システム開発において、要件定義はプロジェクトの成功に欠かせない重要なステップです。要件定義は、システムに求められる機能や性能、制約条件などを明確に定義する作業です。しかし、要件定義と要求定義の違いや具体的な作成例、流れや進め方のコツを知らないと、プロジェクトの進行や成果物の品質に影響を及ぼす可能性があります。
そこで今回は、システム開発の要件定義について知りたい方に向けて、要件定義の基礎情報や、要求定義と要件定義の違い、要件定義の作成で失敗しないポイント、要件定義の流れと進め方のコツを解説していきます。
目次
システム開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国4000社以上からご提案
要件定義とは
要件定義とは、システム開発やソフトウェア開発、Webサイト構築などのプロジェクトを開始する前に、必要な機能や要求条件を明確に定義する作業のことです。要件定義はプロジェクトの成功に向けて重要なステップであり、開発範囲や内容を明確にするための基盤となります。
要件定義では、経営層やユーザーとなる企業や部門の目標や要望を理解し、それを具体的なシステムやソフトウェアの機能や性能、操作性、品質、制約条件などに落とし込みます。要件定義によって、システムの利用目的や目標が明確化され、開発の方向性が定まります。また、要件定義は開発コストにも影響を与えるため、要求事項と予算のバランスを取るための重要な要素でもあります。
要件定義はプロジェクトの成否に大きく関わるため、十分な時間とリソースを割いて行うことが重要です。要求事項を明確化し、目標の達成や品質向上に向けた基盤を築くため、要件定義の段階で十分な検討と合意形成を行うようにしましょう。
要件定義と要求定義の違い
要件定義と要求定義は、プロジェクトの開始前に行われる重要な作業ですが、それぞれ異なる役割を持っています。
要件定義は前述のとおり、プロジェクトの目的や目標に基づいて、必要な機能や要求条件を明確に定義する作業です。要件定義では、システムやソフトウェアの機能、性能、操作性、品質などを具体的に明示し、開発の範囲や内容を決定します。要件定義は、プロジェクトの成功に向けて基盤を築くための重要なステップです。
一方、要求定義は、利用者や関係者からの要望やニーズを収集し、整理する作業です。そのためシステムを利用するユーザー(発注側)が作成します。現場業務で解決したい課題や問題などを洗い出し、システム化で何を実現したいのかを決め、要求定義書を作成します。要求定義は、あくまでも要望・希望を書いたものなので、すべてが機能やシステムで実現するわけではありません。ただ開発側は要求定義をもとに要件定義を作成し、開発に関する大枠を決めていきます。そのため要求を整理し明確にまとめることが重要になります。
このように、要件定義と要求定義の違いは、主にその焦点と役割にあります。要件定義は、プロジェクトの目的や目標に基づいて具体的な機能や条件を定義する作業であり、要求定義は、利用者や関係者の要望やニーズを収集・整理する作業です。要求定義は、要件定義のための情報収集の一環として行われることが一般的です。
要件定義の重要な要素
機能要件、性能要件、品質要件、実行計画は、要件定義の中で重要な要素として位置づけられます。要件定義においては、システムの目的や目標を実現するために必要な要素を整理し、具体的な要件として明確化します。それぞれの役割について詳しく解説していきます。
●機能要件
機能要件は、発注側がシステムに求める機能を定義することです。システム導入後の業務の効率化に直結する部分となります。例えば、「ユーザーごとに権限が設定できる」「商品検索でき、検索条件は設定できる」「購入履歴が検索でき、履歴データを二次利用できる、あるいは分析ができる」など、さっくりとシステムに搭載するべき機能を定義しています。
●性能要件
性能要件は、システムがどのような機能を持つ必要があるかを定義することです。例えば、応答時間は5秒以内である必要がある、データ処理能力は、1,000件/秒以上である必要があるなどのシステム性能について定義します。
●品質要件
品質要件とは、システムが持つ品質基準の定義することです。例えば、セキュリティの面やユーザーが使用している時のシステムの動き、品質は最低限どの程度満たすべきかを定義します。
●実行計画
実行計画とは、システム開発における要件を実行するために必要な工数やコストを確定することです。例えば、システム開発にかかるコストは〇〇円以内である必要がある、工数は◯日間かかる、要件の中で重要度や緊急度はどの順なのかなど、システム開発を実行するための計画を定義しています。
以上のように、要件には様々な種類があり、プロジェクトの性質や目的に応じて、適切な要件を定義する必要があります。
要件定義書作成までの流れ
要件定義は、開発するシステムのユーザーへ要求のヒアリングをしてそれを具体化、分析をしたのちに要件として落とし込む流れで作成を進めます。要件として確定するためにはいくつかの工程を経て要求を具体的にする必要があります。ここでは、それぞれの工程やコツを解説します。
●STEP1.ユーザーへのヒアリング
まずは要求定義を固めていくために、開発するシステムを利用するユーザーに対してヒアリングを行います。ヒアリングでは、ビジネス概要から、ビジネスを推進するうえでの課題や問題点を解決するために必要な機能など、ユーザーがシステムで何をどう解決していきたいか詳細に行います。またシステムに求める機能だけでなく、既存システムや外部サービスと連携する必要があるのか、将来的に連携させたいのかなどについても確認します。そのほかにセキュリティに関する社内規定や、要望など、直接業務に関係することだけでなく、システムを取り巻く環境についても詳細に確認しておくことが重要です。
このように、ヒアリングはユーザーがシステムを利用して、ビジネスを進めていくうえで、どんな課題や問題を解決したいのか、必要な機能は何か、既存システムや外部サービスとの連携は必要なのか、セキュリティに関する社内規定や、要望はあるのかなど、システムに求める要件や、システムを取り巻く環境まで詳細にヒアリングを実施することが重要です。
●STEP2.要求内容の分析
ヒアリングにより要求が明らかになったら、要求内容を1つずつ吟味し実現可能な要求かを整理していきます。すべての要求が実現可能になることはなく、ある程度は技術的に実現できないものも出てきます。その際は、代替案を見つけユーザーと話し合いながらお互いに納得できる方法を探します。その場合は、開発のしやすさも考慮して優先順位をつけ取り入れていきましょう。技術的に難易度が高いと、開発者の技術力によってはバグの発生リスクも高くなり、尚且つ開発工数の長期化により開発費用が高くなる可能性があります。さらに、予定よりも開発工数がかかった場合納期遅延が発生し、ユーザーのビジネスに影響する可能性が高くなります。
●STEP3.要件定義書の作成
ユーザーの要求内容をクリアできたら、ヒアリングと話し合いで決まった内容を整理し、要件定義書を作成していきます。要件定義書は、システム基本設計や詳細(内部)設計のベースとなります。そのためできるだけ詳細に作成することが重要です。具体的には、システム概要や導入目的、システム導入後の業務フロー、ユーザーの要求する必須条件などです。では、要件定義書の作成について細かく説明していきます。
1.要求定義の整理
要求定義とは、システム発注側からシステムに関する要求をまとめたものです。そのため要件定義の前段階として、要求定義の内容を整理する必要があります。発注側に必ずしもシステムに詳しい担当者がいるとは限らず、要求定義の内容が実現できない場合や、予算やスケジュールの関係でその機能を開発できない可能性もあります。
また内容についてもまとまっていない場合があるため、発注側と開発側で認識の擦り合わせが必要です。しっかりと発注側の意図を汲み取りながら要件定義に落とし込みます。
2.課題と目標の明確化
要求定義の内容がまとまったら、次はシステムで業務課題をどう解決していくか最終的な目標を明確化します。課題と目標は要求定義にも含まれていますが、あくまでも発注側の観点で作られているものなので、開発側で見直す必要があります。要求の中には現実的に実現が不可能な要求もあるため、より効率的な代替え案や違う手段を提案し、お互いが合意した内容で再構築していきます。
3.システムの全体像の明確化
システムで解決できる課題や目標が決まると、次はシステム全体の構成や内容を決めていきます。この時点ではまだ設計や開発に使用するプログラミング言語などついては触れず、システムの全体を整理していく程度です。
具体的には、視覚的に伝えるためにビジネスプロセス図や業務フロー図、システム化業務フローなどを作成します。
4.機能要件定義
システムの全体像を明確化できると、次は機能要件定義をまとめていきます。機能要件定義はシステム導入後の業務効率が直結することもあるため、丁寧に作成するように心掛けましょう。
詳細については設計の工程で行いますが、要件定義の時点で開発する機能の概要を整理しておきましょう。なぜなら、機能要件定義は、開発予算、メンバー、スケジュールなどに大きく影響するからです。また予算やスケジュールに合わせて、機能に優先順位を付けておくことも必要です。
5.非機能要件定義
非機能要件定義とは、機能以外に性能、ユーザビリティ、拡張性、運用・保守、移行性、セキュリティなどを定義することです。
操作性に関する画面レイアウトやウイルス対策ソフトなども非機能要件に含まれます。例を上げると、検索結果の表示速度や、業務処理速度、システムトラブル時の処理速度など品質にかかわる部分であり、実際に使うユーザーの満足度に直結します。そのためしっかりと定義するように心掛けましょう。またビジネスの変化に対応できるように、拡張性についても考慮しておく必要があります。
6.プロジェクト内容の決定
次にプロジェクト内容の決定を行います。プロジェクト内容では、予算やスケジュール、メンバーなどを決定します。この段階では、設計、開発テストなど、プロジェクト全体でどの程度の人月が必要なのか、プロジェクトの進め方などを把握しておくことが必要です。
要件定義の段階で、実作業の内容を大まかにイメージできていることで、適切なプロジェクト内容が決定します。曖昧になっていると、開発途中でリソースが不足する可能性が高くなります。
7.要件定義書作成
ここまで決まった内容をベースに最終的に要件定義書を作成します。この段階ですべての資料は完成します。開発メンバーや発注側と意識を合わせ共有するための資料を作成します。要件定義書の記載項目は以下のとおりです。
項目 | 内容 |
---|---|
システム開発の目的 | システムの導入により解決したい課題や達成したい目標を明確に記述します。 |
システムの導入環境 | システムを導入するためのハードウェアやソフトウェアの要件、ネットワーク環境、データベースの種類など、システムが動作するための環境に関する情報を記載します。 |
現状の問題点 | 現在の業務やシステムで発生している問題や課題を具体的に洗い出し、記載します。これにより、システム開発の目的や必要な機能が明確化されます。 |
システムの全体像 | システムの概要や構成、利用者のフローなど、システムの全体像を説明します。これにより、開発者や関係者がシステムのイメージを共有できます。 |
システムの機能要件 | システムに求められる具体的な機能を洗い出し、定義します。機能要件は、ユーザーの操作や業務の処理内容、データの操作など、システムが提供すべき機能を明確にします。 |
システムの非機能要件 | 機能要件以外の要件を定義します。例えば、パフォーマンス要件(応答時間や処理能力など)、セキュリティ要件、利用環境に関する要件などが含まれます。 |
工数 | システム開発にかかる作業量や時間を見積もります。開発作業の規模やスケジュール管理に必要な情報です。 |
予算 | システム開発にかかる費用を見積もります。ハードウェア、ソフトウェア、人件費などの費用を明示します。 |
スケジュール | システム開発の進行スケジュールを立てます。開発の段階やタスクの順序、マイルストーンなどを計画し、プロジェクトの進捗管理に利用します。 |
メンバー | システム開発に関わるメンバーの情報や役割を明記します。 |
開発者と発注者の今後の連絡方法、頻度 | 開発者と発注者間の連絡方法や頻度、進捗報告のスケジュールなどを明確にします。 |
要件定義の進め方とコツ
要件定義をうまく進めていくコツとして以下のものが挙げられます。
-
役割分担をはっきりさせる
-
ユーザーの現行システムを把握する
-
ユーザーの要求と要件定義書が一致しているか確認する
-
要件定義書をわかりやすく作る
●役割分担をはっきりさせる
要件定義をシステム開発会社側が固めていくには、ユーザーから現行業務の洗い出しをしてもらう必要があります。システム開発会社側に丸投げしていては話が進みません。ユーザー側とシステム開発側にそれぞれ役割が存在しています。そのため、まずはユーザー側とシステム開発側のそれぞれの役割分担をはっきりさせることが大切です。タスクを細分化してプロジェクトごとに担当者を設ければ役割分担が明確にしやすいです。
●ユーザーの現行システムを把握する
要件定義には現行のシステムの課題解決をする目的が含まれています。そして、ユーザーの現行システムの課題を洗い出すためにも、ユーザーの現行システムの中身を把握することが大事です。ここでしっかりと時間をかけて現行システムの状況を把握できているかどうかで、完成するシステムの質の高さが変わってきます。欠陥のあるシステムを作ることがないように、システムの骨組みとなる要件定義を念入りに行っていきましょう。
●ユーザーの要求と要件定義書が一致しているか確認する
ユーザーの要求をしっかりまとめたつもりが、実は要件定義書に反映されていない事項があることも考えられます。要件定義書の内容を基にシステム開発を進めていくため、ユーザーの要求と要件定義書の内容が一致していないと、ユーザーの要求が反映されません。もしユーザー側とシステム開発側で認識の違いが発生したまま開発を始めてしまうと、後でその違いに気付いて作業が手戻りしてしまうこともあります。手戻りしてしまうと納期の遅れにもつながってしまうため、ユーザーの要求と要件定義書の擦り合わせはかなり大事です。
●要件定義書をわかりやすく作る
要件定義書は誰か1人だけが見るものではありません。関係者となる何人もの方が見るもので、関係者の中でもそれぞれ専門分野などが異なるため、認識のズレが発生してしまうことがあります。認識のズレはシステムに反映されてしまうリスクがあるため、誰が見ても理解がしやすい要件定義書の作成を意識してみてください。
要件定義で失敗しないために
要件定義の段階で、要件定義漏れがあると開発途中で追加予算の発生や、納期に遅れが生じるリスクが高くなります。要件定義漏れとは、一言でいえば「要件定義の段階で曖昧な部分が発生していたこと」です。このようなリスクを防ぐためにも、要件定義を作成する際は、要求定義の内容を精査し、漏れのない要件定義を作成することが重要です。要件定義で失敗しないためには、どのようなことを意識しておくと良いのかを解説します。
●5W1Hを意識したヒアリング
要件定義で一番始めに行う業務要件ヒアリングは重要な工程の1つです。5W1Hを意識することで、曖昧さがなくなり、ヒアリング精度も向上します。ヒアリングにおける5W1Hは以下のとおりです。
-
Why:なぜシステム化を行いたいのか、背景となったエピソードなど
-
What:課題、改善したいポイントは何か、開発によって何を実現したいのか
-
Where:要求を満たすための開発範囲はどこまでか
-
Who:システムの利用者や運用者は誰なのか
-
When:いつまでに開発が必要なのか
-
How:どのように要求・要件を実現するのか
-
How much:システムの実装に関する予算はいくらで組むのか
業務ヒアリングに参加する担当者全員が、ITスキルを持っているわけではありません。業務要件ヒアリングを成功させるにはできるだけ専門用語を避け、サンプルを提示するなど工夫することが大切です。
●現行システムの仕様確認を実施する
システム開発の目的は今の業務を改善したい場合に重要なポイントです。現行システムの足りない点を明確にしておくことで、より良いシステム開発ができます。また全く新規に開発する場合であっても、現行の業務フローやシステムの確認は必要です。このようにユーザーの要求だけでなく、全体を確認しておくことで、精度の高い要件定義を作成することができます。
●基本設計をする前に要件定義の読み合わせを行う
一般的に、要件定義を作成する場合は少ない人数で行い、設計工程からは、人員を増やすケースが多くあります。また要件定義を作成した会社とは別の会社が設計するケースもあります。その際に要件定義を共有するだけでなく、関係者を集めて読み合わせを実施することで、認識にずれがなくなり、開発がスムーズに進んでいきます。その際はただ項目を読むだけでなく、記載されていない背景や使用検討の経緯なども説明することが大切です。
●スケジュール・ロードマップなどの情報を共有する
スケジュール管理や、運用開始後の体制に関する計画も大切になります。要求定義で失敗しないためには、プロジェクト管理も欠かすことができません。管理をすることで、すべての工程のスケジュールを立て、工程の遅れやトラブルが発生してもすぐに対策を打つことができます。
要件定義に必要なスキル
要件定義を行う際には、以下のようなスキルや知識が必要です。
-
ITスキル
-
客先の業務・業界についての知見
-
コミュニケーションスキル
-
実現可能なシステムの設計を提案するスキル
-
要件定義に必要なスキルを磨く方法
●ITスキル
要件定義では、ユーザーからの要求が実現可能かを判断する必要があります。その判断をするためには十分なITスキルが必要です。ある程度はITの専門知識がないと判断できません。ITスキルは、開発者側とユーザーである発注者側の双方に必要です。開発を依頼する側がITスキルを備えていないと、実現可能な仕様や機能なのかを判断できず、スムーズな形で要件定義を進めることができなくなります。
●客先の業務・業界についての知見
システム開発を行ううえで十分なスキルがあっても、業務や業界についての知見がないと、要望に見合ったシステムを開発することは難しいです。そのため、システム開発担当や開発依頼の決定権を持つ責任者は、ユーザーの扱う業務をきちんと調べて理解しておく必要があります。ユーザーのことを理解するのに効果的な方法は、ユーザーと意思疎通がしやすい関係を構築することです。要求のヒアリングの段階やその前の段階で、可能な範囲でユーザーとコミュニケーションをとり業務のことや課題に思っていることをいろいろ教えてもらえるように努めましょう。
●コミュニケーションスキル
要求を引き出すスキルはヒアリングやコミュニケーションなどの能力で、ユーザーの意図を把握する力のことを意味しています。ユーザー側がある程度要求をまとめているとしても、話をする中でユーザーが気付いていない要求というのも少なからずあります。その要求を引き出してユーザーに伝えられるとより良いシステムを完成させることが可能です。また、実現可能かどうかを判断することも大事です。ユーザーの要求が実現できないものなら、本人のためにも実現できない要求であることをきちんと伝えてあげてください。
●実現可能なシステムの設計を提案するスキル
ユーザーからの要求をまとめたら、その要求の内容を細かく設計していくスキルも必要です。要件定義の担当者が実現可能だと伝えて発注して、開発メンバーがユーザーの要求を実現させるのに苦労してしまうケースは少なくありません。要件定義の段階で開発メンバーがどこまで実現可能な内容なのかをイメージして、そのイメージを踏まえて要件定義を固められるかが大事になってきます。
●要件を文字に落とし込むスキル
要件定義の担当者がシステムの設計をイメージできているだけでは意味がありません。そのイメージを開発メンバーに正確に伝える必要があります。正確に情報を伝えるためには、要件定義の内容を文章化して伝えるスキルが求められます。開発メンバーにわかりやすく伝えられるように、文章だけでなく図なども積極的に利用してみましょう。
要件定義に必要なスキルを磨く方法
要件定義に必要なスキルを見ていきましたが、このスキルを磨く方法としては以下のものが挙げられます。
-
ITスキルの学習と理解
-
定期的にレクリエーションなどの催しを実施する
-
ヒアリング技法を磨く
-
準備段階で、業務・業界について深く理解する
-
文章力・アウトプット能力を磨く
●ITスキルの学習と理解
要件定義を作成するうえで、ITスキルは必須です。いくら業務や業界に関する知識が豊富にあっても、要求定義された内容を技術的に実現可能なのかは、ITに関する知識がなければ判断できません。判断できるようにするためにもITの学習と理解は必要不可欠です。要件定義を作成する担当者は、日々進化するIT技術の学習に努め、技術的な理解度を磨くようにと努めましょう。
●定期的にレクリエーションなどの催しを実施する
レクリエーションを通じて要件定義の担当者と開発メンバーとの仲を深めることが大切です。要件定義はただユーザーの要求をまとめるものではなく、まとめた内容を開発メンバーに伝える必要があります。正確に情報を伝えていくとなると、要件定義の担当者と開発メンバーとである程度の人間関係を構築することが大事になってきます。学校のグループワークで話すようになってから話しやすい友達ができるように、レクリエーションを通じて話しやすい関係を作っていきましょう。
●ヒアリング技法を磨く
要件定義はユーザーの要求を正確にくみ取って初めて提案ができ、内容を擦り合わせることができます。そのため、要件定義の第一歩としてヒアリング技法を磨くことが大事です。自分のことを話すのが好きな方は、普段の会話の中で相手の話を聞くなど、相手から話を引き出すことを意識して会話してみてください。
●準備段階で、業務・業界について深く理解する
ヒアリングができたら、今度はユーザーの要求に対する提案を行っていくのですが、ユーザーの勤める業務・業界についての知識がないと提案できません。そのため、準備する段階で業務・業界についてしっかりと調べておくことが大切です。過去のデータに似たような業務・業界のシステム開発の案件があれば、その内容を参考にしてみてください。
●文章力・アウトプット能力を磨く
要件定義の内容を開発メンバーに伝えるために文章化していくのですが、正確に文章を伝えるために、文章力・アウトプット能力を磨く必要があります。あくまでも伝えやすさが大事であるため、中高生でもわかるように文章化することを意識すると良いです。ついつい堅苦しい言葉を使ってしまうという方は、なるべく柔らかい言葉を使ってアウトプットすることを意識してみてください。文字をアウトプットする習慣がない方は、時事ニュースの感想を書くところから着手すると良いでしょう。
要件定義はプロジェクト成功の鍵
要件定義はいわばシステムを開発するために必要な心臓部分を構築する細胞のようなものです。それだけ要件定義はシステム開発のプロジェクトが成功するかどうかの鍵を握っているものだといえます。そのため、要件定義は事前に念入りな準備を進めたうえで、ほかのタスクに支障が出ない範囲でなるべく時間をかけて慎重に進めていくことが重要です。
そして、実現可能なユーザーの要求が反映された要件定義になるように、ヒアリングスキルや担当する業務・業界の知識などをアップデートし続けていってください。今回まとめた要件定義の準備から完成までの流れやその間に必要なスキルなどを参考に、ユーザーから支持される要件定義の担当者を目指していきましょう。
システム開発の最適な発注先をスムーズに見つける方法
システム開発会社選びでお困りではありませんか?
日本最大級のシステム開発会社ポータルサイト「発注ナビ」は、実績豊富なエキスパートが貴社に寄り添った最適な開発会社選びを徹底的にサポートいたします。
ご紹介実績:22,000件(2024年10月現在)
外注先探しはビジネスの今後を左右する重要な任務です。しかし、
「なにを基準に探せば良いのか分からない…。」
「自社にあった外注先ってどこだろう…?」
「費用感が不安…。」
などなど、疑問や悩みが尽きない事が多いです。
発注ナビは、貴社の悩みに寄り添い、最適な外注探し選びのベストパートナーです。
本記事に掲載するシステム会社以外にも、最適な開発会社がご紹介可能です!
ご相談からご紹介までは完全無料。
まずはお気軽に、ご相談ください。 →詳しくはこちら
システム開発会社選びはプロにお任せ完全無料で全国4000社以上からご提案
■システム開発に関連した記事