「発注ナビ」にご登録いただいている開発会社の皆様が発注ナビの導入に至った経緯、その使用感、そして導入後のビジネスの変化は、どのようなものだろうか。SOLASTER株式会社でIT部門のトップを努めるアレックス氏、発注ナビの利用を担当する徳永氏の両名にお話を伺った。
社名 | SOLASTER株式会社 |
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所在地 | 東京都千代田区神田錦町3-23 メットライフ神田錦町ビル2F |
従業員数 | 1 – 30名 |
事業内容 | ロボット開発・販売事業 / 貿易事業 / オフショア開発事業 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
非ITビジネスでのコネクションや、エンジニア個人のつながりで受注していたが、さらなる事業拡大には限界があった。社内にはITの営業担当を置いていないので、何らかの案件マッチングサービスの導入を検討していた。
- 導入後の効果
当初はオフショア開発専門の案件マッチングサービスを検討するも、自社のスタイルに合わず、発注ナビを導入し、わずか1カ月間で初受注に成功した。エントリー順やコスト競争ではなく、商談による提案で受注に結びつけられるのが好印象で、6カ月間で2案件の受注に至っている。
企業システムとロボットシステムを得意とする技術集団
SOLASTER株式会社はロボット開発・販売事業、貿易事業、オフショア開発事業などを手掛ける会社として2021年に設立された。と、言っても同社の歴史は長く、もともと貿易業など非IT分野においてロシアや東欧圏との間でビジネス基盤を確立しており、現地で築いたネットワークを活かしIT事業に進出すると共に新たに同社を設立したという。
同社IT部門のトップを務めるアレックス氏は、ウラジオストクにある極東大学で日本語を学び北海道教育大学への留学経験もあるため日本語も堪能。また同大学卒業後、カリフォルニア大学バークレー校(UCB)へ進学し情報工学を専攻。UCBは、AIXやHP-UX、FreeBSD、あるいはMac OS Xなど、さまざまなOSの源流となるBSD(バークレー・ソフトウェア・ディストリビューション)版UNIXを生み出した名門でもある。UCB卒業後、カリフォルニアにある日系大手電機メーカーの研究所で3年ほど勤務したのち来日した。
「米国にある日系大手電機メーカーで働いている頃から日本はエンジニアが足りないと聞いていたので、日本でのIT事業はビジネスチャンスになるだろうと感じていました」(アレックス氏)
アレックス氏は、来日後も同メーカーの携帯電話事業部にて、モバイル系のソフトウェア開発の仕事などをする一方で、英国においてデータ分析関連のスタートアップ企業を立ち上げるなど、起業についても経験。そしてSOLASTER設立に参加した。
SOLASTER社のIT系事業部門は大きく2つに分かれている。
1つはWebシステムや業務システムなどのシステムソフトウェアを開発する部門だ。
「これまでにいくつかのスタートアップ企業に携わってきたこともあり、企業内で必要とされる各種システムについては一通り触れてきました。そうした知見を活かし、お客様に最適なご提案ができるものと思います」(アレックス氏)
もう1つは水中ドローンをはじめさまざまなロボットの開発を行う部門だ。
「ロボット開発関連では、メーカー製ロボットのインテグレーションサービスを中心に行っています。たとえば水中ドローンは、さまざまな用途に用いられます。水中のナビゲーションや、水中映像のシェア、水中のゴミをマッピングして情報をシェア、泳いでいる魚の種類を識別させてシェアなど、いろいろなことができます。そうした用途に応じたソフトウェアの開発やシステムインテグレーションを行っています」(アレックス氏)
同社はほとんどが外国人スタッフで構成されており、その中で唯一の日本人スタッフが徳永氏。そのため、徳永氏はプロジェクトマネージャーとして活躍する一方で、日本における顧客との窓口的な役割も担っている。
また、同社は海外オフショア開発も行っており、ウラジオストクに現地開発拠点も持っている。同地は日本との時差が少ないため日本とのやりとりに時間がかからず、また理数系に強い人材が多いというメリットがあるという。
自社のビジネスにフィットするサービス
そんな同社は、設立してしばらく非IT分野の顧客のつながりや、アレックス氏の個人的なコネクションを利用してシステム開発の受注を行ってきた。しかし、さらなる事業拡大のためには、新たな営業先を開拓していく必要があった。
「当初はコネクションを頼って案件を獲得していましたが、さらに事業を拡大していこうとなると、コネクション頼みだけでは限界でした」(アレックス氏)
そこで案件マッチングサービスを利用することになった。
「最初はオフショア開発を見据えて、オフショア開発専門のマッチングサービスを検討しました。しかし、そこで紹介されている案件は、当社が期待していたものとは違うもので、思うような結果は残念ながら得られませんでした」(徳永氏)
どちらかというとオフショア開発先を探す開発会社からの案件が多く、顧客課題をヒアリングし、要件定義~基本設計~詳細設計~製造~テスト~納品を行っていくという同社の開発スタイルにはマッチしなかった。そこで、一般的な案件マッチングサービスで受注し、自社のオフショア開発先を活用していこうという結論に至った。
「発注ナビは、契約前にどんな案件があるのか見ることができ、契約後にサービスを利用するイメージがより具体的になりました。しかも、案件内容がきちんと書かれているのも非常に好印象でした」(徳永氏)
発注ナビでは、発注企業に対して、IT知識を持つスタッフが事前にヒアリングを行い、可能な限り案件内容を明らかにした上で、案件情報として流している。そのため、発注企業がどのような課題を抱え、どのようなシステムで何がしたいのかが、把握できるようになっている。
「発注ナビを運用する側としては、案件にエントリーする際に、案件内容を上長に説明しやすいというメリットもあります(笑)」(徳永氏)
結果として発注ナビの一択となった。
導入1カ月で受注に成功! 5割の成約率!
同社は2021年9月に発注ナビを導入、翌10月には案件の受注に成功している。
「10月のエントリーは56件、うち10件のお客様を紹介してもらい、商談に漕ぎつけたのが5件でした。商談まで進めたのが全エントリーの約1割、紹介してもらった案件で言えば5割ということで、成約率は良いのではないかと思います」(徳永氏)
最初の受注は公益財団法人からの依頼で、東南アジアの学校の子どもたちを支援するためのWebサイトのリニューアルを希望していた。
「私はかつてカンボジアに住んでいたことがあり、現地の子どもたちの教育における課題や日本からのどのような支援がされているかは、多少なりとも理解はしています。そういった背景から私自身も非常に提案がしやすく、コスト面も含めて結果的に当社を選んでいただけました。競合他社様もいらっしゃったので、当社に決まった時は非常に嬉しかったですね」(徳永氏)
発注ナビの魅力は、エントリー順や価格競争一辺倒などになりにくいところで、きちんと商談をし、システム提案をした上で受注に結び付けられる点だ。
同社としても、技術力や提案力で選んでもらえる発注ナビのスタイルが自社にマッチしていると感じているそうである。
同社は2022年3月までの6カ月間で計2件の案件を受注している。
「もう1件はゲームアプリの開発です。エントリーに際しては、自社が保有しているスキルセット、マッチング、リソースなどを総合的に見て、できる限りエントリーするようにしています」(アレックス氏)
他社の動向を教えてもらえるのが魅力
好調なペースで受注する同社だが、商談において何か特別な工夫はしているのだろうか。
「私自身が“顧客のファン”になってから商談に臨むことを第一に心がけています。できれば最初のご連絡から打ち合わせまで2、3日ほど時間を頂き、お客様の事業内容や規模などをある程度調べます。少々手間はかかりますが、馴染みの無い業界や事業だとお話の内容が薄くなりがちなので、身のある商談をするには必要だと考えています。」(徳永氏)
「お客様が発注する際にISO対応が条件になることがあります。そのためISO準拠の開発体制を整えています」(アレックス氏)
また、徳永氏は発注ナビの良い点を挙げてくれた。
「発注ナビ側の担当者と定期的な打合せができるのは、とても良いですね。受注に向けたアドバイスをもらえるほか、同じお客様にアプローチしている他社さんの状況なども教えてくれます。競合する案件マッチングサービスでは、こうしたことは教えてくれません」(徳永氏)
発注ナビではカスタマーサクセスと呼ばれる、発注企業様の専任担当が付き、定期的に打合せを行う。その際に、受注にうまくつなげられないお客様へのアドバイスや、商談中の案件について競合他社の動向なども案内している。
品質とコストで勝負!実績を積み上げ事業拡大を目指す
そんな同社だが、今後はどのようにビジネスを展開していこうとしているのだろうか。
「当社はオフショア開発を採用しているため、エンジニアを中心に海外拠点におりますが、現地で働くメンバーは親日家も多く、技術も確かです。たとえば現地で開発されたソフトウェアのソースコードは、その美しさが高く評価されているほど。また、中心となる拠点のウラジオストクは日本との時差がほとんどありません。現地とのやりとりに無用なオーバヘッドが発生しないため、効率の良い開発が行えます。当社としては、品質とコストを前面にアピールしていきたいと考えています」(徳永氏)
「まだまだ若い会社なので、まずは成功事例をたくさん作って、信頼を獲得していきたいですね。ステップバイステップで実績を積み上げ、事業を拡大していければと考えています」(アレックス氏)
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