普段、Webを利用するとき、気づかないうちにサーバからサービスの提供を受けています。
メールを送受信する際にはメールサーバ、スマートフォンでニュースを読むときにはWebサーバなど、用途によって必要なサーバはさまざまです。
では、自社でインターネットサービスを提供する際、どのようなポイントに注意してサーバ構築を行えば良いのでしょうか。
今回はサーバ構築の概要や基礎知識から、実際にサーバ構築する際のポイント、注意点などをご紹介します。
目次
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サーバとは?
サーバは、主にインターネットサービスを提供する企業が構築しています。そもそもサーバとは、どのような機能を提供するコンピュータなのでしょうか。
●サーバの意味
サーバは英語で「server」と表記し、「サービスを提供するもの」と訳されます。その名の通り、ユーザーからの何かしらの要求に対して、サービス提供するもののことです。
例えば、現在見ているWebページもサーバが活躍しています。ユーザーのPCやスマートフォンからChromeやFirefoxなどのWebブラウザを通じて、Webページの情報をサーバへ要求します。サーバはその要求に対して、Webページを表示するのに必要な情報を提供しています。
●2種類のサーバ
サーバが理解しづらい理由のひとつは、ハードウェアとソフトウェアの2種類が存在することです。サーバにおけるハードウェアは、ソフトウェアやデータベースを格納する場所です。
一方、ソフトウェアはWebサーバ、データベースサーバ、メールサーバ、ファイルサーバなどデータを保管する場所で、正しく処理するためのプログラムを指します。「サーバOS」と呼ばれることもあります。
サーバの種類
一般的に「サーバを借りる」というときには、ハードウェアのほうのサーバを指します。ここでは、サーバを用意する際に、知っておきたい「共有サーバ」「VPS」「クラウドサーバ」「専用サーバ」の4つのサーバの特徴についてお伝えします。
●共有サーバ(レンタルサーバ)
共有サーバは1つのサーバに対して、レンタルしている複数人で利用するサーバです。メリットは月額数百円から利用できる価格の安さです。
しかし、共有での利用のため、ほかのユーザーの影響を受けやすくなります。例えば、共有サーバでWebサイトを動かしている際に、共有サーバにあるほかのWebサイトがアクセス過多や悪意のある攻撃によってWebサイトが落ちてしまった場合、自分のWebサイトまで被害を受けて落ちてしまう可能性があります。
また、ひとつのサーバでOSやミドルウェア、アプリケーションを共有で利用するため、OSのアップデートやアプリケーションのカスタマイズは基本的にできません。
●VPS(Virtual Private Server)
VPSは専用サーバとして利用できるクラウドサーバです。サーバのOS上に複数の仮想サーバを作り、それぞれに割り当てるため、共有サーバのようにほかのユーザーの影響を受けることはありません。
VPSサーバのメリットは、ユーザーがroot権限(管理者権限)を提供されることです。root権限があればユーザーがサーバを初期化したり、OSをゼロから構築したりというカスタマイズが自由に実行できます。
ただし、個人でのサーバ構築が前提のため、各自でメンテナンスが必要です。例えば、OSのバージョンアップやソフトウェアに脆弱性が発生した場合、自身で対処を行う必要があります。
●クラウドサーバ
クラウドサーバはVPSサーバによく似た特徴を持ちますが、さらにカスタマイズ性・拡張性が高いサーバです。クラウドサーバのメリットはVPSと同じように仮想サーバが割り当てられることですが、VPSよりも性能が高く、CPUやディスク領域など拡張できる範囲はより広くなります。
デメリットは拡張性が高い分、価格が高いという点です。月額課金制と従量課金制のサービスがあるため、必要なときだけ使うようにすると、ある程度料金を抑えられます。
個人での設定やメンテナンスが必須で、サーバに関する深く広い知識が必要です。
●専用サーバ
専用サーバは、サーバ1台を専有して使用する方法です。ほかの利用者がいないため、サーバにどのようなソフトウェアをインストールするか、ソフトウェアの設定をどうするかまで、すべてを自由にカスタマイズできます。CPUやディスク領域も自由に変更できるため、ハイスペックな機能を有します。
1台のサーバを丸ごと専有するため、4つのサーバの中で最も高額です。個人でのサーバの設定やメンテナンスが必須で、クラウドサーバやVPSサーバ以上に知識とスキルが必要となります。
サーバの構築方法
サーバ構築とは、特定のサービスを提供するシステムや環境を作ることを指します。メールを送受信したい場合にはメールサーバを構築し、Webサービスを利用する場合にはWebサーバを構築します。その際にデータベースが必要であれば、データベースサーバも構築します。
VPSサーバやクラウドサーバ、専用サーバの場合には、サーバの構築が必要です。サーバ構築は一般的にはインターネットサービスを提供する企業が構築していますが、個人でサーバを購入、もしくはレンタルして構築することも可能です。サーバ構築は、提供するサービスの目的に合った必要なソフトウェアやアプリケーション、ミドルウェアをインストールすることで行います。
サーバ構築を行うと、提供するシステム内で利用方法に合ったサービスを作ることが可能で、限定された回線でファイルなどの情報を共有することもできます。例えば、企業の社内のみで共有できるファイルの設置や、新人だけがアクセスできるファイル、上級職だけがアクセスできるファイルなど、ファイルごとにユーザーのアクセス制限を設定することも可能です。
サーバ構築で重要なポイント
サーバ構築の概要を理解した上で、実際にサーバ構築を行う前に知っておきたい重要なポイントをご紹介します。
●目的に合ったサーバ選び
サーバ構築では目的に合ったサーバ選びが大切です。サーバによっては、設置場所やOSの種類、性能、セキュリティなどに大きく影響します。
例えば良い性能を求めて、社内の10人程度しか利用しないにもかかわらず、100万人が同時接続できるような高スペックサーバを選定しても、コストが高くなるだけで非効率的です。
反対に、100万人がアクセスする可能性のあるWebサービスで低スペックサーバを選定した場合には、「一部の人がアクセスできない」「アクセスできたユーザーに対してもレスポンスが遅くなる」といった問題が発生します。
●セキュリティ設定
サーバ構築にあたっては、サービスの提供だけでは不十分です。サービスの提供と同様にセキュリティ設定を強固にする必要があります。DDoS攻撃やSQLインジェクションなどのサーバ攻撃をされても、情報を守れるように万全のセキュリティ対策を行いましょう。
そのためには、ユーザーや運営者全員が全ファイルにアクセスできるようにするのではなく、サーバ自体の権限でアクセス範囲を制限した設計にすることが有効です。
●安定した運用設定
サーバを構築したら、それで終わりではありません。安定したサーバ設計・運用を行いましょう。安定していなければ、構築したサーバが落ちてしまうことがあります。無駄がないように稼働率100%を目指しながら、同時接続数や利用者数をこまめに確認して、足りなくなるようであれば早めにサーバ設備の増築を行うなどの継続した運用設定が重要です。
サーバ構築は、まず目的に合ったサーバ選びから
サーバ構築では、目的に合ったサーバ選びが大切です。
性能が低すぎるサーバでは満足にサービスを提供できませんし、高性能すぎるサーバではランニングコストが高くなってしまいます。
また、コスト面だけに注目してサーバ構築を行うと、セキュリティが疎かになって、個人情報の流出などのトラブルが発生し、結果的に高いコストを支払わなければならなくなるという事態も想定されます。
近年、インターネットサービスを提供する企業の多くが、レンタルサーバのサービスを用意しており、安価なレンタルサーバから高価な専用サーバまで幅広く提供しています。
まずは提供したい機能を洗い出し、目的に合った最適なサーバ選定を行ってから、的確なサーバ構築を実施しましょう。
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