社内ネットワーク構築は、働き方改革、テレワーク導入、高度情報社会など様々な要因により、今や欠かせません。新しいオフィスを開設する際や、既存の社内ネットワークの性能が低下した際に、社内ネットワークの見直しを考えている企業は多く存在します。
しかし、社内ネットワーク構築の費用は、構築規模や施工方法、外注先のスキルによって大きく異なります。自社の社内ネットワーク構築にかかる費用をどの程度想定すべきか、どのような外注先に依頼すべきかを悩んでいる担当者の方も多いでしょう。
本記事では、社内ネットワーク構築の費用相場や、構築費用を抑えるポイント、外注先の選び方について紹介しています。
目次
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ネットワーク構築の概要
ネットワークとは、広い意味で、物流、交通、人脈など網状につながったものを表す言葉です。コンピューター同士がデータのやり取りをする仕組みをコンピューターネットワークと言います。以前はIT企業や一部の大手企業でしか活用されていなかったコンピューターネットワークですが、現在では、パソコンやスマートフォンなどの普及と共に、一般ユーザーもネットワークを利用しています。
例えば、私たちが日常生活でパソコンやスマートフォンを使って様々なデータのやり取りをし、欲しい情報を閲覧したり、クラウドサービスやオンラインソフトを利用したりすることもコンピューターネットワークの一部です。企業がネットワークを利用するメリットは、情報収集や、ユーザー間の文書のやり取り、ファイル共有、コミュニケーションの効率化、リモートアクセス環境の構築が可能であることなどがあります。また、私たちの生活においても、高度情報化社会となった現在では、コンピューターネットワークは欠かせないものになっています。
ネットワーク構築の費用相場について
新しいオフィスの開設やオフィスの移転時には、オフィス内やほかの拠点にあるオフィスとのネットワーク構築が必要です。また、ネットワークが複雑化していることや運用・管理コストの見直しの機会に社内ネットワークを再構築する会社も少なくありません。しかし、ネットワーク構築費用は50万~数百万円と幅があり、構築する規模や接続するデバイスの数、セキュリティ対策の内容によって高額になる場合があります。ここでは、ネットワーク構築の費用相場を項目別に紹介します。
●ネットワーク設計
ネットワーク設計の費用相場は、環境や要望、規模などに応じて異なりますが、約10万円以上が必要です。費用が明確ではない理由は、設計に必要な要件や規模が異なることや、構築する拠点の数が異なるからです。また、ネットワークを構築した場合、ネットワーク構成図も必要となります。構成図の作成も費用は約10万円以上が必要です。
●ネットワーク設定
ネットワーク構築後、パソコンやネットワーク機器などをネットワークに接続するための設定が必要です。この費用は接続する台数により異なりますが、費用相場は一台当たり約5,000円~1万円です。
●LANの配線、無線LANの設定
ネットワーク構築に必要なLANケーブルやHUBの設置などの費用は、設置環境や規模、LANケーブルの配線本数などにより異なり、約20万円以上です。また、無線LAN環境が必要な場合は、別途無線LAN設計・構築費用が必要で、その費用相場は約5万円です。
●VPN設計
VPN(Virtual Private Network)は、従来の専用線による接続ではなく、インターネット上の仮想的な専用回線を利用して、遠隔地にあるルーターやパソコンと安全に接続する方法です。VPN設計・構築費用にかかる相場は、設定や接続が必要な台数やプロバイダー契約により異なり、約2万円~5万円です。
●ネットワークセキュリティ対策
ネットワーク構築時には、内部ネットワークを外部ネットワークからの攻撃から保護する範囲の決定や、内部ネットワークに潜在する脆弱性を発見し、修正や設定変更などのネットワークセキュリティ対策が必要です。ネットワークセキュリティ対策の費用相場は、脆弱性診断サービス契約の内容やセキュリティ対策ソフトや設備機器の購入費用、規模などにより異なり、数千円~数百万程度が相場です。
ネットワーク構築費用相場
ネットワーク構築にかかる費用相場の参考としては、以下のとおりです。
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ネットワーク設計費用 約10万円以上
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ネットワーク構成図作成費用 約10万円以上
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ネットワーク設定費用 5,000円~1万円/台程度
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LAN配線工事 約20万円以上
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無線LANの設定 約5万円
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VPN設定費用 約2万円から5万円
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ネットワークセキュリティ対策 数千円~数百万円
実際の費用は構築する環境、規模、範囲などによって変動があります。自社に最適な費用を把握するためには、ネットワーク構築の専門業者に見積もりを依頼することが重要です。ぜひ、適切な見積もり依頼をし、自社に合ったネットワーク構築プランを提案してもらいましょう。
ネットワーク構築費用を抑えるためのポイント
新しくネットワーク構築する場合や、古くなったネットワークを再構築する場合、多くの企業は外注業者へ依頼をしています。ネットワーク構築には専門的な知識が必要だからです。しかし、ネットワーク構築にかかわるすべてを外注する場合、規模や環境などにより高額な費用がかる場合があります。ここからは、ネットワーク構築費用を抑えるためのポイントについて紹介します。
●社内ネットワーク化する範囲を決める
ネットワーク構築の費用を抑えるポイントとして、社内のネットワーク化の範囲を決めることで、初期導入費用を抑えることができます。しかし、将来の拡張性を考慮せず範囲を決めてしまうと、ネットワークの拡張の際に再構築や大幅な変更が必要になり、余計な費用が掛かってしまいます。そうならないためにも、ネットワークの設計をする際は、将来構想を含めたうえで適切な範囲を対象にしましょう。
●周辺機器は自社で用意する
ネットワーク構築に必要な設備機器やLANケーブルなどをすべて外注先で購入すると、自社で用意するよりも価格が高くなる場合があります。家電量販店やネット通販などで購入することで、外注業者で用意するよりも費用を抑えることができます。また、LANケーブルの配線工事など、自社で対応できるスタッフがいる場合は、事前に済ませておき、外注先には設定作業だけを依頼することで費用を抑える方法もあります。ただし、この場合、ネットワーク障害が発生した際に、LANケーブルや設備機器による障害なのか、設定によるものなのかの障害原因を切り分ける必要があります。
●VPNを導入する
低コストでありながら、専用回線のように安全な通信ができるVPNを導入することで、専用回線にかかる通信コストを大幅に削減できます。VPNの導入費は、通信量や接続拠点数、タイプによって異なりますが、月額1万円~5万円程度で導入が可能です。そのほかに、VPNルーターの購入費や設定費用で3万円~5万円程度の初期費用が必要ですが、ランニングコストを含めて考えると大幅なコスト削減が期待できます。
●サーバーを仮想化する
Webサーバーやファイルサーバー、データベースサーバーなど、複数のサーバーをネットワークに組み込むと、構成が複雑になることでコストが高くなります。そこでサーバーを仮想化し、1つのサーバーに複数の役割を持たせることで、サーバー導入費だけでなく、ネットワーク構築・運用費用を抑えることができます。また、サーバーの一元化により、社員も必要なデータの格納先を把握しやすくなり、業務効率の向上につながります。そのほかに、セキュリティ対策や、メンテナンスのしやすさ、拡張のしやすさなどを考慮してクラウドサービスを利用し、サーバーの仮想化をする方法もあります。
●ネットワーク構築の費用を抑える際の注意点
ネットワーク構築の費用を抑えるためには、ネットワーク構築をする明確な目的、将来構想を考慮した設計を行い、社内のネットワーク化する範囲を決めることが重要です。また自社でネットワーク機器やサーバー機器などの購入、LANケーブル工事などを行うことで導入費用を抑えることができます。しかし、ネットワークトラブルなどの問題が発生した際、ネットワーク機器の故障、LANケーブルの断線、ネットワーク設定の不具合のどれかなど、障害一時切り分けをする手間と時間がかかる可能性があります。ネットワーク構築の費用は、導入費用を抑えるだけでなく、ランニングコスト(人件費や、通信回線料金など)や、保守、障害発生時の対応方法など、トータル的に考えることが重要です。
ここまでネットワーク構築の費用を抑えるポイントについて紹介してきました。ネットワーク構築の費用を抑えることは重要です。しかし、費用だけを重視して導入方法を決めるのではなく、業務を円滑に進めるためのネットワーク構築を行うことが、結果として費用を抑えることへつながります。
ネットワーク構築の外注先の選び方
ここからは社内ネットワーク構築の外注先の選び方について紹介していきます。
●自社の業種でネットワーク構築の実績があるか
社内ネットワーク構築は、業種によって設計や設定方法が異なります。自社の業種や業態に導入実績が豊富な外注先に依頼することで、自社に適した細かな構築方法の提案やサービスを受けることができます。また、自社業種でのネットワーク構築実績がある外注先は、これまでの経験から、構築費用を抑えるポイントや抑えてはならないポイントも理解しています。このため、ネットワーク構築の外注先を選ぶ際には、自社の業種でのネットワーク構築実績の有無を確認することが重要なポイントです。
●自社の社内ネットワーク構築規模に合った外注先を選ぶ
業種や業態だけでなく、構築するユーザー規模にも注意しましょう。ユーザーが10人までと100人以上の規模では、通信性能や、応答性能などの構築内容が変わり、考慮が必要になってきます。そのため社内ネットワーク構築の外注先を選ぶ際には、自社の規模と同程度のネットワーク構築の実績のある外注先へ相談をするとスムーズな相談ができます。
●安全なネットワーク構築ができるか
社内ネットワーク構築を行う際、機密情報や顧客情報などの重要な情報の漏洩、ウイルスやマルウェアの感染、不正アクセスなどのセキュリティ対策は、会社の信用にかかわる重要な要素です。そのため、安全なネットワーク構築ができるかどうかを見極める必要があります。セキュリティ対策の知識や実績の確認、セキュリティ監査やアップデートの頻度と方法の確認、保証内容やサポート体制など、外注先のセキュリティへの専門性と体制を確認しておくことが重要です。
●打ち合わせの際のコミュニケーションの対応力や相性
社内ネットワーク構築に限らず、打ち合わせの際に、外注先とのコミュニケーションを上手く取ることができないと、希望や要望に合った構築ができなくなります。また打ち合わせや、進捗報告などの際、専門用語でなく、誰でもわかる言葉で説明されなければ、その提案が正しいのか判断することができません。これらのことから社内ネットワーク構築の外注先を選ぶ際、外注先のコミュニケーションの対応力と相性は大切なポイントです。
●運用・保守などのアフターサポートの有無
社内ネットワーク構築は、構築が完了して終わりではありません。長期間に渡り安定して運用をしていく必要があります。また課題や問題、障害は必ず発生します。ネットワークを安定して運用していくためにも、定期的なメンテナンスや予防保守は欠かすことができません。さらに問題や課題、障害が発生した際への対応も必要です。これらのことから、外注先を選ぶ際には、運用・保守などのアフターサポートの有無は大切なポイントになります。
以上のように、社内ネットワーク構築の外注先を選ぶ際には、価格の安さで選ぶのではなく外注先の導入実績の内容や専門性、コミュニケーションスキル、アフターサポートなどを総合的に判断して選ぶことが大切なポイントです。
本記事では、ネットワーク構築の概要や費用相場、費用の抑え方、外注先の選び方について解説しました。
ネットワーク構築の費用相場は、規模や設備の種類、セキュリティのレベルなどによって大きく異なります。また、費用だけでなく、構築するネットワークの設計や構成にも重要なポイントがあります。ネットワーク構築費用を抑えるためには、必要最小限の機能に絞り込むことや、クラウドサービスを活用することが有効です。
また、外注先を選ぶ際には、技術力や実績、提供するサービス内容、コミュニケーション能力などを重視しましょう。ネットワーク構築は、情報の共有や管理に欠かせない重要な施設です。本記事で紹介したポイントを参考に、より安全で効率的なネットワーク構築を実現してください。
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