ストレージとは?企業のIT担当者が押さえるべき基礎と選び方

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ストレージとは?企業のIT担当者が押さえるべき基礎と選び方のイメージ図

データは企業の資産で、その土台がストレージです。単なる保管場所ではなく、体感速度や業務効率、BCPやセキュリティにも関わります。

本記事では「ストレージとは」を基礎から整理し、内部・外部・オンラインの違い、容量不足で起きることと対処、そして選び方の要点(利用目的・セキュリティ・コスト/拡張性)まで実務目線でまとめました。

 

目次

 

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システム開発「はじめの一歩」ITのプロから学ぶ基礎知識

この資料でわかること
・システム開発の流れ
・専門用語の解説
・開発手法によるメリット・デメリット
・失敗を防ぐコツ

 

ストレージとは

あらゆる業務データを長く安全に保つ基盤がストレージです。パソコンやスマートフォン、サーバーの中に必ずあり、容量や読み書きの速さは、システムの安定性や日々の作業効率にそのまま響きます。ここでは基本から選び方までを整理して紹介します。

 

●ストレージの主な3つの役割

ストレージの役割は大きく三つです。第一に「永続的な保存」。一度保存した文書・画像・動画などは、ユーザーが消さない限り残り続けます。電源を切ると消えるメモリと違い、ストレージは「不揮発性」です。

第二に「システム稼働の土台」。OS(Operating System: オペレーティングシステム)や業務アプリ、関連ファイルはすべてストレージ上にあり、起動時間やファイルの開閉速度といった体感性能を左右します。性能は従業員の生産性に直結するといえます。

第三に「ビジネスを動かす器」。顧客DB、会計データ、図面、契約書など、会社の根幹データが置かれる場所だからこそ、安全に保存し、速く取り出し、適切に管理できることが欠かせません。

 

●メモリとの違い

ストレージと混同しやすいメモリ(RAM: Random Access Memory〈ランダムアクセスメモリ〉)は、作業中のデータを一時的に置く「作業机」といえます。一方ストレージは、本棚や引き出しのように、長く保管する場所とイメージするとよいでしょう

技術的な違いは三つあります。

  1. 揮発性: RAMは電源を切ると内容が消えますが、ストレージは電源を切っても内容が残ります(不揮発性)。
  2. 速度と容量: RAMは非常に高速ですが高価で容量が小さめです。例えば、一般的なSATA接続SSDと比較してDDR4の転送速度は約33倍になる場合があります。一方、ストレージは大容量を安価に確保できます。
  3. 役割の位置づけ: CPUは基本的にRAM上のデータを処理し、ストレージはOSやアプリケーションをRAMに渡し、処理後のデータを永続的に保存します。

なお、メモリ不足が起きるとOSはスワッピングで低速なストレージに退避し、全体が著しく遅くなります。CPU・メモリ・ストレージの「バランス設計」がコスト対効果の鍵だといえるでしょう。

 

ストレージの種類

利用形態で大きく三つに分かれます。ここでは内部・外部・オンラインの順に、特徴と向いている用途を見ていきます。

 

●内部ストレージ

端末本体に内蔵され、OSやアプリが置かれる主要領域です。起動や応答の速さ、安定性に直結します。代表例はHDDとSSDです。

 

HDD(Hard Disk Drive: ハードディスクドライブ)

磁気ディスクに物理ヘッドで読み書きする方式です。大容量を低コストで用意でき、動画・高解像度画像・バックアップやアーカイブなど「容量重視」に向きます。一方で速度は遅めで、衝撃に弱く、動作音・発熱・消費電力が大きい傾向があります。

 

SSD(Solid State Drive: ソリッドステートドライブ)

フラッシュメモリに電気的に記録する方式です。可動部がないため高速・静音・低発熱・低消費電力で、衝撃にも強いのが長所です。OSやアプリ、DB、仮想デスクトップ(VDI: Virtual Desktop Infrastructure〈仮想デスクトップ基盤〉)のように「待ち時間を減らしたい領域」に適しています。容量単価はHDDより高めですが、近年は差が縮まりつつあります。

特徴 HDD SSD 企業での意味
読み書き速度 遅い 速い SSDは起動・応答を短縮し待ち時間を削減
耐衝撃性 低い 高い モバイル端末でのデータ破損リスクを抑制
消費電力・発熱 大きい 小さい 省エネ・静音、ラックの熱課題を緩和
容量単価 安い 高い 容量重視はHDD、体感性能重視はSSD
想定用途 アーカイブ/バックアップ OS/アプリ/DB/VDI ワークロード別に適材適所が有効

 

●外部ストレージ

USBメモリ、外付けHDD/SSD、SDカードなど、ケーブルやスロットで接続する外付け型です。バックアップや大容量ファイルの受け渡しに便利ですが、可搬性ゆえの紛失・盗難、マルウェア持ち込みといったリスクが見逃せません。

対策として、以下の点を重ねて運用しましょう。

  1. 持ち出しルールの明文化
  2. 会社許可デバイス以外をOS側でブロックする技術的制御
  3. ハードウェア暗号化等のセキュリティ機能付きデバイスの標準化
  4. 従業員教育

 

●オンラインストレージ

いわゆるクラウド型の仕組みです。インターネット経由でサービス事業者のサーバーに保存します。Google Drive、Dropbox、OneDriveなどの法人プランを使えば、場所や端末を問わずアクセスでき、URL共有や同時編集、バージョン管理でコラボレーションもはかどります。さらに、24時間365日体制の堅牢なデータセンターに置かれるため、災害時の事業継続(BCP: Business Continuity Plan〈事業継続計画〉)でも力を発揮します。

 

ストレージが不足すると起こること

「保存できない」だけでなく、更新や性能、安定性、さらにはセキュリティまで影響が広がります。具体的に何が起きるのか見ていきましょう。

 

●データ保存ができなくなる

新規ファイルの保存やアプリのインストールが失敗します。OSやアプリのアップデートは展開に空き容量が要るため、容量逼迫で更新できず、脆弱性の修正が滞るリスクも生じます。小さな容量不足が、思わぬセキュリティ課題につながる点は見逃せないところです。

 

●システムの動作が遅くなる

空き容量が足りないと、一時ファイルやキャッシュが作れず起動や処理が重くなります。RAMが足りない場面では仮想メモリに退避しますが、ストレージ自体に余裕がないとこの仕組みも機能不全に。HDDでは断片化が進み、ヘッド移動が増えることで読み込みがさらに遅くなります。

 

●強制終了や再起動が発生する

ログ書き込みや仮想メモリ管理に失敗し、アプリが固まる、クラッシュする、意図しない再起動が起きる――といった不安定化が起こり得ます。結果として待ち時間や手戻りが増え、サーバーで起きれば売上機会の喪失にもつながります。バックアップ先が満杯で処理だけ失敗していた、という事態も要注意です。

 

容量不足への対処方法

目の前の逼迫をしのぐ応急処置と、再発を防ぐ仕組みづくりの両方が必要です。段階的に進めましょう。

 

●不要なデータやアプリを削除する

まずはOS標準のクリーンアップで安全に削除できる項目を一掃します。ブラウザや各アプリのキャッシュも定期的にクリアしましょう。長く使っていないアプリは棚卸ししてアンインストールを。あわせて、重複ファイルや完了済みプロジェクトの扱いを定める「データ保持ポリシー」を運用に落とし込むと効果が続きます。

 

●外部ストレージに移動する

利用頻度の低い「コールドデータ」を外付けHDDへ移し、内部SSDは「ホットデータ」に集中させます。いわゆる階層化(ティアリング)で、限られた高速領域を有効活用できます。外付けHDDは端末全体のバックアップ先にも有効で、ランサムウェア被害時の最後の砦になります。

 

●オンラインストレージを活用する

根本対策としてクラウドへ移すと、端末の使用量が大きく減り、容量の心配は契約プランの調整で対応できます。データの一元管理でガバナンスが高まり、BCPにも寄与。共同編集と共有が標準化されることで、チームの回転も上がります。

 

ストレージを選ぶ際のポイント

「何に使うのか」「どこまで守るのか」「いくらかけるのか」この3点を軸に、要件に合う方式を絞り込みます。

 

●利用目的を明確にする

すべての業務に対応した万能なストレージは存在しません。それぞれの用途に合ったストレージを選びましょう。

  • 性能重視:VDIや大規模DB、リアルタイム分析は低遅延・高IOPS(Input/Output Operations Per Second: 1秒あたりの入出回数)が必要。NVMe(Non-Volatile Memory Express: 高速インターフェース規格)対応の内部SSDが有力候補です。
  • 共同作業と文書管理:共有・同時編集・版管理が主目的なら、機能の揃ったオンラインストレージが最適でしょう。
  • 大容量の保管・共有:CADや映像などは社内はNAS(Network Attached Storage: ネットワーク接続ストレージ)、社外共有はクラウドを併用するハイブリッドが扱いやすい構成です。
  • 長期アーカイブ:頻度は低いが確実な保存が要るデータは、大容量HDDや磁気テープ、あるいはクラウドのアーカイブ層が向きます。

また、少人数ならユーザー課金、全社展開なら容量課金のほうが収まりがよいことも多いでしょう。

 

●セキュリティ要件を確認する

法人利用では妥協できない部分です。

  • 暗号化:通信はHTTPS/SSL/TLS、保存時はAES-256(Advanced Encryption Standard: 共通鍵暗号方式)などで強固に保護されているか。
  • アクセス制御:ユーザー/グループ単位で閲覧・編集・ダウンロード可否を細かく設定できるか。
  • 認証:MFA(Multi-Factor Authentication: 多要素認証)に対応し、SSO(Single Sign-On: シングルサインオン)でActive Directoryと連携できるか。
  • 監査ログ:誰がいつ何をしたかを追跡できるか。
  • データ主権:保存場所(リージョン)を選べ、GDPR(General Data Protection Regulation: EU一般データ保護規則)など各国法に適合できるか。

 

●コストと拡張性を考慮する

評価は初期費用だけでなくTCO(Total Cost of Ownership: 総所有コスト)で行います。オンプレミスは機器・ライセンス・電力/冷却・保守人件費まで含めて算出が必要です。クラウドは主にサブスク費用で、初期投資のCapEx(Capital Expenditures: 設備投資)を運用費のOpEx(Operating Expenses: 運用費)に置き換えやすいのがメリットといえます。将来の増減に即応できるスケーラビリティも重要な判断材料です。

 

ストレージを使いこなして業務効率を高めよう

ストレージは「置き場」ではなく、業務の安定性・生産性・セキュリティを支える基盤です。最適解は一つの方式に寄せることではありません。OSや基幹アプリは高速な内部SSD、容量重視のデータや日次バックアップはHDDや社内NAS、部門間連携とテレワーク、災害対策の中核はオンラインストレージ――というハイブリッドが現実的です。

まずは現状の棚卸しから始めましょう。どの部署がどんなデータをどれくらい使い、どこに保管しているのかを可視化し、容量・性能・セキュリティの課題を洗い出す。次に、利用目的と優先度を決め、段階的に構成を最適化します。

「今日できる一歩」は、(1)不要データの整理、(2)外付け/クラウドへの退避、(3)バックアップと更新の動作確認です。小さな改善を積み上げて、止まらない・迷わない・守れるストレージ運用へ進めていきましょう。

 

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著者情報
発注ラウンジでは、システム開発・ホームページ制作やSaaS製品など、ITの発注に役立つ情報をお届けしています。 運営元はIT業界に特化したビジネスマッチングサービスを運営する「発注ナビ」。IT専門のメディアを展開する東証プライム上場ITmediaのグループ企業です。
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