バックアップとは?データを守る基本と活用方法を解説

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バックアップとは?データを守る基本と活用方法を解説のイメージ図

デジタルデータは、写真や連絡先のような個人の記録から、企業の取引履歴や契約書まで、生活と仕事の土台になっています。けれども、端末の故障や誤操作、サイバー攻撃、災害はいつでも起こりえます。そこで必要になるのが「バックアップ」。いざという時に復旧できるよう、あらかじめデータのコピーを安全な場所へ保管しておく基本の対策です。本記事では、バックアップの意味から具体的な方法、運用のコツまでを順に解説します。

 

目次

 

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システム開発「はじめの一歩」ITのプロから学ぶ基礎知識

この資料でわかること
・システム開発の流れ
・専門用語の解説
・開発手法によるメリット・デメリット
・失敗を防ぐコツ

 

バックアップの意味と必要性

バックアップの第一歩は、「何を」「なぜ」守るのかをはっきりさせることです。定義を押さえ、必要性を実感しておくと、あとで方法を選ぶ際に迷いにくくなります。

 

●バックアップの定義

バックアップとは、パソコンやスマートフォンに保存したデータをコピーして、元の場所とは別の安全な場所に保管する行為を指します。作成した複製データそのものを「バックアップ」と呼ぶこともあります。

対象は幅広く、家族の写真や動画、連絡先、重要なメール、アプリ設定など個人データはもちろん、企業では顧客情報データベース、会計データ、取引履歴、技術資料、契約書など、事業の根幹を支える情報が含まれます。失うと復元が難しい、あるいは不可能なものが多いといえるでしょう。

 

●バックアップが必要な理由

データを脅かすリスクは身近にあります。たとえば次のような場面です。

  • 機器の故障や経年劣化:HDDやSSD、スマホのフラッシュメモリには寿命があり、突然の故障も起こりえます。

  • 誤操作や不具合:ファイルの誤削除や上書き、OSやアプリの不具合で破損することがあります。

  • サイバー攻撃:ランサムウェアによりファイルが暗号化されても、ネットワークから切り離した安全なバックアップがあれば復旧できます。

  • 自然災害や不測の事態:地震・火災・水害・盗難・停電などで機器が使えなくなることがあります。

  • 企業の信用維持と事業継続:データ損失は業務停止や信頼低下、法的トラブルにつながります。適切なバックアップは事業継続の要といえます。

このように、バックアップは「故障対策」にとどまらず、「攻撃や災害からの防御策」「信用を守る手段」として欠かせません。

 

バックアップの種類

方法は大きく3つ。復元のしやすさ、所要時間、保存容量のバランスが異なるため、特性を理解して組み合わせるのがコツです。

 

●フルバックアップ

対象のデータを毎回すべてコピーする方法です。復元がシンプルで確実という強みがあります。一方、毎回の処理時間が長く、保存容量も大きくなりがちです。そのため、定期的なフルと他方式の併用が現実的でしょう。

 

●差分バックアップ

初回のフルバックアップ以降、「前回フルから増えた・変わった分だけ」を保存します。復元は「直近のフル」+「目的時点の差分」の2つで済むため比較的容易です。ただし、フルからの経過が長いほど差分のサイズが大きくなり、時間も容量も増えます。

 

●増分バックアップ

「直前のバックアップ(フルまたは増分)から変わった分だけ」を保存します。日々の処理が軽く、容量も節約できますが、復元時は「直近のフル」+「そこから目的時点までの全増分」が必要になり、手順が複雑になります。

項目 フル 差分 増分
バックアップ時間 長い 徐々に長くなる 短い
ストレージ消費 大きい 徐々に大きくなる 小さい
復元の容易さ とても容易 比較的容易 複雑
復元に必要なファイル 直近のフルのみ フル+目的時点の差分 フル+関連する全増分

 

スマホのバックアップ方法

スマホには写真・連絡先・アプリ設定など、失いたくない情報が集まります。iPhoneとAndroidの基本を押さえておきましょう。

 

●iPhoneのバックアップ

iCloudに保存する方法

Wi-Fi接続下で手軽にバックアップでき、自動化も可能です。

手順の一例:設定アプリ → 名前(Apple ID) → iCloud → iCloudバックアップ →「このiPhoneをバックアップ」をオン。

iPhoneが「電源に接続」「Wi-Fiに接続」「画面ロック中」の3条件で毎日自動バックアップされます。すぐに実行したい場合は「今すぐバックアップ」を使いましょう。なお、iCloudの無料容量は5GBです。足りない場合は有料プランを検討します。

 

パソコンに保存する方法

大容量データも気にせず保存できます。

  • Mac(macOS Catalina 10.15以降):USBで接続 → Finder → デバイスを選択 →「iPhone内のすべてのデータをこのMacにバックアップ」。
  • Windows:USBで接続 → iTunesを起動 → デバイスアイコン →「このコンピュータ」→「今すぐバックアップ」。

どちらも「ローカルのバックアップを暗号化」を有効にすると、パスワードやヘルスケア情報など機密データも守れます。

 

●Androidのバックアップ

Googleアカウントを利用

設定アプリ → Google → バックアップ →「Google One バックアップ」をオン。アプリデータ、通話履歴、連絡先、SMS、設定などが自動的にクラウドへ保存されます。Wi-Fi接続・充電中・一定時間操作なしの状態で実行されるのが一般的です。

 

写真や動画の保護

「Googleフォト」でバックアップと同期をオンにすれば、撮影データを自動でクラウドに保存できます。端末の空き容量確保にも役立ちます。

 

パソコンにファイルをコピー

USBで接続し、内部ストレージやSDカードから必要なファイルをPCへ直接コピーする方法も有効です。特定のフォルダだけ確実に残したいときに向いています。

 

パソコンのバックアップ方法

OS標準機能は、誰でも始めやすい第一歩です。加えて、クラウドなど遠隔地のバックアップを組み合わせると安心感が高まります。

 

●Windowsの基本

  • ファイル履歴(File History):ドキュメントやピクチャなどユーザーフォルダを定期的に保存します。誤削除や上書きの際に過去版へ戻せます。
  • システムイメージバックアップ:「バックアップと復元(Windows 7)」からOS・アプリ・設定・ファイルを丸ごとスナップショット保存。ディスク故障や起動不能時でも、バックアップ取得時点の環境に戻せます。※システム全体のバックアップは、専門ソフトを使う選択肢もあります。

 

●Macの基本(Time Machine)

外付けストレージを「バックアップディスクとして使用」すると、あとは自動で保存されます。過去24時間は1時間ごと、過去1か月は1日ごと、それ以前は1週間ごとのバックアップを容量が許す限り保持。復元はTime Machineを起動し、画面右のタイムラインから目的の時点を選んで「復元」を押すだけです。

 

●ハイブリッド戦略のすすめ

ローカルだけに依存すると、盗難や火災で本体と外付けHDDが同時に失われる恐れがあります。Time Machineやファイル履歴とあわせて、クラウドストレージなどオフサイトのバックアップを併用すると、単一障害点を避けられます。

 

バックアップに使える保存先

保存先は用途・容量・頻度・予算で選びます。代表的な5つの保存先を紹介します。

  • 外付けHDD/SSD:コスパが良く、大容量。システム全体の保存にも向きます。SSDは高速・耐衝撃ですが単価は高め。
  • 光ディスク(DVD/Blu-ray):追記型は改ざんされにくく、最終版の長期アーカイブに適します。容量は小さく大量保存には不向きです。
  • NAS(Network Attached Storage:ネットワーク接続ストレージ):家庭やオフィスのLANで共有でき、複数端末の集中バックアップに便利です。
  • クラウドストレージ:遠隔地保管になり、災害対策に強いのが利点。インターネット環境があればどこからでもアクセスできます。
  • 磁気テープ(LTO:Linear Tape-Open):超大容量でメディア単価が安く、適切に保管すれば長期保存に向きます。専用ドライブが高価で、ランダムアクセスは苦手です。

 

種別 主な用途 容量感 耐久性・寿命 使うメリット 注意点
外付けHDD/SSD 個人PCのバックアップ 大容量 3〜5年程度 手軽で高速 物理破損・災害に弱い
光ディスク 最終版の長期保管 小容量 10年〜数十年 改ざんしにくい 書き込みが遅い
NAS 家庭/部署の集中保存 大容量 3〜5年程度 複数端末で共有 ネットワーク設定が必要
クラウド 遠隔地保管・共有 プラン次第 事業者に依存 どこでもアクセス可 継続課金・回線に依存
磁気テープ(LTO) 企業の長期アーカイブ 超大容量 30年以上 長期保存と低TCO 専用機材が必要

 

バックアップ運用のポイント

「作ったら終わり」ではなく、確実に復元できる運用を続けることが大切です。基本原則と計画の立て方を押さえましょう。

 

●3-2-1ルール

写真家ピーター・クローグ氏が提唱し広く推奨されている原則です。

「3」つ以上のコピーを持つ(原本+バックアップ2つ)/「2」種類以上の異なる媒体に分散する(例:内蔵HDDと外付けHDD、外付けHDDとクラウド)/「1」つはオフサイト(遠隔地)に保管する。

この多層防御で単一障害点を避けられ、故障・盗難・災害にも強くなります。

 

●バックアップ頻度

頻度は「重要度」と「更新頻度」で決めます。毎日更新する会計データや卒業論文のような重要ファイルは毎日、あるいはそれ以上の頻度で。システム全体はOS更新や新規ソフト導入の前に取得しておくと安心です。

そして何より、自動化が継続のカギです。Time Machine、ファイル履歴、クラウドの同期機能などを用いて、スケジュールに沿って自動実行されるよう設定しましょう。取り忘れという最大のリスクを避けられます。

 

●企業での運用の考え方

企業ではバックアップは経営課題と直結します。まず、次の2つの指標を定めましょう。

  • RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)…どの時点まで戻せれば許容できるか。許容損失量を決め、頻度を規定します。
  • RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)…どれくらいの時間で復旧が必要か。ダウンタイムの上限を決め、復旧速度の要件が固まります。

 

さらに、オンプレミスのバックアップサーバーと遠隔地のクラウド/データセンターを組み合わせたハイブリッド構成を採用すると、日常の復元は高速に、災害時はオフサイトから柔軟に復旧できます。

最後に、社員教育も重要です。バックアップの意義や社内ルール、各自の役割を定期的に共有し、組織全体で運用レベルを底上げしましょう。

 

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著者情報
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