ECサイトを運営している企業では、以下のようなお悩みを抱えていることも多いのではないでしょうか?
「出荷管理システムの機能にはどんなものがあるの?」「出荷業務の誤配送をゼロにするには?」「出荷の遅れを解決するには?」
出荷業務は受注量が増えると、作業量が増加するだけでなくタスク管理も複雑になります。そのような悩みを解決できるのが出荷管理システムです。出荷管理システムにより従来Excelで行っていた出荷業務が一元管理されるため業務を効率化できます。また、誤配送や出荷遅れなどの悩みにも対応可能です。
今回は、出荷管理システムの導入でできること、出荷管理システムの代表的な機能、システム導入で効率化が期待できる業務などについて解説します。
目次
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出荷管理システムの導入でできること
「出荷管理システム」とは、顧客から注文を受けた商品をミスなく出荷するための管理業務をシステム化したものをいいます。出荷管理の主な業務は「出荷するまでの準備に関する業務」と「出荷後に正しく出荷されたか記録管理する業務」で、出荷システムの導入により滞りなく運用できます。また、ECサイトとの連携も可能なため「入荷」「受注」「出荷」などをスムーズに行えるといえそうです。
出荷管理システムの導入でできることは、以下の4点です。
●人的ミスの削減
出荷管理システムの導入により「出荷指示のミス」「ピッキングの際の商品取り間違い」など、数値のズレや認識の違いがなくなり人的ミスを削減できます。従来の出荷業務は商品をバーコード管理しておらず、すべて手入力で管理していました。そのため、誤配送が多く顧客からのクレームにも対応する必要がありました。
出荷管理システムの導入により商品管理が自動化されるため誤配送の問題もなくなります。その結果、顧客満足度の上昇にもつながるでしょう。
●コストの削減
出荷管理システムにより、出荷業務に関するアナログ作業をデジタル化できます。さらに、倉庫で在庫を探す作業負担を減らせるため人件費削減も可能です。また、属人化していた倉庫作業も誰でも簡単にできるため、残業時間を減らせます。その結果、中小企業の人手不足を解消し大幅なコスト削減にもつながるでしょう。
●在庫状況をリアルタイムで確認/h3>
現在の在庫状況をリアルタイムで確認できるため、在庫不足や機会損失を防ぎ、コストの最適化が可能です。従来は紙で在庫管理を行っていたため、人為的なミスがあったり資材コストがかかったりしました。
出荷管理システムでは在庫状況をリアルタイムで確認できるため、在庫のズレもなく棚卸しもスムーズにできます。経営視点からも、適正在庫や回転率を把握できるためキャッシュフローの改善が可能です。また、経験や勘に頼っていた業務を数値で分析できるようになります。
●業務の効率化
電話やメールなどアナログの作業がなくなることで業務の効率化にもつながります。注文データが自動で出荷システムに取りこまれるため、そのまま自動出荷指示が可能です。出荷完了後は、発送完了メールも自動で送られます。
従来はアナログ作業がメインだったため、受注管理やピッキング作業に毎日多くの時間を費やし業務を圧迫していました。出荷管理システムの導入により、出荷作業が自動化され作業時間を大幅に削減できます。「残業を削減できる」「テレワークを推進できる」などの効果があり、従業員の満足度も向上すると考えられます。
出荷管理システムの代表的な機能
出荷管理システムには、在庫管理、倉庫管理、入荷・入庫、受注、出荷予定、ピッキング、検品・送り状・納品書作成など様々な機能があります。従来のExcelや納品書での入荷作業は、手入力によるミスがあったり正確な記録ができなかったりなどの問題がありました。出荷管理システムはこのような属人的な出荷業務を自動化し、効率的に行うことができます。
出荷管理システムの代表的な機能は下記の通りです。
●入荷・入庫管理機能
「入荷・入庫管理機能」は、履歴を正確に記録することで入荷のズレや入荷ミスを改善できる機能です。
入荷・入庫管理機能には、下記の機能があります。
機能 | 内容 |
---|---|
入荷ズレ・入荷ミスの改善 | ・入荷予定の事前登録と納品書によるカウントで入荷ズレ・入荷ミスを改善できる |
バーコード検品 | ・アプリのカメラでのバーコードスキャンにより入荷検品と在庫追加作業を同時にできる |
ラベルプリンターへの対応 | ・ラベルを発行できる |
検索による入荷履歴の活用 | ・ミスがあった時に入荷の履歴を追える |
入庫業務の正確性 | ・入荷した商品のロケーションをアプリで紐づけできる ・現場の担当者が倉庫内の商品配置を記録できる |
ロケーションの登録 | ・ピッキングや棚卸しを効率的にできる |
複数拠点の在庫管理 | ・拠点間の在庫移動がスムーズにできる |
●在庫管理機能
「在庫管理機能」によりスマホやPCで在庫確認できます。ShopifyなどのECカートとの連携により倉庫の在庫をECサイトにアップロードできます。在庫管理機能でできることは下記です。
機能 | 内容 |
---|---|
フリーロケーション管理 | ・スマホで入荷商品を棚番・ロケーションに紐づけられる |
在庫管理 | ・スマホで在庫確認ができる |
複数拠点の在庫管理 | ・複数拠点の在庫管理に対応しているため在庫の予測を立てられる |
在庫管理の標準化 | ・在庫操作を標準化して複数のスタッフで在庫確認ができる |
在庫変動履歴 | ・在庫にトラブルがあった時、在庫変動履歴を確認できる |
ラベル印刷 | ・バーコードがない商品にバーコードを自動でつけられる ・ラベル印刷できる |
ロット管理 | ・ロットごとの在庫数管理や不良品の特定ができる |
有効期限管理 | ・有効期限が切れた在庫の保管場所を把握できる |
CSV出力 | ・出荷・入荷・商品など目的に合うCSVの出力ができる |
●出荷・出庫機能
「出荷・出庫管理機能」は受注・出荷予定の登録やピッキング・検品と追跡番号管理ができる機能です。「出荷・出庫管理機能」には以下の機能があります。
機能 | 内容 |
---|---|
受注・出荷予定登録 | ・顧客からの受注後、出荷予定を登録できる ・在庫の変化を把握し最適な在庫量の確保ができる |
出荷指示 | ・倉庫担当者に出荷をスマホで指示できる |
納品書作成 | ・出荷予定に登録したオーダーの納品書を作成できる ・ギフト・ポイント対応など様々な条件をつけられる |
宅配送り状作成 | ・ヤマト運輸・佐川急便に対応した送り状を作成できる |
バーコード検品 | ・納品書・送り状をアプリのカメラでバーコードスキャンできる |
追跡番号の記録 | ・送り状に記載の追跡番号をスキャンできる ・追跡番号を紐づけて記録できる |
出荷グループ | ・出荷をグループで管理できる |
出荷ステータス | ・「送り状未発行」「伝票番号未反映」「出荷確定待ち」に分けて管理できる |
ギフト対応 | ・納品書の金額を非表示にできる |
価格リスト | ・卸先ごとに決められた商品価格に変更できる |
ピッキング | オーダーピッキング・マルチピッキング・トータルピッキングに対応 |
システム導入で効率化が期待できる業務
出荷管理システム導入で効率化が期待できる業務は以下の5点です。
●出荷指示書の作成
出荷管理システムでは、スマホを使って出荷指示書の作成が可能です。従来はデータ入力ではなく紙面でやり取りしていたため、時間がかかりました。システム導入により、担当者がどこにいても出荷指示が出せるようになります。
●出荷準備と必要書類の作成
出荷管理システムにより、出荷準備と必要書類の作成がスムーズになります。出荷には納品書・納品書控え・受領書・領収書が必要ですが、従来はExcelで処理していたため作業に時間がかかりました。出荷管理システムは作業が簡単なだけではなく、入力ミスも防げます。
●出荷納品
受領書・納品書と照らし合わせ確認した後に、配送業者への荷物の引き渡しを行います。顧客に荷物を引き渡す時、確認してもらうのは納品書・納品書の控え・受領書です。受領書に捺印をもらい、領収書と納品書の控えを受け取ります。
●売上伝票の作成
納品後には伝票自動生成機能を使って売上伝票を作成します。売上伝票に必要な項目は「売上日」「出荷番号」「商品名」「金額」などです。
●取引の記帳
売上確定後、売上伝票と受領書をもとに帳簿に記帳します。トラブル防止のため受領書は保存しておきましょう。仕訳帳を自動作成してくれるシステムもあります。
出荷管理システムの導入を検討したほうが良いタイミング
出荷管理業務にかかわる問題を解決する手段として、出荷管理システムの導入がおすすめです。出荷業務で欠品や納品ミスなどのトラブルが発生すると、顧客の信頼を失い口コミの評判も落ちてしまうかもしれません。トラブルをカバーするための人材も必要となり、商機も逃してしまうことにもなりかねません。
以下の点について「出荷管理が適切に行われていない」「出荷管理を効率的に行いたい」と感じた場合、出荷管理のシステム化を検討してみましょう。出荷管理システムの導入により情報の共有化が可能になりデータ入力のミスも削減できます。
●注文のキャンセル・追加対応が多い
出荷管理業務は複数の部署が対応しなくてはなりません。社内の情報が共有されていない場合、顧客からの注文のキャンセル・追加対応が多いと納期が遅れたり納品ミスが発生したりします。その結果、売上を上げるチャンスも逃してしまうでしょう。
特にExcelなどで管理している場合、毎回手入力しなくてはならず、時間と手間がかかります。出荷管理システムは情報を一元管理できるため、複数部門の情報共有化に対応可能です。
●現場の業務効率の低下を感じる
出荷業務では下記のように管理者が適切に指示を出していないため、現場が混乱して業務効率が低下している場合があります。
-
ロケーションルールが曖昧
-
出荷指示が口頭での伝達のみで指示内容が不明確
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倉庫内が煩雑
-
ベテランスタッフへの過度な依存
出荷管理システムは出荷に関するすべてのデータを管理できるため、適切な出荷指示を出せます。
●受注から出荷まで時間がかかってしまう
受注管理のフローは以下の通りです。
- 受注しデータ入力
- 在庫確認し、顧客への納期の伝達
- 受注伝票の作成とデータ入力
- 出荷業務
上記のフローがルール化されていなかったり、むだがあったりすると出荷まで時間がかかります。具体的な問題は「倉庫での在庫確認に時間がかかる」「紙面でやり取りする」などです。出荷管理システムにより上記フローを仕組み化できるため、出荷業務を最適化できるでしょう。
出荷管理システムの導入で気をつけたいこと
出荷管理システムを導入する場合どのような点に気をつけたら良いのでしょうか?
気をつけたいポイントは下記の2つです。
●導入コストがかかる
出荷管理システムを導入する場合、サポート費用・機器のメンテナンス費用・人件費などの運営コストがかかります。導入する場合、自社の目的や予算に合うシステムを選びましょう。特に注意すべきポイントは費用対効果です。
費用対効果の判断 | 内容 |
---|---|
アナログな管理方法と比較する | ・アナログ:ソフトウェア代・ホワイトボード代・消耗品代 ・システム:導入費用・人件費 |
自社との相性 | ・出荷管理システムはシステムによって機能が異なる ・自社のフローと相性が合うシステムを導入する ・開発を外部委託する場合、要求を実現できる開発会社を選ぶ |
サポート体制 | ・サポート体制が不十分な場合運用までに時間がかかる ・クラウド型には体験版がある ・体験版の場合セキュリティ面もチェックする |
●システムを使いこなすまでに時間や労力がかかる
出荷管理システムは使いこなすまでに時間や労力がかかります。最初は操作に慣れないため作業効率が落ちる可能性もあるでしょう。システム導入後は業務フロー・確認事項・システムの操作方法など、すべての環境が変わります。そのため、社員教育の徹底が必要です。そのため、社員教育機関中は業務への対応が困難になります。また、窓口担当であるシステム部門担当者の負担も増えるでしょう。
費用相場や導入のポイントについては、以下のページでご紹介しています。
在庫管理システムの費用相場とは?システムに必要となる機能などを徹底解説!
上手にシステムを導入して業務効率化を図ろう
出荷管理システムとは、顧客から注文を受けた商品をミスなく出荷するための管理業務をシステム化したものです。出荷管理システムを導入すると「人的ミスの削減」「コスト削減」「在庫状況をリアルタイムで確認」「業務の効率化」などのメリットがあります。
「入荷・入庫管理機能」「在庫管理機能」「出荷・出庫機能」など便利な機能があり、出荷業務の様々な問題を解決できるのです。ただし「コストがかかる」「システムを使いこなすまでに時間や労力がかかる」などのデメリットもあります。システムによって機能が大きく異なるため、自社に最適な出荷管理システムを選ぶことが重要です。
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