情報システム業務は、企業の根幹ともいえるルーティンワークを含む大切な業務です。情報システムが滞れば全体の業務にも影響してしまうため、スムーズな作業が求められます。しかし、社内で対応すれば担当者に負担がかかり作業効率も良くありません。そこで活用したいのがアウトソーシングです。情報システム業務は、一部もしくは全部を専門業者に委託することが可能です。今回は、情報システム業務をアウトソーシングする場合の費用相場や業者の選び方を紹介します。
目次
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情報システム業務の種類
情報システムとは、企業の日常業務において重要な情報の記録や処理、伝達などを行う仕組みを指します。日々の業務では多くの情報が飛び交い、作業が煩雑になりがちです。しかし、情報システムの活用によって、様々な情報を関連付けて管理できるため、効率良く業務を進められます。情報システム業務をスムーズに行うためには、システム管理をサポートするサービスが必要です。ここでは、情報システム業務における主な5つを紹介します。
●クライアント・サーバ管理
クライアント・サーバ管理は、サーバが問題なく稼働しているかを確認するのが主な業務です。例えば、サーバ内にはデータベースやファイル、メールなど共有資源を管理する箇所が複数あります。これらのサーバが想定通り機能しないと、業務全体に支障をきたします。そのため、安定して運用できるように、定期的に確認をする必要があります。そのほか、入退職者のメールアカウト管理やログインID・パスワードの管理など細かな作業もクライアント・サーバ管理で行う業務です。また、セキュリティ対策や保守点検なども実施しなければなりません。
●ログ監視と性能監視
ログ監視とは、管理している情報の中に問題がないか確認することを指します。ログ監視を導入するとPCの使用履歴が明らかになるため、情報漏えいを防ぐことが可能です。万が一、トラブルが発生しても原因を突き止めやすくなる特徴があります。アプリケーションの使用履歴だけではなく、スイッチの動作状況も確認できるため、システム障害が起こった際にもスムーズな復旧に役立ちます。
性能監視では、サーバのCPUやメモリー、ディスクの状態を監視することで、システムの動作が悪くなった場合に原因を見出すことができます。事前に予見して対応する際にも役立ち、スムーズなシステム運用に貢献する作業です。
●ライセンス管理
一般的に、ソフトウェアを購入する際には使用許諾契約書を交わします。PCやスマートフォンなど多くのソフトウェアを使っていると、意図せず不正利用をしてしまい、違約金を請求されたり訴訟問題に発展したりする可能性もあります。こうしたリスクを避けるために必要なのが、ライセンス管理です。
そのほか、必要のないソフトウェアにライセンス料金を払い続けているケースも少なくありません。ライセンス管理を行うことで、無駄なくソフトウェアを利用できるためコスト削減に繋がります。
●機器のリプレース
情報システムも長く使い続けていると劣化したり、業務内容に見合わなくなったりします。業務効率を上げるためには、新たなシステムを導入することも必要です。一般的に、リプレースとはハードウェアを含めたすべてのシステムを一新することを指します。
機器のリプレースは、壊れる前に行うことが大切です。しかし、作業をする際には、従業員の業務に支障が出る可能性も考えられます。できる限り支障を最小限に抑えることも、情報システム業務において重要なポイントです。
●障害対策
情報システムは社内全体で利用する仕組みであり、障害が起きた場合の対策を整えておく必要があります。障害の状態を正確に把握し、いつどこで現象が起こったかを見極めなければなりません。
万が一、故障が発生したら交換をするのも障害対策業務の1つです。サーバが壊れた場合は部品交換、ネットワークに不具合が生じた場合は、本体を交換するケースが多いでしょう。メーカーとの保守契約もきちんと交わしておくことが大切です。メーカーによっては、予備機を代替してくれるケースがあるため、いざという時の保険になります。ソフトウェアにトラブルが起きた場合は、エラー要因を切り分けハードウェアやOSも確認します。特に、自社の業務内容に合わせてカスタムした場合エラーが起こりやすいため、エラーメッセージを読み解き要因を探る作業も、障害対策で行う業務です。
情報システム業務をアウトソーシングできる範囲
情報システム業務は、社内全体の情報システムに関する業務を担うため、広範囲の業務を行わなければなりません。これらの業務を大きく分けると、次の見出しに挙げる4パターンに分類されます。社内の負担を軽減させるためには、アウトソーシングも1つの手段であり、これらの業務はすべて外注が可能です。続いては、情報システム業務のうち、アウトソーシング可能な4つの業務について詳しく解説します。
●社内PCの管理
社内で導入されているPCの管理全般も、情報システム業務の1つです。状態を把握、問題があれば対応しなければなりません。例えば古くなったPCを新たに入れ替える場合は、機器の調達や設定などを行います。セキュリティ対策や内部不正の監視、コンプライアンス遵守なども大切な業務です。
●ヘルプデスク
社内のIT業務におけるヘルプデスクとしての機能もあります。PCを使った作業では、ソフトウェアの障害やハードウェアの不具合、使い方に関する問い合わせなど様々なトラブルや相談が予想されます。スムーズに業務を行ううえで、社内のヘルプデスクは非常に重要な役割を担っており、社員研修におけるPC関連のレクチャーもヘルプデスクの仕事です。
●ネットワーク・サーバ構築・保守
企業内では、複数のPCやサーバがネットワークによって繋がっています。一部で不具合が起これば、業務全体が滞る可能性もあり得ます。日々、滞りなくPCが稼働するようにネットワークを設計、構築するのも情報システム業務の仕事です。万が一、トラブルが発生した場合も、速やかに復旧する必要があります。
●情報システムの企画・開発
社内の業務を効率化させるために、情報システムの企画や開発を行うのも情報システム業務の1つです。情報システムの性能次第で、業務改善やコスト削減が実現するケースは多いにあり得えます。社内のニーズをリサーチして、より良い仕組みを作り上げる仕事は、企業を発展させるうえでも大変重要です。開発したシステムがスムーズに運用できるようにサポートし、リスクを回避する保守も行います。
アウトソーシングすることのメリット・デメリット
情報システムは業務範囲が広く煩雑なため、うまくアウトソーシングを活用することで効率化が図れます。一方で、アウトソーシングにはメリットだけではなくデメリットもあるため、外注する前に把握しておくことが大切です。情報システムをアウトソーシングのメリット・デメリットを解説します。
●アウトソーシングのメリット
情報システム業務は、社内のPC環境を整えスムーズな運用や保守が目的です。しかし、担当者はあまりにも広範囲の業務を担うため、少人数のではカバーしきれないケースが考えられます。アウトソーシングであれば情報システム担当者の負担を軽減することができます。また、社内で発生した問題も専門家のサポートによりスムーズに解決できるため、社内全体の作業効率も上がりブラックボックス化・属人化を回避できるでしょう。
さらに、情報システム業務は専門的な知識が必要であり、社内で賄うためには一定のスキルを持った人材を確保しなければなりません。アウトソーシングをすることで、情報システム担当者の人件費や採用コストを抑えられる点もメリットといえます。
●アウトソーシングのデメリット
アウトソーシングの場合、情報システムに関するノウハウは外注先に依存してしまうため自社で蓄積できません。万が一、委託できなくなった場合に、トラブルが発生しても対応しきれなくなる可能性があります。
アウトソーシングが広く普及していることもあり、情報システムの管理を請け負っている業者も多数あります。スキルや対応内容は多岐にわたるため、費用が適正に設定されているかを判断しづらい点も、アウトソーシングのデメリットといえるでしょう。
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アウトソーシングする場合の費用相場
情報システムは業務内容が広範囲にわたるため、すぐにでもアウトソーシングを利用したい企業は多いでしょう。アウトソーシングの場合、一部もしくは全体を外注することが可能です。業務や事業規模に合わせて依頼できますが、気になるのが費用相場でしょう。アウトソーシングにかかる費用について、料金体系と相場を解説します。
●料金体系
情報システムにおけるアウトソーシングの多くは、月額で利用料金が決められています。一般的に、毎月決まった額で情報システム全般をサポートする「月額制」と、問い合わせ件数や工数によって費用が変わる「従量制」に分類されるため、依頼する内容によって慎重に選ぶことが大切です。また、定額制と謳っている場合でも、サーバの台数が多い場合は料金が加算されるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。
●費用相場
情報システムをアウトソーシングする場合、業務内容や企業の規模、対応件数が様々です。規模が小さい企業であっても、使っているシステムによっては難易度が上がるケースも考えられます。費用相場も依頼内容によって異なるため一概にはいえません。
一般的には、日々の定型業務に該当する運用や保守を依頼する場合は、比較的リーズナブルな設定になっています。しかし、業務に合わせたシステムの企画・開発を依頼する場合は、高度な作業となるため費用も高額になるでしょう。目安としては、以下の費用相場が一般的です。
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ヘルプデスク:月額5万〜100万円
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テクニカルサポート:月額10万〜150万円
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システムの企画開発:内容によって異なる
以上の目安からもわかるように、情報システムのアウトソーシングにかかる費用相場には開きがあります。そのため、依頼する際は複数社から見積もりを取るようにしましょう。
アウトソーシング先の選び方
業務の効率化を狙って情報システム業務をアウトソーシングに出すのであれば、先に触れたメリットを最大限に活用する必要があります。そのためには、以下に挙げる8つのポイントを押さえておくことが大切です。
●情報漏えいの保険に加入している
情報システムで扱う内容は機密性の高いものばかりです。中には、従業員のプライバシーや取引先に関する情報も含まれているため、情報漏えいは必ず避けなければなりません。万が一、漏えいしてしまえば損害問題に発展してしまうこともあります。アウトソーシングをする場合は、情報取扱に関するポリシーが明確になっている業者を選ぶ必要があります。問題が起きた場合に対応することも考えて、情報漏えいの保険に加入しているかどうかも大切なポイントです。
●自社に合った設計・提案をしてくれる
情報システムをアウトソーシングに出すと、これまで利用していたソフトを変えなければならない可能性もあります。しかし、使い慣れたソフトを変えると、従業員の作業に支障が出るため、できるだけ変更せずに依頼したいものです。アウトソーシングをする際は、これまでのソフトが使えるかどうか、自社に合う設計を提案できるかを踏まえて選ぶ必要があります。
●料金が明確である
情報システム業務は非常に広範囲にわたるため、委託内容によって費用が様々です。そのため、複数の業者に見積もりを取るのが望ましく、その中からより明確な料金設定を提示した業者を選ぶと、後になってトラブルになりにくいでしょう。料金が不明瞭なまま契約してしまうと、必要のないサービスが入っていたり依頼したと思っていた業務内容がオプションになっていたりと、思わぬ費用がかかる可能性があります。
●迅速に対応してくれる
情報システム業務は企業の根幹を担う作業が多く、円滑に行わなければなりません。レスポンスが遅い業者に依頼すると、必要な時に適切な対応ができなくなり、業務に支障をきたすでしょう。また、トラブルが発生した場合も、できるだけ迅速な対応が求められます。アウトソーシングに出す場合は、スピード感を持って対応してくれる業者を選ぶことが大切です。
●エンジニアの専門性が高い
情報システム業務はヘルプデスクや不具合の対応、システム開発など専門的な要素が含まれています。業者によってはメインとなる業務はこなせても、専門的なスキルが乏しい場合も少なくありません。アウトソーシングに出す際は、業務内容に対応できるスキルがあるかどうかを見極めるようにしましょう。
●トラブルにも対応してくれる
情報システムに関する機器は利便性が高まっている反面、複雑化も進んでいます。そのため、イレギュラーな事態が起こりやすく、トラブルに繋がるケースもあります。こうしたトラブルに柔軟な対応ができる業者であれば、安心して依頼できます。業者によって対応できる範囲が異なるため、事前に確認しておきましょう。
●コミュニケーションがスムーズに取れる
情報システムが滞ればすべての業務に影響が出るため、アウトソーシングの場合も円滑なコミュニケーションが大切です。レスポンスが早い業者であれば、万が一の事態でも速やかに対応してくれます。コミュニケーションが取りやすい業者かどうか見極めると良いでしょう。
●実績がある
コミュニケーションが取りやすく料金が明確だとしても、いざ作業に入ってみたらうまくいかないケースも考えられます。こうしたトラブルを避けるために大切なのが、実績を確認することです。自社が依頼したい内容とアウトソーシング先の対応実績が近ければ、期待通りのサポートが受けられる可能性が高いです。反対に、実績が明記されていない業者は、業務の質が低い可能性があるため注意しましょう。
アウトソーシング先を選ぶポイントはわかったけれど、まず「開発会社をどのようにして探したらいいかわからない」「日頃の業務に忙しく探す時間がない」という場合は、確かな実績を持った専門企業を紹介してくれるマッチングサイトの活用がおすすめです。「発注ナビ」では業界を熟知した専門スタッフが、丁寧にヒアリングをし、貴社にマッチした会社を紹介します。ご相談から見積もりまで完全無料で行っていますので、お気軽にご利用ください。
失敗しないアウトソーシングにするには?
質の高い業者にアウトソーシングを依頼したとしても、自社内における課題が残っていればいまくいかない可能性があります。情報システムにおけるアウトソーシングを成功させるためには、以下に挙げるポイントを押さえることが大切です。
●自社の課題を明確にする
業者のスキルが高くても自社の課題が明確になっていなければ、アウトソーシングの効果を発揮することができません。まずは、情報システム業務を自社内で行った場合にかかる時間を、数字で把握できるようにしておきましょう。「見える化」することで、工数がかかり過ぎている作業が浮き彫りになります。そのうえで理由を明確にすると、アウトソーシングに依頼する際に頼みやすくなります。
●委託企業と内容について確認する
情報システムに関する業務は多岐にわたるため、アウトソーシングをする場合は委託先と内容をすり合わせておかなければなりません。業務内容やセキュリティに関する取り決め、責任の所在についても明確にしておきましょう。細かな点が曖昧になってしまうと、後になってトラブルに繋がりかねません。委託する際には情報の取扱ポリシーや情報漏えいに関する保険について、必ず確認しておくことが大切です。
●長期的な視点で考える
情報システムの多くは日常的なルーティンワークです。依頼する際は、長期的な視点で考えた時に、安心して依頼できる業者を選ぶことが大切です。また、アウトソーシングをすると、情報システムに関する知識やスキルを業者に依存してしまうことになります。万が一、依頼した業者との関係が悪くなり別の業者に依頼することになれば手間がかかります。自社で対応せざるを得なくなった場合もノウハウが蓄積されていないため、困難を極めることになります。こうした背景からも、長期的な関係を築ける業者を見極める必要があります。
●金額だけで判断しない
情報システムのアウトソーシングにかかる費用は、業者によって差があります。単純に安さで依頼すると、品質が伴わない可能性も考えられます。また、対応範囲が狭く依頼した多くの作業がオプションとなり、追加料金を取られることも少なくありません。委託先を選ぶ際は、複数社に見積もりを依頼し作業費用を詳細まで比較することが大切です。
情報システムに関するアウトソーシングや開発会社を探すのであれば、自社に適した会社に依頼することが重要です。しかし、数ある開発会社の中から、最適な会社を見つけるためには時間や手間がかかります。そこでおすすめしたいのが「発注ナビ」です。
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