「発注ナビ」にご登録いただいている開発会社の皆様が発注ナビの導入に至った経緯、その使用感、そして導入後のビジネスの変化は、どのようなものだろうか。有限会社YUKINE COMPANYの代表取締役CEOである岡田雄吏氏にお話を伺った。
社名 | 有限会社YUKINE COMPANY |
---|---|
所在地 | 大阪府大阪市中央区南久宝寺町2-5-10 ルネシアガーデン101号 |
事業内容 | 業務系WEBシステム開発・アプリ開発・ホームページ制作 |
掲載カテゴリ |
- 導入前の課題
開発事業スタート当初は、社員も少人数だったこともあり、リファラル営業で順調に案件が獲得出来ていた。大型案件の受注に伴い、エンジニアを増員したことで、案件終了後は、リファラル営業では、案件獲得できる数に限界があった。
- 導入後の効果
導入後、すぐに2件の受注に成功。うち1件は一番高い見積金額を提出したにもかかわらず、自社の技術力をきちんと評価してもらい、受注につながった。案件のトレンドや、発注企業の予算感を把握するのにも役立っている。また、受注に至らずとも、大手企業とのコネクションができるというメリットも感じている。
医療業界やスマートグラス・AI画像解析に大きな強み
有限会社YUKINE COMPANYは1979年に設立されたシステムソフトウェアの開発会社で、一般的なシステムソフトウェアの開発に加え、スマートグラス用のアプリケーションやAIを用いた画像解析などに強みを持っている。
しかし同社が本格的にシステムソフトウェア開発を手掛けるようになったのは2018年からだという。
「もともと私の父が病院経営していまして、その関係で、当社が設立されました。私が入社する2018年まで、当社はコンタクトレンズの卸し売りと、法人の不動産管理等を行っていました」(岡田氏)
事業開始当初は、岡田氏、エンジニア、デザイナーの3名でスタートしたという。
「ソフトウェア開発は経費の大半は人件費なので、事業リスクは少ないと判断し、また、既存事業で築いた医療関係の取引先から一定数の受注が見込めたので、スタートから1年程は3名体制で細々と事業を進めていきました」
同事業がソフトウェア開発事業を本格化させたのは、ある開発依頼がきっかけだったという。ソフトウェア開発を始めて1年が経過した頃、大型の開発依頼が舞い込んできた。しかし、3人体制では圧倒的に人手が足りず、エンジニアを募集したところ、優秀なエンジニアが多数集まり、パートも含めると総勢20名体制にまで規模が拡大した。
「3人体制の頃は、積極的に仕事を取りにいく必要性を感じていませんでした。リファラルで十分以上に開発案件を受注できていましたから。しかし、採用したエンジニアのためにも、さらなる案件受注を考えるようになりました。幸いなことに、これまでの仕事で対応可能な開発案件の幅が広がっていたので、営業スタッフも採用し、広く外部に受注先を求め、本格的に取り組んでいくことにしました」
当初は既存顧客に向け、新たな提案を行うなどの営業活動を行ったが、全くの新規開拓となると、何らかの足掛かりが必要だった。
「いま、営業スタッフにとって営業以外の仕事が多過ぎます。会社にアプローチして商談をするだけでなく、ご提案の資料や見積もりの作成、場合によっては簡単なプログラミングを覚えて、商談の場で簡単な画面を作りながらご提案していくこともあります。そうなると、どこかを効率化しなければなりません」
一連の業務の中で最も非効率的な部分が、潜在ニーズを求めて、新規顧客開拓をしていく部分だった。そこで、何らかの案件マッチングサービスを導入することにしたという。
「最初に導入したのは発注ナビとは別のサービスでした。開発企業がDMを一斉送信するというスタイルで、本当に意味があるのだろうか?という疑いもあったのですが、そのサービスは月額1万円で無料お試し期間もあったので、ちょっとやってみようということになりました」
すると、利用開始から1カ月で、いきなり1件受注できたという。
「その間に150件ぐらいエントリーしました。それで分かったのが、エントリー数の上限が決まっていて、早い者勝ちという方式は、当社にとっては不利だということでした。朝メールが来て、エントリーしようと思っても、すでにエントリー数の上限に達していて参加できないということが少なくありませんでした。人的リソースが潤沢ならば、それでも良いかもしれませんが、そのために何人も張り付かせておくわけにはいきません」
そのようなときに社内から「発注ナビはどうだろうか」という声があがったため、発注ナビにも無料登録し、利用を開始したという。
発注ナビに魅力を感じた3つのポイント
「発注ナビを使ってみて3つの点が気に入りました。第一は、エントリーから締切まで1日の猶予があり、締め切り時間までにエントリーができれば選定の対象になること。また、発注企業様の情報を紹介する開発企業の数が、平均4~5社程度という点です。これなら早い者勝ちにならず、かつ多くの開発会社の中に埋もれてしまうこともありません」
発注ナビでは、発注企業から詳しくヒアリングした内容を案件情報として公開し、それに対してエントリーのあった開発企業の中から厳選かつ公平に平均4~5社に対して、発注企業の具体的な連絡先を紹介する。これにより、発注企業に連絡が殺到してしまうことを避け、発注企業と開発企業とが落ち着いて中身のある商談ができる環境を実現している。同社は、提案力で競える発注ナビのシステムが気に入ったという。
「第二は、発注ナビに寄せられる案件の予算感です。ほぼ法人のお客様で、予算も案件に見合った額であることが多く、お客様の本気度が伺えます。他社サービスでは個人のお客様からの少額な発注案件も多かったため、余計にそう感じるのかもしれません」
これは同社が抱いた印象という面も大きいかもしれないが、複数のサービスを併用した上での率直な感想とも言えるのではないだろうか。
「第三は、事前にもらえる新着案件情報の内容が具体的なところです。実は、同じ案件が発注ナビと他社サービスに掲載されていたのですが、案件内容の情報についての粒度は、発注ナビのほうが細かく紹介されており、お客様の希望が把握しやすかったということがありました」
発注ナビでは、発注企業からのヒアリングを、IT知識を持つ担当者が聞き取り、案件情報として紹介している。そのため、案件の内容は可能な限り具体的、かつ、技術的な要望も取りこぼすことなく網羅するように努めている。
以上、同社が発注ナビを気に入った理由だ。
また、発注ナビでは、開発企業それぞれに専任アドバイザーがつく「カスタマーサクセス」という制度があり、受注率向上に向けた相談やアドバイス、紹介案件の商談に関する進捗状況の案内などを行っていることも気に入っているようだ。
一番高い見積もりなのに受注!決め手は金額ではなく意外なところにあった
同社が本格的に発注ナビを利用し始めたのが2021年11月で、初受注は12月だった。
「1件目は公立の医療機関からのご依頼でした。こちらはすでに研究費が降りていたそうで、年度内に開発しなければならず、即決でした。すぐに結果が出たことにも驚きました」
2件目は外食産業向けの専門商社からの依頼だったが、同じく11月中に連絡し、結果、受注に至ったのは翌年の3月だったという。
「これは後からお客様に聞かされたのですが、当社が一番高い見積もりを出していたそうです(苦笑)」
他社よりも高い見積もりを出していたにも関わらず、同社が受注に至ったのには、実は理由があった。
このとき、発注企業側では、新たなシステムを発注する前に、既存システムのデータのバックアップを取りたいが、難しい部分がありうまくいかずにいたのだという。そこで、最初、発注先として考えていた開発会社に相談したが、「できない」と言って、やろうともしてくれなかったそうだ。
「当社が商談に伺った際に、同行した当社のエンジニアが、お客様からバックアップの件を聞き及び、その場であっという間にバックアップを取り、問題を解決してしまいました」
発注企業の担当者は悩んだそうだ。見積もり金額が高いのには相当の理由があるのではないか、と。
「当社は、お見積りの時点で、先方の会計士から難色が示されていたそうです(苦笑)。しかし、担当者は、課題をその場で解決した当社に発注したいということで、かなり悩まれたそうです」
そして、いろいろ検討していくうちに、助成金をうまく活用すれば何とか予算内に収まるということがわかり、晴れて同社への発注が決まったという。
「当社には、困難な課題を何とか自分の手で解決したいというエンジニアが集まっています。たとえ受注できなくとも、目の前で困っている人がいれば、何とかしたくなってしまうという性格が幸いしました(笑)」
今後はスマートグラス分野にも進出を
発注ナビを導入には、受注以外にも効果があったという。
「流れてくる新着案件を眺めていると、世間ではこういうものが求められているのか、ということが良くわかります。新聞記事よりもリアルで具体的なトレンドが把握できますね」
また、発注企業と開発企業の予算感のギャップもよくわかるという。
「案件内容と予算を見ていると、発注企業側では、どういったシステムにどれだけの費用がかかると考えているのかが良くわかります。もちろん、その予算では難しいというものもありますが、逆に、そのシステムにそこまでの費用はかからないのではないか、というものも少なくありません」
さらに、コネクションが広がるというメリットも貴重だ。
「商談を通じて、舞台美術大手の企業や、誰もが知っている大手総合商社などとも知り合うことができました。これは当社の規模では、なかなか難しいことですが、発注ナビというサービスが間に入ることで可能になりました」
そんな同社は、現在、メガネ型のウェアラブルデバイスであるスマートグラスやVRゴーグルのソフトウェア開発、ハードウェア自体の販売などにも乗り出そうとしている。
「この分野は以前からやりたいと考えていました。当社は、AIによる画像認識などの経験もあり工場の検査装置のソフトウェア開発なども手掛けています。そうしたノウハウと組み合わせて、医療分野、機械分野での応用なども検討しています」
マイクロスコープを覗き込みながら手術をする医師に、さまざまな情報を提供したり、機械の保守作業中にマニュアルを閲覧したりといった、両手がふさがった状況での情報閲覧のほか、VRゴーグルを使った360°見られる施設紹介などにもチャレンジしていきたい考えだ。
「スマートグラスの1週間無料貸出しサービスも行っています。ご興味のあるお客様は、ぜひご相談ください」
■関連リンク
■導入事例インタビュー
パーソルAVCテクノロジー株式会社 |
||