあり、設置環境に合わせて金具や工事費用が必要となります。目安として10万円~15万円程度です。据え置き式のスタンドアローン型では、設置費用がかからない場合もあり、設置方法や環境、用途により費用は変わります。
正確な費用を知りたい場合は、導入業者に見積もりを依頼しましょう。
●再生機器の費用相場
デジタルサイネージには、スタンドアローン型とネットワーク配信型の2種類が存在します。スタンドアローン型の場合、再生機器が必要となります。この再生機器は、外部接続型や内蔵型があり、コンテンツのデータを保存して管理する役割を担っています。
主に、USBやスティックPCが再生機器として使用され、費用相場としては、USBが約3,000円、スティックPCが約2万円前後となっています。
●STB(セットトップボックス)の費用相場
STB(セットトップボックス)は、ディスプレイ上に動画や画像を再生する際に必要な機器です。STBはディスプレイと再生メディア(USBメモリやスティックPCなど)の間に接続され、ディスプレイ上にコンテンツを表示する役割を果たします。
費用相場は機能によって異なりますが、1万円~10万円程度となります。インターネット接続が可能なタイプの場合、Wi-Fi経由でWeb上のコンテンツも再生できます。
●コンテンツ制作の費用相場
コンテンツ制作は、自社で制作することも可能です。しかし、コンテンツのクオリティを求めるのであれば制作会社へ外注することをおすすめします。
制作会社に依頼した場合の費用は、静止画で1万円~3万円、2分程度の動画で10万円程度です。コンテンツ制作費用は、コンテンツの変更や更新のたびに必要になるためランニングコストも影響してきます。
●ランニングコストの費用相場
ランニングコストとして、CMS利用料、電気代、保守・運用費用、コンテンツ制作費用などが必要です。費用目安としては以下のとおりです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
CMS利用料 | 月額2,000円~1万円程度 |
電気代(50インチサイズを1日8時間・30日運用) | 1,000円~2,000円程度 |
保守・運用費用 | 月額制/機器設備や、台数、保守体制によって異なる |
コンテンツ(静止画)作成費用 | 1万円~3万円 |
コンテンツ(動画/2分程度)作成費用 | 10万円程 |
ここまでデジタルサイネージ導入の費用相場について紹介してきました。デジタルサイネージの導入費用は、設置する環境や設置方法などでも異なります。また導入後のランニングコストも導入費用に影響します。これらの要因から、一概に費用相場はいくらですと明確に伝えることはできません。
正確な費用を確認したい場合は、要件をまとめ、複数企業に見積もり依頼をしてみましょう。また見積もり依頼をする際は、比較検討がしやすいように、項目を指定して依頼するようにしましょう。
デジタルサイネージ導入費用を抑えるためのポイント
デジタルサイネージの導入にあたって、予算が限られている場合は、「いかに費用を抑えるか」も大きなポイントになるでしょう。ここではデジタルサイネージの費用を抑えるポイントについて解説していきます。
●スタンドアローン型を使う
デジタルサイネージ導入費用を抑えるポイントの1つ目は、ネット回線を使わない、スタンドアローン型で導入することです。スタンドアローン型は再生メディアを使用しコンテンツ再生することが可能なので、インターネットの接続費用を削減できます。また、本体の価格もネットワーク配信型より安く導入が可能です。スタンドアローン型は、初期費用とランニングコストを抑えたい場合におすすめの導入方法です。
●コンテンツを自作する
デジタルサイネージ導入費用を抑えるポイントの2つ目は、コンテンツを自作することです。コンテンツ制作費用を抑えられるほか、自社の商品やサービスに合わせたオリジナルのコンテンツを作成できます。しかし、コンテンツ制作には専門的な知識や技術が必要で、時間もかかります。もし自社にノウハウがある場合は、内製での対応を検討しましょう。
●リースでの導入
デジタルサイネージ導入費用を抑えるポイントの3つ目は、リースで導入することです。リースとは、デジタルサイネージ機器を一定期間借りることができる契約のことです。例えば、100万円のデジタルサイネージを導入したい場合、ランニングコストを含めた月額リース料は約12万円(リース料率3年/2%)で、初期費用も必要ありません。これにより、導入費用を抑えることができます。
デジタルサイネージをリースで導入した際の費用相場
項目 | 費用相場 |
---|---|
CMS利用料 | 月額2,000円~1万円程度 |
電気代(50インチサイズを1日8時間・30日運用) | 1,000円~2,000円程度 |
保守・運用費用 | 月額制/機器設備や、台数、保守体制によって異なる |
コンテンツ(静止画)作成費用 | 1万円~3万円 |
コンテンツ(動画/2分程度)作成費用 | 10万円程 |
●必要機材を自社で用意する
デジタルサイネージに必要な機器、ディスプレイやスタンド、ネットワーク機器、再生メディアなどを外注先で購入すると割高になることが多いです。できる限り自社で用意することにより、費用を抑えることができます。
取り付け工事が必要な場合は、複数の工事業者から見積もりを取得し、コストの低い業者に依頼することが効果的です。導入を外注する際は、システム設定や調整だけを依頼することで、さらに費用を抑えることができます。
上記のポイントを踏まえ、予算に見合った導入費用を検討しましょう。ただし、費用を抑えることだけにこだわりすぎると、本来の目的を達成できなくなる可能性があります。費用と効果のバランスを考慮しながら導入検討を進めましょう。
デジタルサイネージ導入時の外注先の選び方
デジタルサイネージシステム導入をサポートしてくれる外注先企業選びは、システム導入を成功させるために重要なポイントです。ここではデジタルサイネージ導入をサポートしてくれる外注先の選定基準について紹介しています。
●デジタルサイネージ開発や運用に強みを持ち、実績のある企業
外注先の選ぶ際には、デジタルサイネージシステムの開発や運用、導入サポートに強みを持った外注先を選ぶようにしましょう。
会社により開発や導入サポート経験のあるシステムが異なります。そのため自社が求めるシステムに似た開発実績のある外注先を選ぶことは重要です。なぜならそのシステムに関する実績があれば、要求定義や要望への理解度が高く、打ち合わせなどもスムーズに進められるためです。
●コミュニケーション力や相性
打ち合わせの際のコミュニケーション力や相性も注意して選ぶようにしましょう。
導入前や導入時に打ち合わせをする機会は多くあります。コミュニケーションが上手く取れていないと、打ち合わせの際に認識のズレが起こり、自社が求めるデジタルサイネージシステムの導入ができないリスクが高くなります。また自社にIT知識がほとんどない場合、システムに関してわかりやすく説明してもらえるかも注意しましょう。
●運用/保守などのアフターサポートの有無
どんなシステムでも同じことですが、システムは導入して終わりではありません。運用をスタートさせてから、不具合や機能追加をするケースもあります。そのため、自社内にデジタルサイネージのノウハウがない場合には導入後のサポートが充実している外注先を選び、導入から運用保守まで一括で依頼しましょう。
●業績は安定しているか
外注先企業の業績も確認しておきましょう。システム完成後のサポートに影響が出る場合があるためです。運用スタートしてすぐに外注先が倒産してしまうと、運用保守を依頼する外注先を再度選定する必要があります。運用後のリスクを回避するため、外注先の業績がある程度安定している会社を選ぶようにしましょう。
外注先を選ぶ際にその会社をしっかりと調査することは、様々なリスクを回避するために大切です。必要に応じて問い合わせや相談することも重要です。特に紹介した内容については、外注先を決める前に、しっかりと調査をしておきましょう。
以上、デジタルサイネージ導入の費用について解説しました。
デジタルサイネージシステムの導入にあたって、自社だけで実績やスキルを持つ外注先を調査し、比較するのは難しく手間がかかります。そこで発注ナビを利用することがおすすめです。発注ナビではシステム開発の専門家が要望に応じた会社をご提案します。相談から見積もりまで無料でサポートしますので発注ナビをぜひご利用ください。
デジタルサイネージを導入する際には、導入費用やランニングコストをしっかりと見積もることが重要です。また、費用を抑えるためには、必要最小限の機能やサイズに抑えたり、外注先の選定にも力を入れたりすることが大切です。また、費用だけでなく、実績や技術力、アフターサポートなどを考慮しなければなりません。
デジタルサイネージは、商品やサービスの宣伝や案内に利用されるため、効果的なコンテンツ制作が欠かせません。そのため、外注先との信頼関係を築き、協力しながら効果的なコンテンツを作り上げることが大切です。
デジタルサイネージの導入は、今後ますます広がっていくことが予想されます。この記事で紹介したポイントを参考に、スムーズかつ効果的な導入を実現してください。
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