今回は、CMS構築の失敗事例」について。
あらかじめ運用フローを決めておこう
外注の場合でも担当者にはネットリテラシーが必要
定期的に追加コンテンツを準備しよう
はじめに
手軽に始められる≠安易に始めてもいい
CMS(Contents Management System)とは、webサイトのデザイン、画像、文章などを一括してコントロール・編集できるツールです。CMSを使うと、HTMLなどの知識やデザインスキルがなくても簡単にwebサイト(ブログなど、さまざまなデジタルコンテンツを含む)の管理・更新ができてしまうため、多くの企業で導入が進められています。
しかし、「手軽に始められる」ということと「安易に始めてもいい」ということは違います。コーポレートサイトなどをCMSで安易に構築してしまったため、かえって会社の信用や評価を落としたり、とんでもない誤解を招いてしまったりということも考えられます。
ここでは、CMS導入に関する典型的な失敗事例を原因別に3つにまとめてご紹介しましょう。
運用フローを決めないまま見切り発車
CMSでwebサイトを運用していくには、コンテンツを準備しなくてはなりません。コンテンツに使用する画像やテキストは誰が準備するのか、そして誰がCMSを管理するのかといった役割分担やルールづくりを曖昧にしたまま見切り発車するのは非常に危険です。
また、コンテンツの内容については誰が責任を持つのか、チェックや監修は誰が行うのかといった管理フローを決めておくことも大切です。
「他者が著作権を持っている写真を無断で使ってしまった」
「コンテンツ内の文章が剽窃(コピペ)だった」
「コンテンツのチェック段階で社内に根回ししていなかったため、社外秘の情報を公開してしまった」
など、場合によっては会社に大損害を与えたり、訴訟問題にまで発展してしまう危険性すらあります。コンテンツ制作→チェック→公開に至るまでの、一連の運用フローはしっかり練ってマニュアル化しておきましょう。
担当者がリテラシー不足でトラブル続出
「CMS構築は外注に任せ、コンテンツの更新だけを社内で行う」または「担当者はコンテンツの材料だけを準備して外注先に渡し、出来上がったコンテンツを担当者がチェックする」といった体制でサイトを運用する場合があります。
こういう場合、担当者にはwebデザインの実務能力は必要ありません。しかし、インターネットの仕組みやwebサイトの特性について、またHTMLやCSSなどに対しての基礎的な知識があまりにも不足しているとトラブルの原因になります。
たとえば、webサイトの新着情報などは「新しい情報をどんどん上に足していき、古いものは下にさげていく」のが常識です。しかしネットリテラシーのない人の場合、「ノートや書籍などと同じく、新しい情報はどんどん下に書き加えていってくれ」などという指示を出してしまうかもしれません。「webサイトは、見て欲しい情報ほどページ上部に表示させるべき」という原則を知らないとこうなりかねないのです。
外注先がこの指示に従ったとすると、ページに表示される新着情報はいつも古いまま(テキストは文頭から表示されるため)で、誰が見ても「長い間何の更新もなされていないサイト」に見えてしまいます。
担当者は日頃からいろいろなwebサイトを見て勉強し、センスを磨いて的確な指示が出せるようになっておかなくてはなりません。
配信するコンテンツがない
「CMSを導入してwebサイトを運営する」と決めても、具体的にどんなコンテンツを配信するのかを決めないままスタートすると、たちまちコンテンツ不足に陥ります。
「これからさまざまな情報を発信していきます」とだけ書かれ、いつまでたっても何の情報も発信されないwebサイトほど寂しいものはありません。
CMSはコンテンツをマネジメントすることはできますが、コンテンツを自動的に制作してくれる機能まではありません。「無理なく、定期的に増やしていけるコンテンツ」のあてがないうちはWebサイトを公開するべきではありません。
おわりに
実際に使うシーンを想定して、使いこなせるCMSを選びましょう。
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