ファイル転送サービスの費用相場や算出方法は？選び方もご紹介

ファイル転送サービスとは、クラウド上にある共有ファイルを利用してデータやファイルの送受信を行うサービスです。簡単な操作を行うだけで、低コストで大容量ファイルを送ることができる便利なツールです。無料のものも複数あり、上手に使うことでコスト削減や作業効率もアップすることができます。
ファイル転送サービスのメリット・デメリット、費用相場やツールの上手な選び方を紹介します。

 

目次

 

 

ファイル転送サービスはデータのやりとりで重宝する

ファイル転送サービスとは、クラウド上にある共有のストレージファイルを保存し、Web上でファイルを送信するサービスです。動画や画像などのメガ・ギガ単位の大きなデータは、容量の制限を受け、メールに添付して送るのは難しいです。かといってデータを保存したCD-ROMやUSBを郵便で送るのは盗難リスクや、送り先に到着するまでに時間がかかってしまうのがネックです。

そこでファイル転送サービスの活用です。サーバー上でファイルを共有したり、メールにデータを添付したりすることで瞬時にデータを送ることができ、さらにセキュリティの心配をすることはありません。

 

ファイル転送サービス導入のメリット

ファイル転送サービスには様々なメリットがあります。まずは容量の大きいデータを送れることです。データの容量が大きすぎると、ほかの媒体にデータを移して送付するか、もしくはデータを分割してメールで送るなどの方法が考えられます。しかし送るまでに手間暇がかかり、また、送付先の会社もデータをいちいちパソコンにデータ移し替えたり、分割されたデータを結合したりと作業的な負担を強いられてしまいます。

ファイル転送サービスを利用することで、時間をかけずにデータを送ることが可能になり、作業時間と手間を削減できます。

そして、安全なセキュリティ下でデータのやりとりもできます。ファイル転送サービスはセキュリティに重きをおいたサービスが多いです。そのためデータの漏洩や盗難といったリスクを心配することなく、データの送信・受信が可能です。

 

ファイル転送サービスの費用相場

ファイル転送サービス費用は、

販売元が提供するサービス内容とプラン料金によって変わってきます。販売会社名は伏せますが、初期費用・月額使用料・サービス内容を比較してみると、大きな差があることがわかります。

販売会社	初期費用	月額使用料	サービス内容
システムA	5万円前後	約2万円	5人・送付データ容量1TBまで使用可
システムB	無料	1万円前後	20人・送付データ容量2GBまで使用可

初期費用は固定されていますが、月額料金は容量とアカウント数によって変動します。ここでいう容量とは送れるデータの限界容量のこと、アカウント数はサービスを利用できるユーザーの数です。 月額使用料は容量とアカウント数が多ければ多いだけ支払う料金が増えることを、留意しておきましょう。

 

ファイル転送サービスの比較ポイント

ファイル転送サービスを選ぶ時は、ポイントを押さえることが大切です。ファイル転送サービスを比較する時のポイントを紹介します。特に意識すべきなのが以下の3点です。

• セキュリティ面の安全性

• 送信可能なファイル容量

• 継続利用の時のコスト

 

●●セキュリティ面の安全性

ファイル転送サービスは、自社の大事な情報を送受信するために使用します。そのため、情報漏洩をしないための十分なセキュリティ対策をする必要があります。特に、機密情報を扱っている法人が利用する場合は、セキュリティ対策だけでなく内部統制の面においても十分な対策が必要です。セキュリティ機能が豊富で、安全性の高いものを選ぶようにしてください。

 

●送信可能なファイル容量

ファイル転送サービスは、送信可能なファイルの容量に制限がある場合があります。特に容量の多いファイルを送ることがある場合には、一度にまとめて送信できる容量の上限を確認しておきましょう。いざ送信する時に容量オーバーになってしまうと、分けて送らなければならなくなります。そのため、事前の容量の確認は必須です。

 

●継続利用の時のコスト

ファイル転送サービスの多くは、月額料金がかかります。月額料金については前述したように、容量とアカウント数によって変動します。さらに付属する機能や追加オプション次第で、さらに料金が加算されます。継続利用する場合のコストはサービスによって異なりますが、事前に確認しておくことが大切です。ユーザー数や容量、セキュリティ面や機能を考慮し、自社に最適なものを選択しましょう。

 

ファイル転送サービスにもデメリットがある

ファイル転送サービスは確かに優れたサービスですが、「サービスのセキュリティは機能に依存しがち」「受け手のセキュリティ次第で開けない」のようなデメリットがあります。デメリットもしっかりと把握し、デメリットを補うためにサービス機能を厳選することをおすすめします。

 

●サービスのセキュリティは機能に依存しがち

ファイル転送サービスは自社でセキュリティの設定や制御はできません。その理由は、セキュリティの対策はサービスもとの運営会社が行うからです。サービスを選ぶなら、サービスのセキュリティ機能の豊富さやサービスのセキュリティ実績を比較しましょう。

 

●受け手のセキュリティ次第でデータを開けない

社内でのセキュリティを強化している企業が多く、外部からのメールのリンクを開くことに制限を設けているケースがあります。その理由は、添付ファイルにウイルスが仕込まれていることを想定し、サイバー攻撃を未然に防ぐためにファイルの開封を制限しているからです。その場合は、アップロードしてもファイルのダウンロードはできません。

サービスを導入した時は、取引先やその他関係各所と連絡をして、サービスでのデータのやりとりを行うことを伝える必要があります。

 

チェックすべきファイル転送サービスの機能3選

ファイル転送サービスを選ぶ時、どのような機能に注目して選んだら良いのでしょうか。ここでは、ファイル転送サービスの代表的な機能を以下の3つご紹介します。

• セキュリティ対策機能

• 内部統制に活用できる機能

• そのほか便利機能

 

●セキュリティ対策機能

ファイル転送サービスを利用する時というのは、会社の大切な情報を扱うケースがほとんどです。情報漏洩防止のため、セキュリティ面の確認は必要不可欠です。ただし一口にセキュリティ対策機能といっても、複数の機能があります。

ファイル転送サービスにおける主なセキュリティ対策機能は以下です。

• 権限付与：許可を得たユーザーでなければファイルの閲覧や編集は不可能にする機能

• ダウンロード制限：ダウンロードの回数を指定する機能

• 監査ログ：ユーザーが操作するログを保存する機能

• 暗号化：送受信するファイルを暗号化して不正な閲覧を防止する機能

• IPアドレス制限：使用できるユーザーをIPで制限する機能

• アカウントロック：一定回数パスワード入力を間違えるとロックがかかる機能

• バックアップ機能：災害などアクシデントに供えたリカバリー機能

機能が豊富なツールは安全性が高いといえますが、その分料金もかかります。自社で必要だと考えるセキュリティ機能を絞ってサービスを選びましょう。

 

●内部統制に活用できる機能

ログ機能が備わっているものが良いでしょう。理由は、送受信やダウンロードなどの履歴の確認や、ユーザーのログアーカイブを残すことが可能だからです。

「誰が」「いつ」「どこに」「何を」送ったのかをログで残すことで、自社の資料全体を管理・把握しやすくなります。ファイル転送ツールの中には、特定認証機関と連携して履歴を証明できるサービスを導入しているものもあります。

 

●そのほかの便利機能

ファイル転送サービスは機能の種類が豊富です。あれもこれも欲張るのでなく、自社に合ったものを選ぶ必要があります。

例えば、多言語対応機能です。ファイルの送受信を行う相手は、国内だけとは限りません。海外との取引が多い場合には、備わっていると便利な機能です。中には、ある特定の地域への送受信に特化しておりファイルの転送や共有を安定化することができる製品もあります。

次に収集機能です。収集機能とは、ファイルを収集するスペースを確保することができ、指定した相手にアップロードしてもらうことができる機能です。送受信のやりとりを行う相手がファイル転送サービスを利用していなくてもやりとりが可能な便利な機能です。相手にデータのアップロード先を伝えると受信ができる効率的な機能です。

そして、一括登録機能です。ユーザー登録を一括で行うことができる機能であり、大規模な利用を行う企業に向いています。一括登録が可能になると、システム管理者の負担を減らすことができます。

 

ファイル転送サービスは無料のものと有料のものがある

ファイル転送ルールには、無料のものと有料のものがあります。「無料なら気兼ねなく導入できる」と考える方もいると思いますが、一筋縄ではいきません。無料か有料かによって、活用できる機能やセキュリティに差があるからです。

 

●セキュリティレベル

ファイル転送サービスの無料サービスと有料サービスの大きな違いは、ウイルスチェックやアクセス制限などのセキュリティに関する機能です。会社の大切な資料を送受信するため、セキュリティレベルは重要です。有料サービスのほうが、セキュリティ機能が豊富に備わっており、サービスも多くなっています。無料のもので、セキュリティ面をカバーしているものもありますが、それでも万全とはいえません。

 

●送れるデータ容量の差

無料のサービスと有料のルールでは、操作のしやすさに違いが出るケースが多いです。特に送れるデータ容量に大きな差があります。有料サービスは無料サービスと比較すると転送可能なデータの容量が大きいため、一度に大きなファイルを送ることができます。無料のサービスの場合は、ファイルを分けて送らなければならないケースがあるため、何度もアップロードをしなければならなくなり、作業時間に差が出てしまいます。

 

●運用におけるサポート

無料のサービスには、運用におけるサポートがないものがほとんどです。一方、有料のサービスにはサポートがあるため、導入にあたって不明なことがあれば問い合わせて解決することができます。社内に詳しい人材がいる場合にはサポートが必要ない場合もありますが、自社の大切な資料を扱う時は、サポートがあったほうが安心です。

 

まとめ

ファイル転送サービスは、低コストで大容量のデータやファイルの送受信ができる便利なツールです。無料のものも多いため、手軽に導入することができます。会社の情報のやりとりを行うため、セキュリティレベルが高いツールを選ぶとリスクを低くすることができます。ただし、情報漏洩リスクはゼロではありませんので、ご注意ください。セキュリティレベル・容量・操作のしやすさが、ツールを選ぶ時のポイントです。費用は無料～数十万円程度と低コストで導入が可能です。自社に合った使いやすいものを選び、コスト削減や業務効率化を図りましょう。

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