LPOとは、ランディングページをユーザーの目的に合わせて最適化するWebマーケティング手法の一つです。
LPを改善してコンバージョンを高めることで、SEOで集客したユーザーを逃さず収益につなげられるため、相乗効果によってWebサイトの成果を最大化することができます。
今回は、LPO施策の基本と、SEOとの相乗効果についてご紹介します。
目次
LPOの目的とは?
LPO(Landing Page Optimization)は、「ランディングページ(LP)を最適化する」という意味です。製品やサービスの魅力を効果的に訴求することを目的としています。
●LPとは?
LPには二つの意味があります。一つはランディングページという名前の通り、「訪問者が着地するページ」という意味で、Webサイトの訪問者が最初に目にするページを指します。ユーザーが最初に目にするのが必ずしもWebサイトのトップページであるとは限らないため、WebサイトのすべてのページがLPになる可能性があります。
もう一つは、コンバージョン獲得を目的とする「訪問者にアクションを起こさせるページ」を指します。リスティング広告やアフィリエイト広告から誘導されて訪れたユーザーに行動を起こさせて、成果を上げることに特化して作られたタテ長のWebページです。
どちらのページもユーザーに意図したアクションを起こさせることが目的ですが、一般的にLPOという場合は、後者に挙げた目的を持つLPを最適化してより成果を上げられるように改善するという意味で使われます。
●LPOの目的
LPOの目的の一つは、コンバージョン率を高めることです。企業のWebサイトは、多くの場合、SEOやリスティング広告、アフィリエイト広告などでユーザーを自社のWebサイトに集め、LPで商品購入や資料請求などユーザーのアクションを誘導してコンバージョンにつなげられるように設計されています。
しかし、LPに問題があったり、ユーザーがすぐにLPにたどり着けなかったりすると、コンバージョンにつながりにくくWebサイトの費用対効果が上がりません。そこで、LPを改善してユーザーをコンバージョンまで的確に誘導するのがLPOです。
もう一つの目的は、ユーザーの直帰率を抑えることです。Webサイト内に求めている情報がなければ、ユーザーはすぐにWebサイトから離脱してしまいます。離脱を防ぐために、LPで必要な情報を十分に提供したり、ユーザーの興味を引くコンテンツを盛り込んだりして直帰率を抑え、コンバージョンにつなげます。
LPO施策の方向性
LPOのターゲットは検索エンジンではなく、人間であるユーザーです。そのためWebサイトの改善は、より個別の対応が必要になります。
●Webサイト内の経路を改善する
LPO施策に有効な手法の一つがWebサイト内の導線を改善することです。Webサイトにアクセスしたユーザーが、求めている情報へすぐにたどり着けるようにして、ムダな回遊やクリックを減らします。そうすることにより、ユーザーの購買意欲を落とさないままコンバージョンへつなげられるようになります。
LP内の情報をわかりやすくするために、デザインやコンテンツの配置を見直すことも重要です。一般的にユーザーは、5秒で自分に有用なWebサイトかどうかを判断するといわれています。料金や仕組みなど、どのユーザーにとっても重要だと思われる情報は、LPに大きく記載すると良いでしょう。
リンクを貼ったり検索機能を充実させたりして、複数の経路からLPにたどり着けるようにするのも効果的です。必要な情報へのリンクは目立たせるようにして、ユーザーの直帰率を減らします。
●ユーザーによってLPの表示内容を変える
LPにたどり着いた理由やニーズは、ユーザーによって異なります。そのため、すべてのユーザーに対して同じLPで対応することはできません。LPを複数パターン作って、ユーザーの属性やニーズに合わせて表示を変えると、よりユーザーに合った対応ができるため、コンバージョンアップが期待できます。
ユーザーの属性によって、効果のある表現も異なります。イメージ画像や文章など、LP内のコンテンツをユーザーの属性に合わせて変更しましょう。
また、Webページの切り口を変えたり、文章を変えたりすることで、ユーザーのより具体的なニーズに的確に訴求することが可能です。
求めている情報がないLPでは、ユーザーはすぐにWebサイトを離脱してしまいます。キーワードや集客方法などを分析し、それぞれのユーザーに合わせたLPで直帰率を下げ、コンバージョンにつなげるのがLPOの基本です。
LPOの効果が出やすいWebサイトの特徴
Webサイトによって、LPOの効果がすぐに現れるサイトと、効果が出にくいサイトがあります。どのようなWebサイトにLPOが効果的なのでしょうか。
●LPOが必要な理由
求めていた情報と違う不適切なコンテンツがあったり、内容はマッチしているのに申し込みボタンの場所がわかりにくいなど必要な情報をすぐに見つけられなかったりすると、ユーザーはほかのWebサイトに情報を求めて離脱してしまうため、コンバージョンにつながりません。アクセスはされるのに直帰率が高く、コンバージョンしにくいという場合は、LPがユーザーに合っていない可能性があります。
●効果が出やすいWebサイト
例えば、商品に関する情報が多いECサイトや、不動産やグルメなどの情報を多く扱う情報系サイト、資料請求や問い合わせをしてもらうことを目的としたサイトなどは、特に効果が出やすいでしょう。
一方、コンテンツが少なく特定のキーワードが強いWebサイトでは、ユーザーのニーズがある程度絞り込まれます。そのようなWebサイトでは、LPOよりもSEOに力を入れ、検索流入するユーザーを増やしたほうが効果的です。
LPOとSEOの相乗効果
LPOとSEOの施策を同時に行うと相乗効果を発揮するため、さらにコンバージョンアップが期待できます。
●LPO施策の特徴
LPOは、ユーザーの離脱を防ぎ、直帰率を下げてコンバージョンにつなげるための施策です。Webサイトの成果を最大化しやすくすることができますが、そもそもWebサイト自体への集客がなければコンバージョンにつなげることもできません。
●SEO施策の特徴
SEOは、Webサイトを検索結果で上位表示されることを目的とした施策で、集客のアップに活用されます。Webサイトを訪問するユーザーを増やすことはできますが、SEO施策だけではコンバージョンにつなげるのは難しいでしょう。しかし、SEO施策で集めたユーザーは特定のキーワードで集客されているので、適切なLPを提供するためのユーザーニーズを知るために利用することができます。
●LPOとSEOの施策を同時に行う
LPO施策だけではユーザーを集客できないので、ユーザーをコンバージョンに誘導することもできません。一方、SEO施策だけではユーザーを集客することはできても、コンバージョンにつながりにくいWebサイトになります。そのため、Webページからのコンバージョンを目指すなら、LPO施策とSEO施策の両方が必要なのです。SEOで集客してきたユーザーをそれぞれに合ったLPへ送り、適切な情報を提供してコンバージョンにつなげるという良いサイクルができます。LPOを考えるときは、SEO施策も同時に行うと、集客したユーザーをコンバージョンにつなげるという効率的な改善が期待できるでしょう。
LPOの基本はユーザーのニーズを汲み取ること
適切なLPOを行うと、SEOやネット広告などでWebページへ集客したユーザーのコンバージョン率をアップすることができます。
しかし、ユーザーのニーズを把握できていなければ、どのような施策をとっても効果が出にくいでしょう。
LPOとSEOは、施策として実施する内容は異なりますが、どちらも施策を実行する前にはユーザーのニーズをしっかりと汲み取り、それをどのように施策として反映するかがポイントとなります。
LPOツールや業者を頼る前に、まずはLPがユーザーのニーズを的確に満たしているか、そしてSEOに使っているキーワードはユーザーから検索されているキーワードかを考え直すところから始めてみましょう。
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