EDIとは、企業間の受発注業務を専用回線やインターネットのやりとりで行う「電子的データ交換」のことです。今までは紙による発注書のやりとりを、FAXを使い人の手で行ってきました。しかし、人の手を介すると多くのコストがかかります。それらのコストは、データでやり取りを行うことでかなり削減することができます。それには、EDIの種類やメリットを知り、自社に合ったものを選ぶことが大切です。この記事では、EDIを選ぶ時のポイントや、導入にかかる費用について詳しく解説します。
目次
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【おさらい】EDIとは
EDIとは「Electronic Data Interchange」を略したものです。今まで電話・FAX・郵送などで行っていた「受発注」「請求・支払い」「出入荷」に関する処理を、専用回線に接続することで、企業間の取引情報をデータ化することができます。
【メリット】EDI導入したほうが良い理由
EDI導入したほうが良い理由は以下の3つです。
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BtoB取引の業務の効率化
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ミスの早期発見と予防
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内部統制の徹底
●BtoB取引の業務の効率化
EDIを導入すると、企業間取引の効率化が可能です。EDIの導入によって、受発注などのデータ連携業務が自動化できるようになり、業務の効率化が図れます。
●ミスの早期発見と予防
EDIを導入すると、人為的なミスを防止できます。「受発注」「出入荷」「請求・支払い」といった作業は、情報の入力ミスなど人的なミスが多い傾向にあるからです。EDIは取引情報をデータ化できるため、人的ミスの大きな削減が可能です。
また社外にいても、受発注の確認をすることができるため、ミスの早期発見もできます。
●内部統制の徹底
内部統制とは、会社の経営目標達成など共通の目的のために、従業員に対して決まりや業務プロセスの見直しを行うことです。EDIを導入することで、業務プロセスの見直しに貢献できます。
EDIについてより深く知りたい方は、「EDIで商取引を効率化!情報交換に役立つ取引ツールとは?」で詳しくご紹介しています。
EDIの導入にかかる費用は何円?
EDIを導入するとなると、導入にかかる初期費用と月々支払う基本利用料を支払わなければなりません。それぞれの費用相場は、以下のように大きな幅があります。
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初期費用:無料~数百万円程度
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基本利用料:数千円~数十万円程度
費用相場に幅が生じている理由は、販売元の会社が提示するシステムの仕様や料金プランが、会社ごとに異なるからです。
例えばオンプレミス型と呼ばれるシステム形態の場合は、システムを買い切ることになるため、初期費用が数百万円と高額になるケースは少なくありません。逆にクラウド型の場合、初期費用はほとんどかかりませんが、ランニングコストとして毎月の基本利用料がかかります。
EDIの導入・運用にかかる費用だけ気にするのではなく、自社に合うシステム形態を考えることが重要です。
●オンプレミス型とクラウド型の違い
オンプレミスとは自社内のサーバーでシステムを運用すること、逆にクラウドとはネットワークを通じてシステムを運用することです。オンプレミス型かクラウド型の違いやそれぞれの型に向いている企業の特徴を、表でまとめましたのでご覧ください。
システムの形態 | 特徴 | 適している企業 |
---|---|---|
オンプレミス型 | ・自由度が高くカスタマイズに制限がない ・アクセス制限が可能のため、セキュリティ対策も強化することができる |
・自社サーバーを既に持っている ・システム構築の体制が整備されている ・社内にEDIに関する技術力がある人材がいる ・人事管理等社外秘の情報をインターネット環境へ持ち出したくない |
クラウド型 | ・インターネットの環境があれば、どこでも利用することができる ・ネットワーク経由でアップデートが可能 |
・初期費用を抑えたい ・様々な場所で利用できるようにしたい ・カスタマイズしなくても良い ・時間をかけずに導入したい ・人数に応じたプランを選びたい ・法改正などに素早く対応したい |
詳しい違いについては、こちらの「オンプレミスとクラウドのメリットを比較!自社に合うのはどっち?」で解説しています。
【解説】EDI選定のポイント
「EDIを導入する」といっても、導入する前に様々な比較検討が必要です。先述したオンプレミス型とクラウド型といったシステム形態やEDIの種類、プロトコルについても考慮しなければなりません。
そこでEDIを選ぶ時に、押さえておきたいポイントをまとめて紹介します。
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プロトコルの種類で決める
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EDIの種類で決める
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販売元のサポート体制を比較する
●プロトコルの種類で決める
通信プロトコルの種類の確認は必須です。ここでプロトコルとは、データ通信に関する規格のことです。プロトコルのタイプは5つありますので、わかりやすいように表でまとめました。
プロトコルの種類 | 特徴 |
---|---|
EDIINT AS2 | 一度の取引でのデータ通信の量が多いことと、リアルタイムで処理することができる |
OFTP2 | 日本の自動車業界でも普及が進んでいる |
ebXML MS | 一取引当たりのデータ通信量が多く、即時性の高いデータ処理を行うことに適している |
JX手順 | 一取引当たりのデータ通信量は小さいが、小売りや流通業界で普及している |
SFTP | 他サービスとのデータ連携や企業内・企業間でのデータの交換等に使用されている |
●EDIの種類で決める
EDIの種類を基準に選ぶ場合、取引先との互換性があるEDIを選択する必要があります。EDIを導入する前に、必ず取引先が利用しているEDIの種類を確認しておきましょう。
以下表で4つのEDIについて解説しますので、種類ごとの特徴を理解して導入しましょう。
EDIの種類 | 特徴 |
---|---|
個別EDI | 細かい条件の指定ができ、自由度が高いというメリットがある |
標準EDI | 標準化した規格を利用したEDIによって、複数の企業とのやりとりが可能 |
業界VAN | 業界内で統一された取引先コードや商品コードが標準化され使いやすい |
Web-EDI | ・システムをインストールするだけで手軽に導入することができる ・専用の設備を準備する必要がないためスピーディーでコストを抑えることも可能 |
現状は、固定回線を利用することが多いEDIですが、2024年にISDN回線の終了が予定されています。そのため、今後はWeb-EDIへ切り替える企業の増加が予想されます。
●データ処理能力が高く速いEDIを導入する
プロトコル・EDIの種類が決まったら、今度はデータの処理能力の高さにも注目してください。処理能力が高く、かつ処理速度が速いかを基準に、EDIの性能を比較しましょう。
確認するには、無料トライアルで実際に使用するのがおすすめです。使ってみることで、処理能力の高さに加えて操作がしやすいかどうかも確認できます。
●販売元のサポート体制を比較する
EDI導入には、専門知識が必要です。サポート体制の充実度は、選ぶ時の重要なポイントの1つです。
具体的には、24時間体制のセキュリティ監視ができる会社がおすすめです。更にトラブルが発生した時に、迅速に対応してもらえる会社が良いでしょう。セキュリティに関する証明があるか、認定を受けていれば安心です。
まとめ
EDIは、これまで紙で行っていた受発注業務をデータで行うシステムです。データのやりとりによりペーパーレス化が実現し、経費削減になります。また、手入力という作業が減るため人為的ミスを減らすことができます。業務効率化など多くのメリットがあります。しかし、メリットを最大限に得るためには、自社に合ったシステムを選ぶ必要があります。オンプレミス型、クラウド型のどちらが自社に適しているのか、導入前に見極める必要もあります。
EDI導入のため、開発会社を探している方は多いでしょう。しかし自分だけで調査して、比較して自社に合うシステム開発を探すのはなかなか難しいです。1社ずつホームページを確認して問い合わせ、依頼する会社候補を絞り、様々な要素を比較してみて最終決定を下すのは時間と手間がかかってしまいます。
そこでおすすめするのが、システム開発会社向けマッチングサイトの利用です。
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